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遅ればせながら、自民党の財源論を斬る 2009-06-23 (Tue) 01:34
http://daily-point.com/index.php?itemid=250
勢い込んで、次、もう一回、と鳩山代表に泣きついた前回の党首討論。次こそはと麻生首相が意気込んでいるテーマが財源と安全保障である。今日はそのうちの財源論についてひと講釈たれてみようと思う。自民党は民主党が財源を明確にしていないと指摘する。私のみるところ、民主党はこと社会保障に関しては財源を明確化する必要がない。消費税の増税についても同様だ。それはなぜか。
自民党は、消費税の増税について明確に方針化しないのは卑怯だ、無責任だと言う。対して鳩山代表は、政権交代後4年間は増税しないと断言した。ここに両者の争点は明確化されたのである。では、自民党側の財源論は果たして正しいのだろうか。
私はこのブログで、与党の言う財源の怪しさについてさんざん指摘してきた。曰く、赤字国債と増税とを財源にするのなら、バカでも政策実行能力を持てること。消費税増税に関しては、「3年後に景気回復を前提として検討する」と述べているが、実際には中曽根臨調の頃からの課題であって、それがこれ以上先延ばしできなくなったためであること。既に2025年までの増税スケジュールは政府内方針では織り込み済みなのだ。
どうして政府が今まで増大する社会保障費を抑え込んできたかと言えば、社会保障に財源の多くがまわされることで、公共事業などによる国土形成が阻害され、経済発展を困難にすると予測されてきたためである。結果として医療崩壊や介護難民といった社会保障の根幹を揺るがせる事態にまで悪化させてしまった。そればかりか年々細る公共事業によって、雇用までが縮小している。もう財源問題は避けて通れないのだ。
しかし、国民の側にすれば、財源の問題はそう大きな関心事ではない。最も関心を寄せるのは、現在の医療・介護・年金といった、制度そのものへの不安と不信について、政府がどういう具体的な改革を実行するのかにある。その上で、不足する財源を明確にして欲しいと思うのであって、制度改革を抜きにした財源論などは要求されていない。ここに大きなボタンのかけ違いがある。
民主党は、現行制度の抜本改革を想定している。年金であれば国民年金、厚生年金、共済年金の一元化であり、医療・介護に関しても、高齢者医療保険制度の見直し、介護従事者の待遇改善等、どれも現行制度通りに維持することを目標としていない。すなわち、制度設計を経てからでなくては、必要財源に言及できないのだ。これに対して、自民党は100年安心などと豪語した手前、大幅な制度の改革には踏み込めない。したがって、自民党の財源論は、現行制度の維持を前提とした場合に足りなくなる分を増税で賄おうという論理に他ならない。
制度の大幅な変更を前提とする民主党と、現行制度の維持を前提とする自民党とでは、そもそも財源問題に対するスタンスが違う。そして制度に信頼感をもてない国民にとって、財源よりも必要なのは信頼できる制度の再設計であり、ここでも自民党の方向性とは大きく異なっている。そのため、自民党がいかに財源が大事だと言い張っても、国民にその主張は届かない。鳩山代表が言う通り、4年間は徹底して財政の見直しと制度の再設計を進め、しかるのちに消費税増税を議論するというのは、道理に適っているのである。
さて、最後に安全保障についても触れておこう。軍事的緊張に対し、国土と国民を守るために、また、世界平和に貢献するために、日本の安全保障の根幹を定めるのは当然必要なことである。しかしながら、ここに対する反論は一言で済む。いかに軍事的な即応能力を身に着けたとしても、食糧、エネルギーを他国に頼る日本は、安全保障への対応力を決定的に欠いているということである。武器をそろえたはいいが、戦車を動かす燃料や、国民の命をつなぐ食糧を欠いては戦うことができない。ここを見ずして軍事のみの視点で安全保障を語っても、何の意味もないのだ。
(転載終わり)
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