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何故、日本で政権交代はできないのか
http://www.the-journal.jp/contents/hirano/2009/06/post_1.html
このたび天命(高野孟氏の命令)により、体制側から「永田町の悪人」といわれてきた私の直言を、適時申し述べることになったのでよろしく。
小沢民主党前代表の退陣問題の本質は、日本の議会制民主政治が継続するかどうかという問題であった。それを理解する政治家・有識者がほとんどいなかったことが、日本政治の悲劇と言える。小沢一郎の院政で鳩山代表が就任したと旧体制のメディアはいまだにさえずっている。民主党内にもそれを前提に党内抗争を狙っている輩がいる。小沢一郎に言いたいことがあれば、正面から堂々と議論すればよい。陰でマスコミを利用する姿勢に問題がある。
与党である自民党や公明党が、政権交代に反対するのは当然だ。検察や警察権力などを裏で利用してでも政権を死守しようという状況に、「検察と闘うのは小沢個人でやってくれ、民主党を巻き込まないでくれ」と、党のコンセンサスをつくるような政党は、政権を闘い獲る姿勢ではない。西松建設事件で小沢代表秘書の逮捕を「検察ファッショ」「政治捜査」と批判しない野党は、野党とはいえない。
今回、歴史認識のなさを露呈したのは日本共産党だ。東京地検特捜部と同じ論理で、小沢代表と民主党を批判していたが、日本共産党にそれをいう資格があるのか。
戦後のある期間、日本共産党はソ連共産党からいろんな方法で資金援助を受けており、革命を企んでいたことは歴史的事実だ。社会党もソ連の援助を受けていた。自民党に至っては米国のCIA資金を政治資金とした時代があった。法制度で許容されている政治資金を、法に従い収支を明確にして届出したものを、無理やりに拡大解釈を重ねて犯罪であるかの偽装捜査を支持する日本共産党こそ、政権交代を妨げる政治勢力の典型といえる。
わが国は実質的な意味で、明治憲法以来、一度も国民有権者の意思で政権交代をしていない。まずこの事実を認識しておくべきだ。政権交代といわれる細川非自民連立政権の樹立は、総選挙後の政党間の話し合いによるもので、「新党さきがけ」は自民党との連立を目論んでいた。では、何故日本で政権交代ができなかったのか。衆院事務局と参院議員併せて45年間、永田町で生きてきた私なりの分析をしてみよう。
第一は、米ソ冷戦という国際情勢である。日本人の多くはソ連の影響を受ける政権を避けてきた。資本主義の自由を評価していた。
第二は、経済の高度成長によりソ連の支援を受けていた野党第一党の社会党は、政権を目指すより自民党に経済的恩恵を求める従属政党となり、ねずみを捕らない猫となった。
第三は、自民党政権の長期化により、「政官業」の癒着が日本の政治文化となり、憲法原理の上位となった。その結果、経済が成長しない時代になって、官僚支配の政治が悪化し、天下りなど税金を私物化するため、官僚が政権交代と妨げるようになった。
政権交代が何故必要かについては、次回に述べよう。
投稿者: 平野貞夫 日時: 2009年06月03日 10:32
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