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鳩山総務相更迭 郵政社長は続投 首相、窮余の盟友切り
2009年6月13日(土)08:05
□深い亀裂、自民崩壊への序章?
「さわやかだなあ…」
12日午後3時前、東京都台東区の谷中霊園。首相・麻生太郎に辞表を提出した鳩山邦夫は、自民党初代総裁で元首相の祖父・一郎、元外相の父・威一郎の墓前で手を合わせ、晴れやかな表情で夏空を見上げた。
「祖父もおやじも分かってくれるでしょう。正しいことをして潔く去るんだったら自民党初代総裁も分かってくれるよ。間違ったことしたわけじゃない」
鳩山にとって日本郵政社長・西川善文の辞任要求はあくまでも「正義の戦い」だった。政権を窮地に追い込んだという自責の念はみじんもない。
■「最後は収まる」
今年1月の「かんぽの宿」譲渡問題に端を発した鳩山、西川の対立は、4月3日の総務相による業務改善命令で収まることなく深刻さを増していった。
だが、麻生はそれほど気に留めていなかった。北朝鮮の核・ミサイル問題や新型インフルエンザへの対応などに忙殺されたこともあるが、「2人とも大人なんだから最後は収まるところに収まる」とタカをくくっていたのだ。
事態が急変したのは6月3日だった。鳩山は東京・有楽町のビックカメラ前で「日本郵政はめちゃくちゃなことが多いわけだから西川さんにお辞めいただくのは当然だ。認可権を行使して認可しない」と断言した。
株主総会での西川再任議決を総務相が認めないとなれば、その後の日本郵政の経営は大混乱に陥る。西川の再任はすでに前日本経団連会長・奥田碩らの支持も得ており、政府・与党と財界の対立に発展する可能性も出てきた。
■「2人とも切れ」
この時点で、麻生も事態収拾に動き出した。5日夜、麻生はなんとか妥協点を探るべく鳩山をひそかに首相公邸に招いた。
ところが鳩山は一枚上手だった。
「総理、ちょっと聞いていただけますか」
鳩山はブランデーグラスを傾けながらこう続けた。
「私は総理に出会えて幸せだったし、感謝しています。3年前の党総裁選で総理の選対本部長になるとき、仲間は『総理になれない人を応援したら鳩山邦夫に傷がつく』と言ったが、私はなにくそと思い、麻生を総理にしようと頑張った。だからこの2年間は本当に幸せだった…」
情にもろい麻生は黙って聞き入り、この夜に2人は日本郵政の一件に深入りすることはなかった。
だが、鳩山の言動はジワジワと自民党に不穏な空気を広げていった。まず動いたのは元首相の森喜朗、前自民党参院議員会長の青木幹雄の重鎮2人だった。2人は8日夜、都内のホテルで麻生とひそかに会い、こう耳打ちした。
「鳩山も西川もどっちもどっちだ。けんか両成敗で一両日中に2人とも切れ。党内は何とかする」
2人に背中を押されるように麻生は9日、西川、鳩山の更迭に向け、一気に動き出した。これに「待った」をかけたのが、麻生の腹心である選対副委員長・菅義偉だった。
「けんか両成敗ってどういうことですか。鳩山が一方的にけんかを仕掛けているだけじゃないですか。西川さんを更迭すれば自民党は大変なことになる」
■「信念曲げない」
菅は、構造改革路線の見直しを進める麻生に不信感を募らせる若手・中堅議員の「なだめ役」を務めてきた。反麻生勢力のリーダーである元幹事長・中川秀直らが倒閣に動かなかったのも菅の存在が大きい。
菅は西川更迭により、郵政解散の「大義」を失った若手・中堅が麻生降ろしに動くことを極度に恐れていた。
すでに兆候はあった。元首相・小泉純一郎は西川に電話をかけ、「絶対に辞めてはいけない」と激励。中川は「西川氏を更迭すれば行動を起こさなければならない」と気勢を上げた。
元首相・安倍晋三も10日夜、麻生に電話をかけてこう諭した。
「2人を更迭して納得する自民党議員は1人もいないじゃないですか」
さすがの麻生も方針を転換し、官房長官・河村建夫を介して2人の和解を画策する。河村は「西川に土下座でも何でもさせるから妥協してくれ」と懇願したが、鳩山は譲らなかった。
「信念は曲げられない。罷免されてもいい」
もはや麻生には更迭しか道は残されていなかった。
鳩山、西川の対立で生じた党内の亀裂は、麻生の求心力低下を浮き彫りにしたばかりか、4年前の郵政解散が自民党に残した傷跡はなお癒えていないことを露呈した。
今回の更迭劇は「たった1人の反乱」だったのか。それとも自民党崩壊の序章なのか。(石橋文登、酒井充)=敬称略
http://news.goo.ne.jp/article/sankei/politics/m20090613039.html
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