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きまぐれな日々 鳩山由紀夫が民主党代表に & ブログは民主党を分断するな
民主党の新代表に鳩山由紀夫が選出された。国会議員による投票で、鳩山由紀夫が124票、岡田克也が95票を獲得、無効が1票だった。
予想通りの結果であり、民主党は代表選に敗れた岡田克也を幹事長に、代表を退いた小沢一郎が選挙担当の代表代行に就任、従来からの菅直人と輿石東と併せて代表代行3人の体制になった。これで、きたる総選挙で仮に民主党が敗れても、その責任は鳩山由紀夫や小沢一郎だけではなく、岡田克也や菅直人も連帯責任でかぶることになり、民主党は挙党体制を確立することになった。まぎれもない小沢一郎の政治的勝利である。小沢一郎は、もっとも得意とする「軽いみこしを担ぐ」ポジションを手にした。
だが、11日に小沢一郎辞意表明、16日に代表選という日程には、異論が噴出した。福山哲郎、長妻昭、安住淳、野田佳彦の「4人組」は小沢一郎に怒鳴り上げられたというが、この叱責劇についてはネットを見る限り、小沢一郎の主張に理があると主張する人はごく少数で、長妻昭らの主張を支持する人が多い。実際、前のエントリで紹介したsweden1901さんのコメントにもあるように、有権者の範囲を党員およびサポーターに広げることには、党規約の改正など必要なく、むしろ国会議員だけによる投票の方が緊急時の措置なのである。そして、民主党で名の通った議員の多くは今回の代表選で岡田克也支持に回った。前記の長妻昭のほか、平岡秀夫、馬淵澄夫、蓮舫、山井和則らは今回いずれも岡田克也に投票したのである。
なぜこんなことを書くかというと、ネットでは今回の民主党代表選で「反自民の人は鳩山由紀夫に投票し、親自民の人は岡田克也に投票した」という俗説が撒き散らされたからである。これは、とんでもないデタラメである。「ミスター年金」の異名をとり、テレビ番組で大村秀章を論破するなどして自民党に恐れられ、一昨年の参院選での民主党圧勝に殊勲甲だった長妻昭をはじめ、耐震偽装問題で『きっこの日記』と提携して問題を追及し、ヒューザー社長・小嶋進が安倍晋三の非公式後援会「安晋会」の会員だったことを証人喚問で暴いた馬淵澄夫も、「安晋会」の理事を務めていた野口英昭氏がライブドア事件に絡んで「自殺」したとされる事件を、本当に自殺なのかと国会で追及した細川律夫も(ちなみに、この時答弁に立って野口氏は「自殺」だと強弁したのが漆間巌である)、いずれも岡田克也に投票した。果たして彼らは「隠れ自民党」なのだろうか?
今回の西松事件で必要以上に被害者意識を募らせている、陰謀論に傾きがちな小沢一郎支持者たちは、岡田克也支持が鳩山由紀夫支持を上回っているとした世論調査は、「マスゴミの捏造」であって、真剣に政治を考えている人たちほど鳩山由紀夫を支持しているという。だが、この言いぶんも大いに疑わしい。
『毎日新聞』の地方版に、今回の民主党代表選における各県の民主党議員や党員、支持者たちの動向が報じられており、ネットでも読めるが、たとえば岡山県では、民主党岡山県連が、県内の党員・サポーター約4000人のうち電話番号が分かる2516人を対象に調査を実施したところ、1556人から972件の回答があり、岡田克也が610票(62.8%)で、鳩山由紀夫の251票(25.8%)を大きく上回ったそうである。党員・サポーターの実に4割から回答を得ての調査だから、サンプル数が少なすぎて信用できないなどという理屈は成り立たないし、単なる世論調査ではなく、民主党の党員やサポーターになるくらいの政治への意識の高い、普段から政治のことを考え続けているであろう人たちの回答なのである。これを、「マスゴミにだまされた結果」だという人がいるとするなら、その人は、マスコミ盲信の裏返しである、「マスコミ陰謀論」の俗説を無批判に信じ込んでしまっているのであり、その騙され易さは、マスコミに騙される人よりひどいくらいだと思う。岡山県選出の民主党議員を見ても、津村啓介、柚木道義両衆院議員が岡田克也に投票したが、姫井由美子参院議員は鳩山由紀夫に投票した。姫井由美子といえば、昨年夏、当時民主党に所属していた極右議員たちに誘われて「改革クラブ」に参加しようとした新人議員である。当時、「改革クラブ」の背後には自民党の二階俊博がいると噂された。私は、二階よりも平沼赳夫の関与を疑っているが、いずれにしても、「親自民」とそしられても仕方のない行動だった。そんな姫井由美子が鳩山由紀夫に投票したのである。以上から、「反自民の人は鳩山由紀夫を支持し、親自民の人は岡田克也を支持している」という俗説が真っ赤な嘘であることがよくわかるだろう。
私が是非とも参照してほしいと思うのは、山口2区選出で、昨年4月の衆院補選で、耐震偽装事件に責任があるとされる元国交省の官僚にしてノーパンしゃぶしゃぶの顧客でもあった山本繁太郎を破った平岡秀夫議員のブログである(下記URL)。
http://ameblo.jp/hideoh29/entry-10262125969.html
以下引用する。
岡田さんは、私と同じ学年です。岡田さんは、三年半前に行われた「郵政民営化解散総選挙」で大敗して、民主党代表を辞任しましたが、その後しばらくして岡田さんとゆっくり話をする機会があり、その場で、「政権交代を実現するために、この党でお互いに頑張っていこう」と約束しました。その後、岡田さんの呼びかけで、党内に「核軍縮促進議員連盟」を設立し、岡田さんが会長、私が事務局長という組合せで今日まで活動してきた仲間でもありました。
また、政治的課題の面からも岡田さんが良いと思いました。今の政治状況は、国民が「透明性の高い政治」を求めていると思います。「透明性の高い政治」とは、「政治とカネ」について政・官・業の癒着をできる限り排除していく政治であり、「機会の平等」という観点から世襲政治から脱却していく政治です。これらの問題にこれまで真正面から取り組んできた岡田さんには、多くの国民から期待が集まっていたと思います。
(平岡秀夫のブログ「至誠通天」〜「民主党代表選挙」より)
当ブログに寄せられたコメントによると、岡田克也が前原誠司に支持されているからといって、岡田克也を軍拡派だと誹謗しようとした人までいたらしいが、それがとんだ濡れ衣であることがよくわかる。
私自身は、ともに保守である鳩山由紀夫と岡田克也はどちらも支持しないし、鳩山由紀夫には安全保障政策、岡田克也には経済政策でともに懸念を持っているが、あえてどちらかをとれというのなら、改憲派ではあるが、9条改悪と集団的自衛権には反対している岡田克也をとる。消費税増税に大きく傾く岡田克也の経済政策は良いとはまったく思わないが、鳩山由紀夫だって1999年〜2002年の代表当時には、強烈な消費税増税論者だったし、コイズミ内閣発足後は、コイズミと改革の先鋭さを競う方向性を取り、自民党との差別化を図るどころかコイズミにすり寄る醜態をさらして国民の民主党離れを招いた。それを覚えているものだから、鳩山由紀夫と岡田克也の比較では、消去法で岡田克也をとることは、私にとっては当然だった。そもそも、私は民主党支持者でさえない。自民党との比較では迷わず民主党をとるが、もともと私はもっと社民主義寄りの人間である。
とはいえ、代表が鳩山由紀夫に決まった以上は、鳩山批判ばかりに精を出して自公を助ける愚は避けたいと思う。しかし、ネットで「岡田克也を支持する者は親自民」というような主張をする人たちは看過できない。彼らこそ、民主党支持者を分断しようとしているのではないかと思われるほどだ。
岡田克也叩きがもっとも目にあまるのは、「植草一秀の『知られざる真実』」である。同ブログが日々行っているのはアジテーションだと私は思う。従来、熱烈な小沢一郎支持の論陣を張っていた同ブログだが、小沢一郎が辞意を表明すると、いったんは「逆風を順風に転じさせる小沢民主党代表の英断」と題したエントリで、菅直人待望論を示すとともに、岡田克也も条件つきで容認する姿勢を見せた。これは常識的な判断であり、私にも支持できるものだったが、この論調では熱心な小沢一郎支持者の納得は得られないと看て取ると、植草氏は一転して鳩山由紀夫絶賛と岡田克也バッシングに論調を切り替え、その豹変ぶりには驚かされた。植草氏はポピュリストであるとしか私には思えない。
結果として鳩山由紀夫は代表選に勝ち、小沢一郎は名を捨てて実を取る結果となった。しかし、代表選を急いだ経緯は拙速であり、先に名前を挙げた長妻昭、馬淵澄夫、平岡秀夫、蓮舫らには納得できないものが残ったに違いない。今回、彼らはいずれも岡田克也に投票したが、そんな彼らが、自民党との連立を容認する「親自民」議員であって、9か月前に民主党を出て行こうとした姫井由美子が「反自民」を貫く筋の通った政治家だなどといえるだろうか。こう見ただけでも、植草一秀氏らがリードしている論調が、全く信じるに足りないものであることは明白だと私には思われる。
私自身は、代表選が終わった以上は、鳩山由紀夫代表を容認する立場である。テレビの討論番組で社民党の辻元清美議員が言っていたように、鳩山由紀夫には野党共闘に腐心した小沢一郎の良いところには倣い、悪いところは変えていってもらって、衆議院選挙での野党勝利に向けて党を指導して行ってほしいと思う。しかし、岡田克也やその支持者を誹謗中傷する、植草氏のブログを筆頭とする一部ブログの暴走は、民主党の結束はおろか、野党共闘にも水を差すものではないかと私には思える。
前にも書いたと思うが、植草氏自身の思想信条はリベラルだと伺っているが、なぜか氏の応援団には平沼赳夫や城内実の支持者が多く、彼らに配慮しているためなのか、植草氏のブログには必要以上に反米色が濃すぎると思う。私も、これまでの自民党政権の対米従属政策には反対であるが、日米中の関係は、加藤紘一が主張するような三角形が好ましいと思う。しかし、平沼一派は周知のように反米だけではなく頑迷な反中・反韓・反北朝鮮であり、要するにどことも仲良くしない排外主義をとる。彼らは反韓・反中あっての反米なのである。そんな彼らに迎合するために必要以上に反米の論調をとるのは百害あって一利なしである。そんなことが頭脳明晰な植草一秀氏に理解できないはずはないのだが、まさか筋の通った理屈よりもブログのアクセス数でも重視しているのだろうか。そうとでも解釈しなければ、あの異常な論調は理解できない。
いずれにせよ、本当に自公政権を倒したいのだったら、鳩山支持者と岡田支持者を善悪二元論で分けてしまうような馬鹿げたことは、断じてすべきではない。あなたは一体何のためにブログをやっているのですか。植草一秀氏には、そう問いかけたい。
http://caprice.blog63.fc2.com/blog-entry-908.html
貼り付けるのに躊躇したが・・・一応。
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