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(回答先: 新型インフル大騒ぎは、自民党の選挙対策か!(日刊ゲンダイ) 投稿者 めっちゃホリディ 日時 2009 年 5 月 23 日 12:09:57)
http://mainichi.jp/select/world/news/20090523ddm004070159000c.html
グローバル・アイ:新型インフルエンザ騒ぎ 大きいメディアの責任=西川恵
新型インフルエンザに対する日本社会の過剰反応に違和感を覚える。
首都圏で初めて感染者を出した川崎の私立高校の校長は会見で「行かせないという判断もあったが、弱毒ということも総合的に考えて、子供たちが得るものは何物にも代え難いという思いがあった」(本紙21日付朝刊)と述べている。その通りである。行かせた判断は間違っていない。
しかし校長は続いて「行ったことは学校の責任だと思っている」と言う。恐らく記者団から「責任をどう思うのか」と質問されたのだろう。
修学旅行で新大阪駅に集合した大阪の中学生には、駅で中止が知らされた。酷な話である。「大阪市内から外に出る行事の中止」という大阪市教育委員会の決定で、五十数校の修学旅行が中止となった。感染者を出すとたたかれるから、社会全体がコトなかれ主義に走り、社会活動が停滞する。
新型インフルエンザは弱毒性で、一般人が感染しても症状は軽く、治療薬タミフルも効くと早くから言われている。従来の季節性インフルエンザは日本では毎年1000万人が感染し、合併症などで1万人が死亡している。今回もこれに準じた話だ。それが妊婦が感染したら大変だ、すき間のないマスクのかけ方を、等々。インターネットでは中傷も起きている。
この社会の過剰反応に対するメディアの責任は大きい。「冷静対応」と言う一方、不安をあおる報道が少なくない。21日夜、あるテレビは首都圏で初の感染者が出たことに「こんな近くに恐怖ですね」と住民に語らせ、アナウンサーは「いつまで続くかわからない感染の広がり」と大仰に言う。症状は軽く、順次回復しているのにである。
問題は政府当局の措置が妥当かどうか基本的なところを検証、咀嚼(そしゃく)することなく報じ、結果として世論をあおるメディアのあり方だ。03年、新型肺炎SARSがアジアを襲った時、日本政府は最も危険な1類感染症に指定した。その時でさえ今回のような厳しい措置はとっていない。
ここにきて当局は緩和の方向へ踏み出したが、弱毒性の新型インフルエンザに対して、強制入院、停留措置、一律の学校閉鎖・行事中止など、そもそも必要だったのか。逆に世論の不安をあおっただけではないだろうか。
仕事ぶりをアピールしようとするのは当局の常だが、メディアはそれに無批判に乗るのでなく、施策の妥当性に踏み込んだ問題提起が必要ではないか。メディア批判の矢は私にも向いていることを承知の上で、あえて書いた。(専門編集委員)
毎日新聞 2009年5月23日 東京朝刊
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