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裁判員・問い直す議連に本日、10人が加わる
裁判員制度を問う / 2009年05月20日
裁判員制度の施行が明日に迫っている。だからこそ、私たち裁判員制度を問い直す議員連盟は『裁判員制度の凍結、見直しにむけた12の論点』を発表し、裁判員、及び裁判員候補となるすべての国民にとって、未解決の課題を整理するまでは「凍結・延期法案」を提出し成立させることで、議論の機会をつくろうというものだった。だが、最大野党の民主党内での意見調整がつかずに「提出直前」で機会を逸してしまったことは、返す返すも残念だ。だが、今日になって私たちの議員連盟に参加する手続きをすませた議員が一挙に10人増えて、全体で60人となった。4月1日に、20人あまりで発足した議員連盟が3倍に膨張したということになる。そして、明日1時からの総会では、裁判員制度のスタートと共に国会での議論を加速させるために、いくつかの提案をする。
今日、こんなメールが届いた。司法関係者からの匿名のメールだ。ご紹介することにしたい。
[引用開始]
前略
先日メールを差し上げた司法関係者です。裁判員法実施凍結延期法案が提出されなかったことに大変失望しています。民主党の党内事情があったとのことですが,本当に残念です。この上は,直ちに停止及び改正法案を提出して下さい。このままでは,実際の事件が実験材料にされてしまいます。
7月ころには本物の裁判員裁判が開かれる可能性があり(裁判官の中には全国初の裁判員裁判をやりたいと思って,公判前整理手続を2週間程度で無理矢理切り上げて公判期日を指定しようと思っている人もいます。),これを何とか避けなければなりません。どうかよろしくお願いします。
東京地裁は,辞退事由について大幅に緩和する運用を実施すると発表したようですが,これは現場からの言わば反乱だと思います。刑事裁判の現場では不可能であることをみんな認識しているということだと思います。今後1〜2年を目処に停止したうえで,被告人に辞退権を認めるとか,裁判員への罰則(不出頭への過料や守秘義務違反への刑罰規定等)に手を入れるとか,対象事件を軽微な犯罪とするとか,具体的な提案をしてください。
議員連盟の先生方のお力に頼るしかありません。何としても、一件の裁判員裁判を開くことなく停止して下さるようお願い申し上げます。
司法関係者
[引用終了]
たしかに「凍結・延期法案」が出せなかったことは残念だった。国会での議論のスタートが遅すぎたということも、ひとつの原因だった。しかし、問題点が何ら解決したわけではないし、立法府としての何らかの法改正をともなう議論をしたわけではない。今の国会の現状は、裁判員制度に対しては法曹三者に「丸投げ」状態である。ひとつひとつ、国民の立場から制度の実施を前にして、しっかり集中して議論しようということを忌避している力が働いて、昨年からの集中審議を妨げていたのは事実である。衆議院法務委員会で集中審議をするためには「裁判員制度理解促進のための国会決議」に私(保坂)も賛成しなければやらせないのが与党の方針だという驚くべき理屈で、長いこと「集中審議」は実現しなかった。
しかし、良識ある超党派の議員の人たちが横断的に結集して、裁判員制度を問い直す議員連盟を結成し、むしろ国会の委員会室ではなくて、議員会館の会議室で識者の声を聞き、弁護士や市民の声も聞いた。そして、5月15日の「凍結・延期法案」提出が可能な状況まで押し上げてきたのだ。明日は、午後1時から第2議員会館で議員連盟総会を開き、更なる活動を強めていくと共に仲間を拡大し、延長国会で国民の付託に応えるだけの議論を積極的に巻き起こしていくという決意を固め、議員連盟宣言を採択する予定だ。司法関係者のメールにもあったような「停止法案」の提出可能な環境を整え、最大公約数としての「国民に対しての罰則削除・軽減法案」もあわせて提案したい。
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