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http://www.okinawatimes.co.jp/news/2009-06-09-M_1-005-1_001.html
2009年06月09日 社説
[グアム移転]
米政府の中に不協和音
日米同盟の長年の懸案である米軍普天間飛行場の移転・返還問題にいよいよ手詰まり感が漂っている。両政府が合意した名護市辺野古での代替施設計画について、施設を使う米海兵隊が公の場で機能的な問題を指摘し始めた。
コンウェー米海兵隊司令官は4日の米上院軍事委員会公聴会で、「普天間代替施設の性能のほか、グアムや周辺に整備する訓練場の問題がある」「われわれには修正案がある」と語った。司令官は国防総省が来年初めにまとめる4年ごとの国防戦略見直し(QDR)に伴い、普天間移転と海兵隊グアム移転計画の一部を再検討する考えを表明した。
これに対し、米軍再編協議で対日交渉を担当したケビン・メア在沖米総領事は8日、「再編はそのまま実行する」と海兵隊トップの発言を否定した。メア氏は7月異動で米国務省日本部長に就任する。
基地問題は従来、日本政府VS沖縄の対立構図で語られがちだが、ここにきて米政府内で外交と防衛当局者の不協和音が顕在化しつつある。
日本では民主党の岡田克也幹事長が雑誌「世界」(7月号)で、「普天間」県内移転の見直しを主張、沖縄以外の国内移転も視野に米政府と交渉する考えを示した。これに対し、麻生太郎首相は「どこの県に移転されるのかをぜひ教えていただきたい。国防を預かる立場としては極めて無責任なことになるのではないか」と反論する。
仲井真弘多知事は「少し動かして」と政府案の修正を求めるが、もはや議論は微調整にとどまらなくなった。
そもそも政治と外交が主導した米軍再編協議に海兵隊は不満を抱いていた。(1)普天間代替飛行場の機能問題(2)グアム移転による運用経費の増加―が主な要因だ。
米軍資料によると「海兵隊が導入する新型輸送機(オスプレイ)は1800メートルの滑走路が必要」とあるが、日米合意の代替飛行場は1600メートルを予定している。
再編後はグアムに移転した司令部が沖縄とハワイに配置されている実動部隊(歩兵・砲兵・航空)を遠隔操作する。米会計検査院報告によると、輸送コストは毎年88億ドル増え、さらに日本政府が負担している基地従業員の給与や電気光熱費など思いやり予算がなくなるため、移転後の経費は毎年465億ドル膨らむ。
移転経費総額も当初見積もり(103億ドル)を大幅に超過し、約50億ドルの上乗せが必要だとされている。防衛予算削減の中で、海兵隊が不安を抱くのも無理はない。
普天間移転の日米合意は「1ミリも動かせない」と強弁してきた米外交当局者の論理は軍部によって切り崩されつつある。
昔から軍部は既存基地を資産として死守する習性がある。「将軍にとって海外資産は空母や最新鋭爆撃機と同じくらい魅力的だ。もう十分だ、とは決して言わない」(パトリック・ロイド元陸軍大佐の著「中米の基地マニア」)。
問われているのは、沖縄基地の有用性ではない。「安保=基地=沖縄」を固定概念化してきた政治の思考停止だ。
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