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鳩山代表は党内で「猛獣」小沢氏に直言できる唯一の存在
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民主党の鳩山新代表は1986年の総選挙で政界入りし、現在当選7回である。そのとき、小沢前代表は当選7回、大臣も経験済みで、田中派の選挙担当責任者の総務局長の座にあった。将来の総裁候補と目される自民党の中堅リーダーで、すでに「猛獣」だった。
鳩山氏の行動が初めて注目を集めたのはそれから7年後の93年の自民党離党、さきがけ参画だ。小沢氏も同時期、自民党を離党して新生党を結成する。その頃、2人はともに党の代表幹事として非自民連立政権の与党代表者会議で顔を並べた。
ところが、キャリア、パワーの差は歴然としていて、格違いだった。当時を振り返って、鳩山氏は「小沢さんに声をかけても相手にされなかった」と笑いながら語った。だが、96年に鳩山氏が民主党を旗揚げした頃から両者の関係が大きく変化する。「猛獣」は新進党解体、自由党結成、自自連立の失敗と迷走を続けた。連立離脱の前、小沢氏の自自新党計画が破綻したとき、鳩山氏は「いよいよ小沢さんも政治家として終焉を迎えているのでは」と言い放った。
漂流を続けるその小沢氏に、「民主党に」と最初に声をかけたのは鳩山氏だ。民主党入りした「猛獣」は、しばらく檻に入って静かにしていたが、3年前に代表に躍り出た。
猛獣ぶりを発揮して、党勢の急拡大に成功する。幹事長として下支え役に徹した鳩山氏は、はた目には「猛獣」の鼻息をうかがう気弱な女房役と映った。
だが、一方で、「途中入社の雇われ社長」と創業者という力学が働いていて、鳩山氏は民主党内で「猛獣」に直言できる唯一の存在という面があった。これからの最重要テーマは、不本意ながら道半ばで降板した「猛獣」を、野に放たず、チーム内に取り込んだ鳩山代表のリーダーシップである。
「猛獣使い」の腕を発揮して得点を上げるか、「猛獣」に尻尾を振るだけのおとなしい猫に堕して「傀儡」イメージを振りまき、失点を重ねるか。その点の考察は次回にゆずろう。
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