★阿修羅♪ > 政治・選挙・NHK64 > 785.html
 ★阿修羅♪  
▲コメTop ▼コメBtm 次へ 前へ
北朝鮮の核実験を糾弾する 「敵基地攻撃」論の横行を許すな平和・人権の民衆連帯の拡大を(かけはし)
http://www.asyura2.com/09/senkyo64/msg/785.html
投稿者 ダイナモ 日時 2009 年 6 月 07 日 18:45:58: mY9T/8MdR98ug
 

http://www.jrcl.net/web/frame090608a.html

北朝鮮政府の
軍事冒険主義

 五月二十五日午前、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)は、二〇〇六年十月に続き地下核実験を強行した。朝鮮中央通信はこの核実験について「共和国の自衛的核抑止力をあらゆる方法で強化するための措置の一環」であり、「先軍の威力で国と民族の自主権と社会主義を守り、朝鮮半島と周辺地域の平和と安全保障に貢献することになるだろう」と主張している。
 さる四月五日、長距離ロケット「テポドン2」を発射した北朝鮮の金正日軍事独裁体制は、四月十三日に国連安保理で、北朝鮮の「ミサイル発射」を非難する議長声明が満場一致で採択されると翌十四日には、北朝鮮外務省はそれに抗議し、「六者協議からの離脱」と「自衛のための核抑止力強化」を声明した。さらに四月二十九日には外務省声明で「国連安保理が謝罪しなければ、核実験や大陸間弾道ミサイル発射などの自衛措置をとる」と、強硬な姿勢を明らかにしていたのである。
 われわれは四月のロケット発射に続く、今回の二度目の核実験を糾弾する。なによりも北朝鮮の民衆を貧困と飢餓、自由と権利の剥奪という苦しみの中に置きながら、独裁体制の延命のために巨額の国費を浪費して冒険主義的軍事挑発を繰り返す金正日独裁体制の「瀬戸際」外交を許すことはできない。国民全体を人質にとって、体制存続のための駆け引きを行う北朝鮮政府をわれわれは強く批判する。この批判には、いささかのあいまいさもあってはならない。
 五月二十五日以後、北朝鮮は連日のように日本海に向けた短距離ミサイルの発射を繰り返す一方、「韓国が全面参加すれば、宣戦布告とみなし、即時断固たる措置を取る」としていたPSI(大量破壊兵器の拡散防止構想)に、韓国政府が五月二十六日に全面参加すると発表するや、翌二十七日には「軍事対応を取る」との声明を発した。そのため韓国イ・ミョンバク政権は黄海上の「北方限界線」(NLL)付近に艦船を終結させ、軍事的緊張が高まっている。

北朝鮮を利用
した戦争国家化

 北朝鮮によるこの挑発的軍事冒険政策のねらいは、どこにあるのだろうか。もちろんそこには、金正日の「健康」問題と「代替わり」をめぐる国内支配体制の混乱を「対外強硬」のポーズを極限化させることで引き締めようとする内部的要因が第一に考えられなければならない。
 北朝鮮の軍事独裁体制にとって自らの「体制存続」の保証人は何よりも米国と中国である。そして内外の危機の中で米国のオバマ新政権の出方をさぐり、オバマにとっては相対的に優先順位の低い朝鮮半島問題に関心を引き戻させ、北朝鮮を「核保有国」と認めさせることで対米二国間直接交渉のルートを築き上げたいという金正日政権の意図がはっきりと見えている。
 北朝鮮の伝統的な「瀬戸際」外交のためのカードはもはやほとんど残されていない。したがって彼らは、残された僅かなカードである「核開発」プログラムに固執せざるをえないのだ。しかしこの「生き残り」をかけた金正日体制の危険な賭けが、東北アジアの軍事的緊張を再発させ、米軍再編を通じた日本の「戦争国家」体制の強化にいっそうの拍車をかけているのである。

与野党貫いた
「敵基地攻撃」論

 五月二十六日に衆院本会議で、翌二十七日には参院本会議で、北朝鮮の核実験は二〇〇六年十月の国連安保理決議1718に違反すること、日本の「独自制裁」を強化することを明記した北朝鮮非難決議が全会一致で採択された。四月の「ロケット発射」については国連安保理決議が採択されなかったが、今回の核実験については中国、ロシア共に二〇〇六年の安保理決議違反であることを認めており、新たな安保理決議がまとめられることになるだろう。日米両国は二〇〇六年の1718決議との比較では、武器禁輸の対象を大型兵器以外に拡大し、経済・金融制裁を強化し、北朝鮮に出入りする貨物船の船舶検査の各国レベルでの義務化することなどが盛り込まれるとされている。
 ここで重大な意味を持つのは、「船舶検査」の義務化条項である。日本が公海上で北朝鮮に出入りする貨物船を検査する根拠法となるのは、一九九九年に成立した周辺事態法の一部である「船舶検査活動法」である。しかし同法の適用は「戦争状態」そのものである「周辺事態」に限られている。しかし北朝鮮の地下核実験は戦時に直結する「周辺事態」であるとは認められていない。したがって、政府・与党からは「船舶検査活動法」の改悪、あるいは新法の制定が論議に上っているのだ(「朝日」5月29日)。
 公海上の強制停船、臨検などの行為が戦争行為そのものであることは言うまでもない。今、政府・与党は明らかにそこにまで踏み込もうとする選択を提示している。
 そればかりではない。北朝鮮の「ロケット発射」、核実験を奇貨として「先制的敵基地攻撃」「独自核抑止力保持」などの論議が政府・与野党内で勢いを得ている。
 五月二十六日、自民党・防衛政策検討小委員会は年末の防衛計画大綱見直しに向けて提言案をまとめた。そこでは武器輸出三原則の見直し、集団的自衛権の行使容認とならんで「策源地(敵基地)攻撃能力が必要」とうたわれている。与党だけではない。民主党「次の内閣」防衛相の浅尾慶一郎参院議員は、次のように語っている。
 「公海上で、北朝鮮に向かったり北朝鮮から出てきたりする船舶の貨物検査を行う法律が、日本にはない。そういう法律をつくる姿勢を示すことで、明確にわが国の意思を示すことができる」「今のミサイル防衛では100%守ることは不可能だ。確実なのは先にたたくということ。例えばオーストラリアが導入を計画している巡航ミサイルのトマホークのようなものを持つのも、一つの選択肢として考える」「日本の政治家の最大の務めは国民の生命・安全を守ることだ。北朝鮮が核・ミサイル開発を続ければ、敵基地攻撃が感情論ではなく、日本として必然的な結論にならざるを得ないかもしれない」(「朝日」5月27日オピニオン欄 インタビュー・北朝鮮の核実験)。
 こうして北朝鮮の「ロケット発射・核実験」は、与野党を貫いて好戦的「軍事国家」への機運を確実に醸成している。こうした排外主義的な流れを阻止し、侵略・植民地支配の清算をかけて東北アジアの公正な平和のために闘うことは、日本の労働者・市民に課せられた課題である。

日本の平和運動
が試されている

 われわれは北朝鮮政府が「核開発」計画を放棄し、「ロケット発射・核実験」などをやめることを要求する。それとともにわれわれは、韓国・沖縄・「本土」から米軍基地を撤去し、「米軍再編」構想を撤回することを求める。オバマのプラハにおける「核廃絶」をめざす演説は、「冷戦」時代の軍事的緊張関係が続く朝鮮半島においてこそ具体的に試されるものとなる。米国政府は、朝鮮半島における持続的で公正な平和の実現のために「休戦協定」を平和条約に転換するための米朝交渉の開始を受け入れなければならない。
 「核大国」こそが「核兵器廃絶」のための第一の責任を有していることは強調しても強調しすぎることはない。北朝鮮の「核開発」を口実に「抑止力」論にしがみつく日本政府の姿勢をわれわれは厳しく抗議する。先制攻撃戦略の一環であるMD(ミサイル防衛)態勢を放棄せよ。
 日本政府はまた二〇〇二年の日朝「ピョンヤン宣言」に基づいて、朝鮮半島植民地支配への謝罪と補償に基づく日朝国交正常化への交渉再開努力を追求すべきである。北朝鮮政府による拉致犯罪の解明と謝罪・補償をその枠組みの中でこそ実現しなければならない。北朝鮮の「核の脅威」を理由に、突出して「制裁強化」を主張し、軍備拡大を推し進める日本政府の姿勢は日本と朝鮮半島の「和解・平和」の妨害となっている。
 民衆自身の連帯・交流の発展こそが、平和の保障である。平和と共生はまた、諸国民・諸個人の尊厳と人権・民主主義・自由の確立とセットである。われわれは北朝鮮・韓国の民衆とともにこの困難な闘いを引き受けなければならない。「海賊」対処法案、派兵恒久法制定のもくろみを阻止し、沖縄をはじめとする米軍基地撤去の闘いをいっそう広げ、「米軍再編」を阻止することで、問われている任務に応えよう。
 (5月30日 平井純一)

 

  拍手はせず、拍手一覧を見る

 次へ  前へ

▲このページのTOPへ      HOME > 政治・選挙・NHK64掲示板

フォローアップ:

このページに返信するときは、このボタンを押してください。投稿フォームが開きます。

 

  拍手はせず、拍手一覧を見る


★登録無しでコメント可能。今すぐ反映 通常 |動画・ツイッター等 |htmltag可(熟練者向)
タグCheck |タグに'だけを使っている場合のcheck |checkしない)(各説明

←ペンネーム新規登録ならチェック)
↓ペンネーム(2023/11/26から必須)

↓パスワード(ペンネームに必須)

(ペンネームとパスワードは初回使用で記録、次回以降にチェック。パスワードはメモすべし。)
↓画像認証
( 上画像文字を入力)
ルール確認&失敗対策
画像の URL (任意):
投稿コメント全ログ  コメント即時配信  スレ建て依頼  削除コメント確認方法
★阿修羅♪ http://www.asyura2.com/  since 1995
 題名には必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
掲示板,MLを含むこのサイトすべての
一切の引用、転載、リンクを許可いたします。確認メールは不要です。
引用元リンクを表示してください。