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鳩山民主党は「小沢院政」批判に惑わされるな!——戦術的後退と戦略的前進(高野論説/THE JOURNAL)
http://www.asyura2.com/09/senkyo63/msg/539.html
投稿者 旅烏 日時 2009 年 5 月 18 日 15:28:03: SWN/9Stw90kzo
 

鳩山民主党は「小沢院政」批判に惑わされるな!——戦術的後退と戦略的前進
http://www.the-journal.jp/contents/newsspiral/2009/05/post_273.html


 13日付の「朝日川柳」欄に一句あって「なぜ辞任白々しくも各メディア」と。

 「小沢辞めろ!」の大合唱を繰り広げた末に、辞めたら辞めたで「なぜ今辞めるのか?」と言うのがマスコミである。で、急遽代表選が行われるとなれば、その延長線上で「親小沢か反小沢か」という虚妄の争点をデッチ上げて、親小沢の鳩山由紀夫では「小沢院政」くらいならまだしも「小沢傀儡」になるとまで言って、反小沢の岡田克也を支援する論説やら世論調査やらを繰り出してのまたまた大合唱である。

●マスコミの虚妄

 それにめげずに鳩山が予想以上の差をつけて代表選に勝利すると、翌日の例えば朝日は「そこで問われたのは、小沢依存体質からの脱却」であり「親小沢vs非小沢の構図が鮮明になった」が「選ばれたのは幹事長として小沢氏を支え、辞任に至るまで深く関わった鳩山氏だった」と、いかにも悔しそうに言い、そして「鳩山氏はまず『小沢院政』の疑念を明確にぬぐわなければならない」と、今後とも朝日が鳩山が小沢の操り人形にならないかを監視していくという報道姿勢を宣言した(17日付1面の前田直人解説)。同日付の社説でも、「『親小沢か、非小沢か』といった点が注目された」(されたんじゃないでしょう、朝日はじめマスコミはそこだけが注目されるよう世論誘導したんでしょうに)けれども、鳩山では「『刷新』という点で疑問符がつきまとうのは避けられない」といちゃもんを付けている。

 マスコミはこぞって、「小沢では選挙に勝って政権交代を果たすことは出来ない」と言い続けてきたのではなかったか。それでいて鳩山になると「鳩山では勝つのはおぼつかない」かのように言い出して、だったら岡田ならどれだけ勝てるのかについて検証もないままに単に気分で「岡田の方がよかった」と言っている。すべてが馬鹿げているのである。

 私は依然として、小沢は辞めるべきでなかったと思っていて、その理由は(これとて検証材料がある訳ではなく直観的判断にすぎないが)小沢代表で戦っても他の代表で戦っても選挙結果には大した違いがないはずで、そうであれば小沢を代表に担いだまま正面突破を図って自民党だけでなく検察とマスコミにも鉄槌を下すべきだからである。前にも書いたように、この総選挙を通じての政権交代の中心争点が、自民党=金権政治に対する民主党=クリーン政治にあるのであったとすれば、小沢代表のクリーン度にいささかでも疑念があれば戦えない。もちろん政治はいつでもクリーンであるべきで、小沢がその点を疑われるような過去を清算し切れていなかったのは残念極まりないことではあったけれども、そのことは少なくとも中心争点ではなく、そうであれば、この事件を逆手にとって民主党が自民党では絶対に受け容れられない「企業・団体献金の禁止」をマニフェストに盛り込んで副次的争点の1つに仕立て上げれば十分に戦うことは出来たはずである。

 なのにマスコミがまるでそれこそが中心争点であるかに騒ぎ立て、それに煽られて、政権交代のための革命的な権力闘争に命懸けで身を投ずる覚悟もない民主党のピーチク議員が「小沢では戦えない」などと、自分がマスコミの虚妄の論調と戦って有権者を説得し抜くだけの力量がないのを棚に上げて全部を小沢のせいにすり替えてパーチク言って、そういうマスコミと議員の連動性の知的レベルにウンザリして小沢は辞めたのだろうが、それはやっぱりプッツンであって、本当は小沢はそのピーチクパーチク連中を全員集めて徹夜でも何でも討論集会を開いて、彼らを革命的戦士に鍛え上げるべきだった。そういうことを「面倒くさい」と思ってしまうところが小沢の最大欠陥であって、鳩山はそこに関しては小沢を見倣うべきでない。

 話を戻して「院政」論だが、17日のサンプロで田原総一朗が鳩山に対して「小沢院政で操り人形になっているんじゃないかと言われているから、これからはいかに小沢さんが深く関わっていないと思わせないと総選挙で勝てない」という趣旨のことを言ったのに対して、私は「それには反対です」と挙手をして、おおむね次のようなことを言った。

「誰がやっても『小沢院政』になるんですよ、岡田さんになったって。小沢の力を十分に活用して政権を獲りにいくという今の戦略局面は変わっていない。それをマスコミが『親小沢・反小沢』という架空の対立軸を作って(引っかき回してきた。)仮に岡田になっても小沢の力を使って選挙をやるんですよ、そんなことは誰もが分かっているじゃないですか」と。

●「愛」について

 もう1つマスコミの虚妄を示す例は、鳩山が代表選の中で「愛」という言葉を口にし、「自立と共生」、その両者をつなぐものとしての「友愛」という価値観を提起したのに対し、お馬鹿な記者が「今時、愛なんて女学生も言わない」とケチをつけたことである。不勉強が過ぎる。たぶんこの記者は、愛がloveだと思っていて、fraternityという言葉を知らない。

 96年の旧民主党結成時の宣言は、4章のうち1章を「友愛精神にもとづく自立と共生の原理」に充て、次のように述べていた。

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 私たちがこれから社会の根底に据えたいと思っているのは「友愛」の精神である。自由は弱肉強食の放埒に陥りやすく、平等は「出る釘は打たれる」式の悪平等に堕落しかねない。その両者のゆきすぎを克服するのが友愛であるけれども、それはこれまでの100年間はあまりに軽視されてきた。20世紀までの近代国家は、人々を国民として動員するのに急で、そのために人間を一山いくらで計れるような大衆(マス)としてしか扱わなかったからである。

 実際、これまでの世界を動かしてきた2大思想である資本主義的自由主義と社会主義的平等主義は、一見きびしく対立してきたようでありながら、じつは人間を顔のない大衆(マス)としてしか扱わなかったということでは共通していた。日本独特の官僚主導による資本主義的平等主義とも言うべきシステムも、その点では例外でなかった。

 私たちは、一人ひとりの人間は限りなく多様な個性をもった、かけがえのない存在であり、だからこそ自らの運命を自ら決定する権利をもち、またその選択の結果に責任を負う義務があるという「個の自立」の原理と同時に、そのようなお互いの自立性と異質性をお互いに尊重しあったうえで、なおかつ共感しあい一致点を求めて協働するという「他との共生」の原理を重視したい。そのような自立と共生の原理は、日本社会の中での人間と人間の関係だけでなく、日本と世界の関係、人間と自然の関係にも同じように貫かれなくてはならない。

 西欧キリスト教文明のなかで生まれてきた友愛の概念は、神を愛するがゆえに隣人を愛し、敵をも愛するという、神との関わりにおいて人間社会のあり方を指し示すもので、そこでは人間と自然の関係は考慮に入っていない。しかし東洋の知恵の教えるところでは、人間はもともと自然の一部であって、一本の樹木も一匹の動物も一人の人間も、同じようにかけがえのない存在であり、そう感じることで自然と人間のあいだにも深い交流が成り立ちうる。そのように、自然への畏怖と命へのいつくしみとを土台にして、その自然の一部である人間同士の関係も律していこうとするところに、必ずしも西欧の借り物でない東洋的な友愛の精神がある。
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 これは、旧民主党結成に向かう1年がかりの理念・政策討論の中で鳩山と私が議論し、私が文章としてまとめたもので、西欧的な概念である友愛を東洋的・日本的な八百万の神的な観念に置き換えたところに面白みがあった。これに対しては、当時、キリスト教関係者から「キリスト教を批判するのか」とクレームがあったが、「いや、批判でなく、キリスト教に学びつつそれを日本的に捉え直したんですよ」と言い返すという一幕もあったりした。それはともかく、このような意味での「友愛」こそ、来るべき民主党=鳩山政権の哲学的基礎であって、それをキーワードとして資本主義的自由主義、社会主義的平等主義およびその変種としての日本の明治以来の官僚主義的資本主義の限界を一気に超えていこうとする意欲の表現である。

 こうして、小沢辞任は、民主党全体が一丸となって検察の専横とそれに同調するマスコミの虚妄と戦い続けることを避けたという意味で戦術的な後退ではあるけれども、だからといって、小沢の“剛腕”を十分に活用しつつ総選挙に勝って政権交代を実現するという戦略局面には何ら変わりはなく、その戦術的後退を戦略的前進に転化していくことが鳩山に課せられた使命である。マスコミの虚言に囲まれながらも、彼が小沢を堂々と代表代行・選挙担当に据えたことがその第一歩である。▲

投稿者: ニュース・スパイラル 日時: 2009年05月18日 10:31
 

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