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◆31歳、独身の新市長
千葉市長選は31歳、独身の若者、熊谷俊人氏の快勝に終わった。熊谷氏を推薦したのは民主党・千葉市民ネットと新社会党だった。
熊谷氏に敗北した自公推薦の候補は、前副市長の林孝二郎氏(63)。千葉市では戦後ずっと、中央省庁から派遣されて千葉市での勤務を重ね、最終的に助役・副市長となった人物が市長に昇進するパターンだった。林氏も旧建設省に入ったキャリア官僚。鶴岡啓一氏の下で副市長をつとめ、後継指名された。千葉市型官僚支配の正統後継者となるはずだったのだ。
◆60年余も続いた千葉市型官僚支配
その鶴岡氏が収賄で逮捕・起訴され、一転逆風の下での選挙となった。とはいえ林氏の敗北、熊谷氏の勝利は、千葉市にとって歴史的な意味を持つ。千葉市型官僚支配はなんと戦後64年目のこの年、ようやく打破されたのである。
◆自公とともに連合(労組)も官僚候補推薦
林氏を推薦していたのは自公両党だけではない。労組の連合もまた推薦団体に名を連ねていた。中央官庁キャリア−助役−市長というコースの市長による千葉市型官僚支配を保証し続けてきたのは総評・連合などの労組だったと解説する人もいる。
総評・連合といっても、千葉県下の大労組は自治労・日教組と鉄鋼労連(川鉄、新日鉄労組)ぐらい。市長選となると、千葉市職労の意思を尊重するという慣行があるらしい。その市職労が「官僚支配」歓迎なのである。
◆新市長は連合組合員だった
今回は鶴岡前市長が逮捕される前に、連合千葉は林氏推薦を決めていた。「連合にとっては不運なケース」という同情論もある。しかしNTTコミュニケーションズ社員だった熊谷氏は、連合傘下の情報労連の組合員だった。民主党の候補者公募に応じ、千葉市議になった07年以降も、情報労連の「組織内議員」としての活動を続けていたという。
熊谷氏の立候補が決まった段階で、林氏推薦を取り消し、熊谷氏推薦に切り替える理由は多項目にわたったはずだ。▽林氏は「汚職市長」によって後継指名されたというダーティーさを抱えてしまった▽民主党が熊谷氏を推薦している▽熊谷氏は連合傘下労組の組織内議員である――などである。これだけの理由がありながら、林氏の推薦取り消し、熊谷氏推薦ということにはならなかった。
◆官僚市長「歓迎」の理由
市職労にとって、官僚の世界を知り尽くした市長は歓迎すべき存在らしい。市職員の給与決定にさいして、国の人事院勧告にスライドする形のベア率はいわばオモテの世界。労使交渉でポイントになるのは、一般有権者には見えない「ウラの部分」だという。
公務員の給与体系は、職級によって決まることになっている。しかし課長級の職務に就いていない人物を、給与面だけ課長級として扱う「ウラ技」もある。「官僚市長」は一般に、こうしたウラ技に目くじらを立てるようなことをしない……。
こうしたことは全国どの自治体でも同じ。だから知事選のときの県職、市長選のときの市職は、「現職支持」となるケースが多い、ということになる。
◆既得権益確保のため、改革なおざり
しかしこれでは自分たち労組員の既得権益確保のため、自治体行政改革をなおざりにする姿勢だと批判されてもしようがないのではないか。
労組でありながら「守旧派」を推薦し、敗れたのは残念、と結論にすべきかもしれない。しかしあえて逆の結論にしよう。自治労傘下の県職労・市職労などは、「市民のため」よりも職員(民間なら正社員)のエゴを優先する組織。その論理をおし通したのが、自公とともに林氏を推薦するという行動だった。敗れて当然だった。
◆職組とのケンカのススメ
選挙で市職労の世話にならなかったことは、若武者・熊谷新市長にとって、たいへんなメリットがあったということになるはずだ。改革拒否・守旧姿勢に傾きがちな市職員機構に妥協する必要がないからだ。市職労とケンカしてでも、「改革」の意思をおし通すことこそ、市民の支持を拡大する道のはずだ。
http://www.news.janjan.jp/column/0906/0906175244/1.php
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