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http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/090530/plc0905300400004-n1.htm
一国の宰相は、困難な課題をやり抜く決意を示し、反対者を説得してでも実現していかねばならない。そうした指導者としての信念を麻生太郎首相が示さなかったことは、きわめて残念だ。 首相は28日、厚生労働省を「社会保障省」と「国民生活省」に2分割する問題で、「分割にはこだわっていない」と具体化を当面、見送る考えを示した。 唐突に浮上した分割論には、政府・自民党から反発が強まっていた。拙速に結論を出す問題ではないが、政権内部の亀裂を恐れ、首相が判断を避けた印象は否めない。指導力不足や言葉の軽さを指摘されてきた首相が、改めて力量を示すこともできたはずだが、その機会を放棄してしまった。 厚労省の分割論は、15日の「安心社会実現会議」で首相が前向きな発言をし、与謝野馨経済財政担当相に検討を指示した。政府の経済財政運営の基本方針「骨太の方針2009」に反映させることも固まり、関係閣僚が今週中に素案をまとめるはこびだった。 「単に厚労省を2分割するのではない」という首相の発言もあった。しかし、最大の焦点は分割論の行方で、だからこそ政府・与党内で論争が生じた。 自民党の細田博之幹事長は、首相から「官邸として取り上げるという話は一度もしていない」と説明を受けると、記者団に対して「正体見たり枯れ尾花という感じだ」と語った。省庁再編という国の形づくりにかかわるテーマについて、首相と幹事長が幽霊のようなあいまいな会話をしていて、政治になるのか。 一方、27日の党首討論では、「節度ある対応」を申し合わせていながら、与野党が激しいやじの浴びせ合いを演じ、「行儀が悪くて子供に見せられない」との指摘も出た。自民、民主両党が改めて自制を確認したが、やじが話題になること自体、討論内容の物足りなさを浮き彫りにしている。 首相は重要な政策判断でふらつき、議員たちはやじにエネルギーを注ぐ。いずれも政治の劣化を露呈していないか。衆院選を控え、緩んだ姿を有権者に見せるのは、いいかげんにしてほしい。 通常国会は補正予算成立という大きな節目を経たが、海賊対処法案の成立には会期延長が必要だ。延長後、党首討論の機会もある。政権を競い合う内容を伴った議論の場としなければならない。 |
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