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2009年06月12日
「オバマの核なき世界」は笑止千万
6月12日の共同通信は、北朝鮮労働党の機関紙「労働新聞」が11日、オバマ大統領が提唱する「核なき世界」を「笑止千万だ」と切り捨て、非難する論評を掲載したと報じた。
それを読んで私は苦笑せざるを得なかった。
「日本海を血の海にしてやる」、とか、「宣戦布告だ」、とか、とかく紙芝居がかった仰々しい言葉で敵を非難する北朝鮮には、毎度ながらうんざりさせられる。
しかも世界中が評価しているオバマ大統領のプラハでの非核演説をここまで非難するのだ。
私のように核廃絶を提唱する者ならずとも、この北朝鮮の挑発的態度には反発を抱かざるを得ないだろう。どうしようもない連中だと苦笑する他はない。
しかし、今回に限っては私の苦笑は別のところにある。
共同通信が伝える北朝鮮の論評の、その後に続く次のような断片的な部分を読んで、私は苦笑した。いや大笑してしまったのだ。
北朝鮮次のように言ってオバマを笑止千万と非難する。
「米国は同盟国の核兵器開発は黙認し、協力までする一方、思い通りに動かない国の核は問題視し、核問題の裁判官のように振舞っている」、
「米国の核の脅威が消え去るまで、われわれは核抑止力を決して放棄しない」、
これはまさしく正論ではないのか。オバマ大統領はこれらに正しく反論できるというのか。
実はこの北朝鮮の論評と同じような事は、誰もが内心思っていることなのだ。
最近では岡田民主党幹事長でさえ、北朝鮮の核実験直後のテレビ番組で、米国や日本がインドを核不拡散条約の例外扱いにしておいてどうして北朝鮮の核実験を非難できるかという矛盾はある、と発言していた。私はそれを見逃さなかった。
イスラエルの核保有を認めておきながらイランやイラクの核の脅威は先制攻撃で排除する、というのでは理屈が通らないだろう。
読売新聞の連載「核の脅威」で登場する海外の専門家たちも、「彼らはよくてなぜ我々はいけないのかという思いはイランにも北朝鮮にもある」(6月4日ハインツ・ゲートナー・オーストリア国際問題研究所教授)、
「インドを例外扱いした米印原子力協定は悪例だ。例外扱いされたい北朝鮮を勇気づけ今回の核実験を誘ったかもしれない」(6月3日、マルコム・クック豪ロウィ研究所東アジア研究部長)、
などなど、皆米国の核政策の矛盾を指摘している。
そうなのだ。
核廃絶は決して難しいことではない。米国が率先して自らの核を廃棄すればいいのだ。それに従わない国はない。
北朝鮮問題の解決は決して難しいことではない。米国が率先して米国の北朝鮮に対する脅威を取り除く事を約束すればいいのだ。北朝鮮の恫喝外交はたちどころになくなる。もはや意味が無いからだ。
本当の事を誰も米国に正面から言わない。言えない。
それを北朝鮮がやってのけたのだ。そしてオバマ大統領はその問いにまともな返答ができないままだ。
私が笑ってしまった理由がそこにある。
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