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アマチュアとプロフェッショナルの違い - kojitakenの日記
アマチュアとプロフェッショナルの違い
■ 極右政治家も「鳩山」と「岡田」に分かれたCommentsAdd Star
まだ誰が鳩山由紀夫、誰が岡田克也に投票したかは知らないが、推薦人だけを見ても、城内実や稲田朋美と同様にすぎやまこういちに応援歌を作ってもらった極右政治家・松原仁や、テレビ右翼の原口一博、陰謀論者の藤田幸久らが鳩山由紀夫の推薦人に名を連ねた一方、民主党を代表するリベラル政治家である平岡秀夫や「ミスター年金」として人気の高い長妻昭が岡田克也の推薦人になった。
もちろん、同じ極右でも渡辺周は岡田克也を推したし、実際には中間派ながら軍オタと強烈な構造改革論で印象の悪い前原誠司や、保守派で「偽メール事件」の責任も重いばかりか千葉県知事選でも失態を演じた野田佳彦も岡田克也を推したのだが、一部で言われるような、「右派が岡田、左派が鳩山を推した」という俗説は事実に反することだけは指摘しておきたい。
Permalink | コメント(1) | トラックバック(0) | 14:56 極右政治家も「鳩山」と「岡田」に分かれた - kojitakenの日記 を含むブックマーク はてなブックマーク - 極右政治家も「鳩山」と「岡田」に分かれた - kojitakenの日記
■ 鳩山由紀夫が民主党代表選を制すCommentsAdd Star
鳩山由紀夫124票、岡田克也95票、無効1票で鳩山由紀夫が7年ぶりに民主党の代表に返り咲いた。予想通りの結果というべきか、予想外に岡田克也が善戦したというべきか。これで、民主党は「反世襲」を総選挙の争点にすることが難しくなった。選挙での苦戦は避けられない。もちろん、総選挙で政権交代ができなければ、鳩山由紀夫は民主党代表を退かなければならない。背水の陣での党運営を求めたい。
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■ アマチュアとプロフェッショナルの違い、それにプロフェッショナルの劣化 〜 民主党代表選に思う CommentsAdd Starvanacoral
今回の民主党代表戦をめぐる「政治ブログ」の議論を見ていて改めて思うのは、アマチュアとプロフェッショナルの違いとして、一般に流布しているイメージとは逆に、アマチュアの方が権威に弱く型にはまった考え方をする傾向が強いということだ。良きにつけ悪きにつけ、プロフェッショナルの方が人の意表を突く発想ができる。悪い例では、コイズミの郵政選挙における「刺客作戦」が挙げられる。あの時、国民が熱狂的にコイズミを支持したのは、別に郵政民営化に賛成したのではなく、「刺客作戦」に闘牛かプロレス中継を見るように熱狂したのである。プロレスは多くの場合八百長だが、「刺客」と「抵抗勢力」の闘いはガチンコだった。同じように、人の予想しないことをやる「悪例」の政治家としては、橋下徹が挙げられる。
今回、なぜか民主党支持者のブログを見ていても、過去の職歴だとか、小沢一郎の流れを汲んでいるかで代表の適不適を論じる人ばかりだ。マスコミを批判する人は多いが、よく見てみると、その大部分はマスコミの主張の裏返しを述べているに過ぎない。特に、これまで久しく政権交代のなかった野党を支持しているにもかかわらず、政治家の職歴を気にする態度は、私には理解不能であって、政権交代のなかった政界で、野党にいたら大臣経験その他などほとんどあったはずがない。せいぜい1993年から94年の非自民連立政権か、94年から96年の自社さ政権、あるいは1993年の自民党分裂前の自民党時代くらいにしか役職経験など求められない。そんな世界で職歴を気にしていては、いつまで経っても後進の台頭は阻まれ続ける。
いわく、長妻昭、馬淵澄夫、平岡秀夫らでは経験不足なのだそうだが、長妻や馬淵は今年で数えの50歳、平岡に至っては既に50代半ば(安倍晋三と同い年)である。20代、30代が中心だった幕末の志士たちはおろか、織田信長だってもう死んでしまっている年齢である。
今が平時ならともかく、「100年に一度」とも言われる危機の時代だ。そんな時に、平時に経験した職歴など何の役にも立たないだろう。それよりは大胆な発想の転換が求められる。私などより下の世代に当たる1970年代生まれの30代の人たちが中心になって活躍するくらいではないと党の活力も社会の活力も生まれない。
パソコンのヘビーユーザーは30代より40代、50代のほうが多く、政治ブログの主力もそのあたりの年齢層にあるが、この年齢層は、いまだにテレビコマーシャルに70年代や80年代のヒット曲を使いたがることからもわかるように、保守的で年長者に弱い傾向がある。プロ野球だって、かつては選手としての実績はなくとも指導者の適性があると見られた西本幸雄(大毎−阪急−近鉄)や上田利治(阪急−オリックス−日本ハム)は30代で指導者として登用された。単に彼らに資質があっただけではなく、組織に彼らを引き上げる人たちがおり、それが当たり前だった。しかし、長嶋茂雄が監督になった頃から、名選手でなければ監督になれない風潮が生じ、それがのちのプロ野球の衰退につながった。
いや、芸能・スポーツの世界だけではない。かつての自民党を見るが良い。三角大福中(三木武夫、田中角栄、大平正芳、福田赳夫、中曽根康弘)は皆若い頃から実力をつけて役職につき、能力を発揮した。それは、彼らが苦しい戦争の時代を経験したせいもあるだろう。それが、今では世襲政治家でなければ総理総裁になれない時代になった。若手の台頭はなく、世襲政治家たちが新陳代謝を阻んでいる格好だ。
今回の民主党代表選で一番いけないと思うのは、過去に代表を務めたことのある鳩山由紀夫と岡田克也しか立候補していないことだ。過去に遡っても、特に2003年の民由合併以来、新人が手を挙げることがきわめて少ない政党になってしまっている。昨年、小沢一郎が無投票で三選されたのは、特に良くなかった。今回の代表選は民主党にとっては大チャンスだったのだが、またしても小沢一郎自身によってチャンスが潰された。
思えば、小沢一郎が海部俊樹を担いだ1989年の自民党総裁選の方がまだマシだった。当時は、小沢一郎自身も若かった(47歳)し、あの当時既に58歳だった海部俊樹が「私には若さがあります」と言ったことには、大いに違和感を覚えたとはいえ、海部が総理・総裁になったのは曲がりなりにも新進の台頭だった。何より海部は世襲議員ではなかった。
あの頃を思うと、野党支持者の考え方までもが大きく保守化してしまった現状が信じられない。そんなことで日本の政治を良くすることができるのか。暗澹たる気持ちに駆られながら、民主党代表選のテレビ中継をいま見ている。
http://d.hatena.ne.jp/kojitaken/20090516
早くも明日民主党新代表が決定 - kojitakenの日記
早くも明日民主党新代表が決定
■ 地方では誰も支持していない「鳩山由紀夫」CommentsAdd Starvanacoral
『報道ステーション』で、民主党岡山県連が聴いた地元の民主党支持者の声では、「岡田克也」支持が「鳩山由紀夫」支持を3倍近くに上回る結果が出たと報じていた。また、一昨年の参院選香川選挙区で初当選した植松恵美子(鳩山由紀夫の推薦人に名を連ねた)は、鳩山由紀夫支持を打ち出したが、この選択が地元の支持者の多数意見と異なることを認めていた。香川でも、「岡田克也」支持が「鳩山由紀夫」支持を上回っているのである。
当たり前である。「鳩山一郎の孫」というだけが売り物で、スローガンの「友愛」さえ祖父から継承したものに過ぎない世襲政治家を、地方が支持するはずがない。なかんずく、トリプルスコアで鳩山が不人気をかこっている岡山は、1977年に社会市民連合を立ち上げた故江田三郎氏の出身地で、民主党ゆかりの地といえ、地方の中でも民主党が強い。その岡山で、鳩山由紀夫は全くの不人気なのである。
一昨年の参院選で民主党が圧勝したのは、従来自民党を支持していた地方が一斉に反乱を起こして、民主党に寝返ったことが原因である。小沢一郎の地方行脚も功を奏した。しかし今回、小沢一郎自身がその地方を切り捨て、鳩山由紀夫を後継代表にしようと小手先の策を弄した。この愚挙は、必ずや地方から手痛いしっぺ返しを食うだろう。
Permalink | コメント(3) | トラックバック(1) | 22:49 地方では誰も支持していない「鳩山由紀夫」 - kojitakenの日記 を含むブックマーク はてなブックマーク - 地方では誰も支持していない「鳩山由紀夫」 - kojitakenの日記
■ 早くも明日民主党新代表が決定CommentsAdd Star
「きまぐれな日々」に下記記事を公開した。
きまぐれな日々 コメント特集 ─ 民主党代表選
http://d.hatena.ne.jp/kojitaken/20090515
きまぐれな日々 民主党内政局の空しさ ─ 「自由闊達な議論」を取り戻せ
民主党内政局の空しさ ─ 「自由闊達な議論」を取り戻せ
はじめに訂正しておくと、昨日のエントリのタイトルにもした「担ぐみこしは軽くてパーがいい」と言ったのは小沢一郎ではなく、小沢側近の平野貞夫とのことだ。sarahさんにコメント欄でご指摘いただいた。お礼を申し上げる。
民主党代表選は、あれよあれよという間に「鳩山由紀夫vs岡田克也」の対決の図式になってしまった。菅直人、長妻昭、馬淵澄夫など、私が名前を挙げた人たちは誰も手を挙げなかった。もちろん、水面下では激しい権力闘争が展開されていることは想像に難くない。昨夜の『報道ステーション』では、馬淵澄夫らが第三の候補擁立を模索していると報じていたが、間に合わないだろう。
土曜日に代表選を持って行ったのは日曜日の政治番組における鳩山由紀夫と岡田克也の討論を避けるためだと、これはやはり当ブログにコメントいただいた与志さんの見解だが、『報道ステーション』に出ていた岡田克也の話を聞いていて、なるほどそうかなとも思った。岡田克也は、ちょうど自民党の与謝野馨と対応するような財政再建論者だが、現在が消費税増税をできるような経済状況ではないことくらいはわかっていると、消費税増税論の封印を言明した。代表選を「親小沢」対「非小沢」の図式にはしないと繰り返し訴える岡田克也の印象は、氏を支持しない私から見ても決して悪いものではなかった。一方、鳩山由紀夫氏は、何と言ってもこれまで小沢一郎代表と一蓮托生だ、小沢が辞めるなら私も辞めると言い続けてきたのに、突如としてこれまでの言明とは明らかに矛盾する代表選への立候補について、何の説明もしていない。説明責任を果たしていないとはこのことを言うのではないか。なぜ誰もそこを突かないのか、私には不思議でならない。
それに、自民党にいる鳩山由紀夫の弟(鳩山邦夫)もそうだが、鳩山由紀夫は時に意味不明な発言をする。森田敬一郎さんに言わせれば、「ふにゃふにゃして何を言っているかわからない」(笑)とのことだが、私が気になるのは失言癖であって、鳩山由紀夫代表になったら、これまで麻生太郎首相の失言を期待していた民主党支持者は、自党の党首の失言を心配しなければならなくなるのではないか。そして、岡田克也と鳩山由紀夫がガチンコの政策論争をしたら、誰が見ても岡田の圧勝という結果に終わることは火を見るよりも明らかだと私は思う。安全保障面でも、憲法9条改悪や集団的自衛権を認めない岡田克也の方が、9条改憲論者である鳩山由紀夫よりはるかにリベラルだ。だから、民主党支持者の中でもリベラルな傾向の人の間には、鳩山と岡田ではどちらも支持はしないが、よりマシなのは岡田克也だといういう意見が多い。岡田克也で気になるのは新自由主義色の強さだが、鳩山由紀夫だって代表在任中にはコイズミと「カイカクを競う」方針をとって失望させられた。選挙でコイズミに惨敗した経験があるのも両者に共通しているが、それぞれ惨敗した時以外の国政選挙の結果を比較すると、党勢は拡大したものの勝利したとは決していえない鳩山代表時代の2000年総選挙より、コイズミを相手に、コイズミの厚生年金違法加入をめぐる「人生いろいろ」発言に助けられたとはいえ、自民党を1議席上回った岡田代表時代の2004年参院選の方がはるかに評価できる。
あまり気の進まない比較なのだが、鳩山由紀夫と岡田克也との比較なら、消去法で岡田克也を選ぶのもやむを得ないというのが私の感覚だ。何より、岡田克也は非世襲政治家だ。だが、本当はもっと違った人に出てきてほしいと思う。
しかし、新聞報道で見る限り、それを抑えているのが小沢一郎なのだ。最近の朝日新聞は、クォリティペーパーの名には全く値しない、まるで週刊誌のような政界観測記事が目立つが、それなりになかなか面白い読み物にはなっている(笑)。今日(14日)の社説でも「小沢院政」は駄目だ、と書く朝日だが、昨日(13日)は民主党の役員会・常任幹事会で小沢が「お前ら言うことを聞け!」と怒鳴り上げたという記事が出ていた。怒鳴り上げられたのは福山哲郎、長妻昭、安住淳、野田佳彦の4氏。この記事には出ていないが、馬淵澄夫は野田佳彦に近いし、蓮舫も非小沢系である。民主党で名の知れた議員の多くはことごとく小沢一郎と距離を置いているのである。そして、小沢一郎は彼らを力ずくで抑え込もうとする。果たしてそんなものが「剛腕」の名に値するだろうか?
今朝の紙面では、これまで小沢一郎を支えてきた幹部が岡田克也支持に回り、その理由を聞かれて「鳩山で選挙に勝てると思っているのか」と言ったというのだが、あるいはこの幹部とは菅直人だろうか? 昨日までの紙面に載っていた図解では、鳩山側に身を置きながら、本心では岡田支持ではないかとされていた菅直人が、今朝の紙面の図解では、はっきり岡田克也支持とされている。
民主党左派も、悩みが深いのだろう。昨日のエントリには、風太さんから、
岡田副代表を旗印にして、民主党内の新自由主義勢力が若手中堅を巻き込んで独立新党結成をもくろんでいるのではと考えてしまいます。
そして親小沢派はおろか、民主党内の旧社会党勢力や連立を組む社民党や国民新党も追い落とす。
岡田新党で政界再編を仕掛け、小泉シンパとも合流して一気に政権を取る。
という懸念のコメントをいただいたが、むしろ私は、政界再編だったら、小沢一郎と鳩山由紀夫の方が、これまで組んできた左派を切って自民党の一部と組む可能性の方がまだあり得ると思う。自民党には鳩山由紀夫の弟もいるし、過去にも、小沢一郎は社会党とさきがけを切り捨てたことがあるからだ(1994年。この時は社さに逆襲されて自社さ連立の村山富市内閣の成立を許した)。だが、皮肉にも小沢一郎自身が成立に尽力した小選挙区制が政界再編成の動きを妨げている。小沢一郎らがやりたいような政界再編を行うためには、選挙制度を再改革する必要があるだろう(笑)。
いずれにしても、こんな記事は書き進むほどに空しさを感じていやになるばかりなので、このあたりで締めにかかりたい。言いたいのは、もっと十分に議論を行い、民主党内の様々な人たちの意見を広く国民にアピールするような場がどうして作れないのかということだ。朝日新聞の記事にもあったが、もともと民主党というのは自民党との対立軸を見いだすべく非自民勢力を結集して作られた実験的政党で、百家争鳴の気風を持っていたはずだ。それが、2000年の森政権成立時の自民党の密室政治に毛の生えた程度の、まず「鳩山新代表」ありきの短期間の代表選で次期代表を決めようなどとは、それで国民の支持が得られると思っているのかと怒りを感じる。菅直人も馬淵澄夫も長妻昭も、あるいは野田佳彦も前原誠司もみんな代表選に立候補して持論を述べれば良いではないか。この拙速の代表選は、民主党にとって決してプラスにはならない。民主党には、「自由闊達な議論を取り戻せ」と言いたい。
http://caprice.blog63.fc2.com/blog-entry-906.html
きまぐれな日々 後継代表は鳩山由紀夫か─「担ぐみこしは軽くてパーがいい」
後継代表は鳩山由紀夫か─「担ぐみこしは軽くてパーがいい」
小沢一郎の後継となる代表候補に鳩山由紀夫が浮上 ── これを聞いて思い出したのが、20年前に自民党の幹事長を務めていた小沢一郎が、当時の首相・海部俊樹を指して言ったという「担ぐみこしは軽くてパーがいい」という言葉である。
小沢一郎は、民主党代表を辞めても、政界を引退するつもりはない。それでは、何をやりたいかというと、誰もが想像する通り、師である田中角栄同様の「闇将軍」、キングメーカーになりたいのだ。
だが、言っては悪いが、田中角栄と小沢一郎では政治家としてのスケールが全然違う。田中角栄が1982年に担いだのは、中曽根康弘だった。「軽い」どころか、「戦後政治の総決算」をやろうとした右翼政治家の雄にして、1974年〜76年の三木政権では、ロッキード事件で「三木下ろし」に遭った三木武夫を支え、田中角栄とは敵対した男だ。中曽根は、岸信介ともども、自らもロッキード事件で角栄より遙かに悪質な疑惑がささやかれていたが、児玉誉士夫の口の堅さにも助けられて逃げ切った。
こんな中曽根康弘を角栄は担いだのだ。新聞は「田中曽根内閣」として中曽根を批判したが、当時私は、いったい何を言ってるんだ、中曽根は田中角栄に支えられているから悪いのではなく、中曽根の政策こそ厳しく批判されるべきではないかと思った。しかし、新聞はそこは突っ込まなかった。果たして、田中角栄が1985年に倒れると、重石がとれた中曽根は思うような政治を進め、1986年の衆参同日選挙、いわゆる「死んだふり選挙」で圧勝した。中曽根康弘こそは日本における新自由主義の開祖であり、90歳を過ぎた今も憲法改正に執念を燃やす老害、いや右翼政治家の大物である。
一方、小沢一郎が過去に担いだのは海部俊樹であり、海部政権は1989年の参院選で惨敗した自民党の党勢を回復したが、実態は海部は小沢のロボットに過ぎなかったことは誰の目にも明白だった。小沢は、1994年に自社さ連立工作に対抗した時も、自民党から海部俊樹を引き抜いて担いだくらいだから、よほど海部の扱いやすさが気に入っていたのだろう。しかし、首相退任後の海部は存在感を早々に失っており、小沢は敗北し、自社さ連立による村山富市内閣が発足したのである。
今回、小沢一郎は明らかに鳩山由紀夫を担ごうとしている。5月11日に辞意を表明し、16日には代表選を行うというあわただしい日程は、他の候補者の台頭を抑えるためだ。民主党が国民の支持を回復させようとするなら、代表選は昨年9月に自民党がやったように騒いで盛り上げることが得策であり、もしミスター年金の長妻昭や、耐震強度偽装問題や道路問題で名を上げた馬淵澄夫、あるいは人気の高い蓮舫あたりが当選すれば、幅広い国民的人気を得て、自民党も旧態依然たる麻生太郎を下ろさざるを得なくなり、仮にそうしたところで小池百合子、舛添要一、石原伸晃ら程度では長妻昭や馬淵澄夫には歯が立たないに違いない。しかし、小沢一郎との距離から言うと、長妻昭は近くないし、馬淵澄夫に至っては保守派の野田佳彦に近く、小沢一郎からすれば論外なのだ。さりとて、岡田克也や菅直人も、小沢にとってはうるさく、遠ざけたい存在である。結局、コバンザメのように小沢にくっついてきた鳩山由紀夫が、小沢一郎にとっては制御が容易で好ましい後継代表候補だというわけだ。
だが、これは国民にとっては実に不幸な選択肢である。『カルトvsオタクのハルマゲドン/カマヤンの虚業日記』が、さっそく鳩山由紀夫を批判するエントリを上げているので是非ご参照いただきたいと思うが、鳩山一郎の孫である鳩山由紀夫は、単に安倍晋三(岸信介の孫)や麻生太郎(吉田茂の孫)と同じ類型の、世襲政治家の権化であるばかりではなく、耐震強度偽装や田母神俊雄が大賞を獲った懸賞論文で悪名の高いアパともべったり癒着している。鳩山由紀夫なんかが代表になってしまったら、民主党は自民党にはびこる世襲政治を批判することもできないし、それどころか田母神俊雄らの「コミンテルン陰謀論」に基づく噴飯ものの防衛論の批判さえはばかられるようになってしまうのではないか。小沢一郎は、自らはタカ派にして新自由主義的な本音を抱きながら、選挙区の事情や左派と結んだ政策協定によって左派を重用する党内采配を行ってきたが、代表が鳩山由紀夫に代わってしまうとそうはいかない。確実に左派の影響力は低下し、民主党の政策は右旋回をすることは間違いない。鳩山由紀夫を「前原誠司より右」と書いたら、コメント欄で反論をいただいたが、前原は軍オタの防衛政策や新自由主義的な経済政策はともかく、それ以外の政策では結構リベラルだ。歴史修正主義色も薄い。しかし、鳩山由紀夫は、カマヤンの表現を借りれば、「病的な左派嫌いで、世襲だけが取り柄で、宗教右翼と旧民社系に支えられ」ている。旧民社系というと河村たかしなどがそうだが、昔から「自民党より右」として悪名が高く、もちろんゴリゴリの歴史修正主義者が揃っている。経済政策についても、前原誠司のような筋金入りの構造改革論者でこそないものの(鳩山由紀夫は無定見だからね)、コイズミ時代に「カイカクを競う」誤った方針をとって、2001年の参院選で惨敗した。
そもそも、右だ左だという以前に、鳩山由紀夫は無能なのである。右左論から言えば、長妻昭も馬淵澄夫も私にとって好ましいとはいえない部分がある政治家だが、その能力と人気を買って、民主党代表になってくれればよいのではないかと思う。だが、鳩山由紀夫は、過去の代表時代にもろくな実績を残していない。だからこそ小沢一郎にとって操縦しやすく、好ましく思えるのだろうが、国民の利益には全く反している。口で「国民の生活が第一」と言いながら、その実国民の利益にも民主党の利益にも反する。最後にはいつも党や国民より自分を優先してしまうのが小沢一郎の最大の欠点であり、この点が田中角栄と小沢一郎ではスケールが違うと私が言うゆえんだ。私は、「小沢一郎でなきゃ政権交代はできない」などとは全然思っていなかったが、「鳩山由紀夫では政権交代はできない」かもしれないとは思う。西松事件が起きてからも、私は次の総選挙のあと政権交代が起きることは全く疑っていなかったが、民主党代表が鳩山由紀夫となると話は違う。ともに世襲の権化のような党首をいただく自民党と民主党では、それこそ「どっちもどっち」になるし、自民党が世襲の石原伸晃はともかく、小池百合子や舛添要一あたりに党首をすげ替えれば、旧態依然とした鳩山由紀夫よりはまだしも清新(?)なイメージによって有権者は自民党の方に流れかねない。よく、マスコミが岡田克也を推すのは、その方が「政官業トライアングル」だか「悪徳ペンタゴン」だかにとって好都合だからだ、などと言われるが、岡田克也以上に彼らにとって好都合なのが鳩山由紀夫なのではないか。
もちろん、今の自民党があまりにアレだから、鳩山由紀夫でさえも総選挙で勝てるか、そこまでいかなくとも自民党との伯仲状態に持ち込めるかもしれない。しかし、問題はどこまで国民生活を守る政治が実現できるかどうかである。鳩山由紀夫にそれができるとは、私には思えない。
PS
もし鳩山由紀夫が民主党代表になったら、「角影内閣」、「直角内閣」、「田中曽根内閣」などに倣って、「鳩山一郎体制」(鳩山由紀夫と小沢一郎が組んだ、民主党の世襲政治家支配体制)と呼ぶと良いと思う。
http://caprice.blog63.fc2.com/blog-entry-905.html
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