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昨日の「なぜ、あのハゲタカ銀行が...?」に続いて、素人ながら金融というものを考えてみたい。日本も含めて、なぜ税金で銀行を救済するのか、考えれば考えるほど、その理由が理解できなくなってくるのだ。「大手銀行を潰すわけにはいかない」とか「銀行が健全でないと」とか、その他もろもろ言われてきたことは本当なんだろうか。
昨日紹介したブルームバーグの記事にもあったように、ゴールドマン・サックスやJPモルガン・チェース、バンク・オブ・ニューヨーク・メロンなどのハゲタカ銀行が非常に短期間、簡単に「夢の宴再始動」なんて書かれるまでになった。なんで"Emergency Economic Stabilization Act"が日本語では「金融安定化法」になるのかが不思議であることはさておき、昨年10月のこの法案をめぐる米議会での大騒ぎを覚えていれば、この急激な回復ぶりは誰もが不思議に思うに違いない。
ってなわけで、いくつか記事を読んでいたら、ウォールストリート・ジャーナルでヘンテコな記事を目にした。書いたのはARTHUR B. LAFFERなる人物で、見出しがこれ。
Get Ready for Inflation and Higher Interest Rates
The unprecedented expansion of the money supply could make the '70s look benign.(インフレ、高金利に備える。前例のないマネーサプライの膨張によって70年代が大したことないように見えるかも)
http://online.wsj.com/article/SB124458888993599879.html
で、記事の中で出されているグラフがこれ。
記事の見出しとともに、このグラフの大見出しにも"Money Supply"が使われている。
俺の勘違いでなければ、"Money Supply"、つまり、マネーサプライ(通貨供給量)ってのは、民間金融機関が信用創造で貸し出しているカネの量なんだよね。もしグラフにある通りに2008年当たりから、マネーサプライがこんなに劇的に伸びていたら、今頃、米国はとんでもない好況であるわけ。だって、銀行が貸し出しているカネを元手あるいは運転資金にして皆さんいろんな事業をやっているはずだから。
でも、他のどんな記事を見たって米国が好況なんてことは書いていない。
で、記事をざっと読んで、グラフの小見出しを見ると、こうあるわけ、"Annual percentage change in the monetary base"。注意して欲しいんだけど"Money Supply"ではなく"Monetary Base"。普通、金融経済をやっている人なら、"Monetary Base"つまり、日本銀行とかFRBから民間銀行に供給するマネー量を"Money Supply"とは書かないよね。明らかに違う概念だから。グラフの大見出しだって"Our Exploding Money Supply"ではなく、"Our Exploding Monetary Base"って書けばいいだけのこと。
これ、意図的なんじゃないかなあ。本文はちゃんと読まないだろうぐらいの調子で。で、意図的だと仮定すると、では、この記事は最終的に読者をどこに導こうとしているのか?という疑問が湧いてきて、記事自体の大見出し「Get Ready for Inflation and Higher Interest Rates(インフレ、高金利に備える)」ってのが重要な意味を持ってくると思うんだけど...
記事が掲載されたのが、ウォールストリート・ジャーナルですからね。米国金融資本のつもりになって考えると、面白いかもしれません。日本にも大いに関係していると思えるし。
湘南の片田舎から
http://ootw-corner.asablo.jp/blog/
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