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オバマさんはGMを破産、国有化して、自動車産業の再生をぶち上げていた。そして海外では米国の保護主義に対する懸念が広まっていると報道されている。
M破綻:/2 「国有化」大統領の賭け ◇経営介入、保護主義…広がる懸念
http://mainichi.jp/select/biz/news/20090604ddm002020061000c.html
しかし、こうした報道を真に受けていいのだろうか?そもそも米国はこの数十年一貫して製造業をアウトソーシングしてきたのではないか。その流れからいえば、オバマさんの言う米国自動車産業の再生なんては眉唾ものじゃないだろうか。単純に国内向けのリップサービス。
もっと根本的なところで、例えば中国とアメリカの労働コストの差は依然としてデカイ。自動車技術面からもすでに日本やドイツにひどい遅れをとっているのに、労働コストが高い国内でなぜ自動車産業を再生する必要があるのか。コストが高すぎて勝負にならないだろう。これまでの流れを見れば、当然、自動車という製造業もまたアウトソーシングと考えるのが常識的な線ではないだろうか。
もう一つ昨年末ブッシュ政権の末期に金融機関へのほぼ無条件の税金投入が決められ、それがオバマ政権下でも続いているのに対し、自動車産業へはさまざまな条件が付けられ、さらには自家用機で公聴会にやってきたと自動車業界幹部がメディアで見せ物にされるという扱いの違いを思い出すといいのでないか。こうした米国内の一貫した流れを思い出すと、「GM破産を米国における産業資本に対する金融資本の完全勝利の瞬間」と捉える次の記事の見方はなかなか的を射ていると思える。
R.I.P. Industrial USA. The Banksters Win, Even When They Fail
(米国製造業よ安らかに眠れ。自分たちが破綻しても勝利した銀行ギャングたち)
http://www.blackagendareport.com/?q=print/content/rip-industrial-usa-banksters-win-even-when-they-fail
(英文のままでもし分けないが、言っていることは見出しに要約できる)
問題は、ブッシュ、オバマさんと続くこの流れに日本がどう巻き込まれてきたか、巻き込まれているかにある。その意味では、国賊的行為とかなりの人が感じているであろう日本郵政民営化・分社化に、金融界ではなく産業界の雄、奥田碩さん(トヨタ自動車株式会社取締役相談役)や牛尾治郎(ウシオ電機株式会社代表取締役会長)さんの名前が中心人物として登場するのは意味深である。
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