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http://www.yomiuri.co.jp/feature/20081128-033595/news/20090521-OYT1T01018.htm
定着見守って・主役は人間・有意義な経験…法曹3者が会見
裁判員制度実施について話す(左から)樋渡利秋・検事総長、山崎敏充・最高裁事務総長、宮崎誠・日本弁護士連合会会長(21日)=田中秀敏撮影
裁判員制度がスタートした21日、法曹3者の代表が行った記者会見の要旨は次の通り。
◆山崎敏充・最高裁事務総長
我が国の司法の歴史の中に、新たなページを加え、第一歩を踏み出したことは、画期的で意義深い。裁判員法が2004年5月21日に成立して以来、法曹3者で約630回の模擬裁判を実施し、審理や評議の在り方を検討してきた。その結果、裁判員裁判では、法廷で見て聞いて分かる審理が必須だとの認識で一致した。
国民の中には、不安を感じている方がいる。裁判は決して簡単ではないが、裁判官とチームを組み、評議で自分の意見を率直に述べあい、議論することで、妥当な結論に達する。疑問点があれば、法律家が丁寧に説明し、十分意見を述べられるよう配慮するので、安心して参加してほしい。
経験者の感想を、これから裁判員を務める国民に広く伝えることも重要になる。定着までは時間が必要で、制度の成長と定着を見守ってほしい。
◆樋渡利秋・検事総長
我が国の司法は利用しにくく、国民に遠い存在だと指摘されてきたが、裁判員制度は一連の司法制度改革の総仕上げとも言え、我々が改革のスタートラインに立ったとも言えるのではないか。これまで法律家のみが理解できる方法で裁判を行い、大きな事件ではかなり遅い裁判があったことも事実だが、今日から刑事裁判は変わる。
わかりやすさと迅速さを求めるあまり、粗雑な立証になるのではないかと懸念する声もあるが、実体的真実を解明することは、良質な刑事裁判の要であり、その点は一歩たりとも後退させない。
裁判は、あくまで人間が主役。簡潔な立証を心掛けると同時に、心と血の通った裁判にするよう努力する。
裁判では、我々検察官の立証が常識的に見て納得できるかという判断で足り、納得できなければ検察の負けとしていただいてよい。
◆宮崎誠・日本弁護士連合会会長
従来の裁判は自白調書が尊重され、起訴されると、100%近く有罪判決が下されてきた。裁判員裁判の成否は、法廷での立証を重視し、「疑わしきは罰せず」の原則の下、自由な評議が保障されるかどうかにかかっている。そのためには評議の事後的な検証が不可欠だ。市民が量刑判断にもかかわることで、死刑制度を考えるきっかけにもなると期待している。
市民の負担は決して軽くはないが、裁判員としての経験は非常に有意義で、その役割は重要だと認識されると確信している。
日弁連は「見て聞いて分かる裁判」を目指して研修を重ねてきた。参加しやすい制度運営、透明な捜査と裁判手続き、裁判員の守秘義務軽減などの課題に取り組み、取り調べの全面可視化(録音・録画)など容疑者・被告の権利が十分保障されるよう力を尽くしたい。
(2009年5月21日23時13分 読売新聞)
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