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2009年5月14日 (木)
マスゴミの情報操作が通じない民主党代表選
鳩山由紀夫氏と岡田克也氏が民主党代表選への出馬を表明した。マスメディアは岡田克也氏支援姿勢を強めている。岡田克也氏支援を民主党攻撃につなげようとしている。
民主党が次期代表選出を、国会議員による投票で、大きな時間的空白を作らずに5月16日に行なうことを決めたのは次の三つの理由による。
@国会開会中であり、予算関連審議、重要法案審議が行われている最中だ。自民党は重要な問題が山積するなかで、昨年も一昨年も、3週間もの時間をかけてお祭り騒ぎの総裁選を実施した。民主党は自民党の行動を反面教師として、時間的空白を最小限にとどめようとした。
A次期代表選出を国会議員による選挙で行なうことは、民主党の党規に従うものだ。一部メディアは、小沢代表が強権を発動したかのような報道をしたが、小沢氏は代表選が党規に従って実施されるべきだとの常識論を示したにすぎない。国会開会中である現状を踏まえれば、小沢氏の意見は正しい見識を示している。
B代表選出までに長い時間を開ければ、「悪徳ペンタゴン」が手先の御用メディアを総動員して、民主党代表選に介入してくる。小沢氏在任中から、マスメディアは岡田氏を次期代表に据えるための工作活動を積極化させてきた。小沢氏は筋を曲げて代表を辞任したが、これも、御用メディアの不正で不当な情報操作に対抗するための苦渋の決断によるものだった。
政権交代を実現し、「悪徳ペンタゴンの利権政治」を「国民の生活が第一の政治」に変えることが、民主党の政治行動の基準である。この基準に照らし、「悪徳ペンタゴン」による不当な介入を排除するために、投票日を前倒ししたのだ。土日を挟めば、「悪徳ペンタゴン」の走狗(そうく)である御用言論人が、岡田氏支援の不正な情報誘導を図ることは目に見えている。
御用メディアは、世論が岡田氏支持であるなかで民主党が鳩山氏を次期代表に選出すれば、「小沢氏院政」、「小沢氏支配体質を引きずる民主党」と集中攻撃するだろう。しかし、民主党は「偏向メディア」に負けてはならない。そろそろ、「偏向メディア批判」を全面展開することを検討するべき段階に至っている。
「悪徳ペンタゴン」が民主党次期代表に岡田克也氏の就任を渇望するのは以下の三つの理由による。
@小沢氏に比べて、岡田氏の選挙戦術が明らかに甘いと考えられることである。2007年7月の参議院選挙に際して、小沢代表は「国民の生活が第一」のメッセージを鮮明に打ち出した。ここには、ドブ板を踏んで、有権者の真の声を読み取る小沢代表の政治姿勢が色濃く反映されている。
2005年9月の総選挙で岡田代表は、消費税3%増税を訴え、「日本をあきらめない」のメッセージを発したが、岡田氏のメッセージが心に響いたと感じた有権者はいなかった。
岡田氏は2005年以降、全国を行脚したというが、本当の国民目線のメッセージを示すことが残念ながら現在でもできていない。自民党が岡田氏の代表就任を求めるのは当然だろう。
Aこれが最大の理由と考えられるが、岡田氏が積極的な消費税増税論者であることだ。「悪徳ペンタゴン」が次期総選挙後の衆議院任期で最重視している政策は、「消費税大増税」である。今回、麻生内閣による大型景気対策決定を財政当局が容認したのは、2011年度以降の消費税大増税を前提にしたからだ。この点を踏まえれば、民主党の代表は岡田氏でなければならないのだ。
B消費税問題と裏表の関係になるが、岡田氏は特権官僚の天下り利権根絶に積極的でないと見られている。岡田氏は徹底した無駄の削減を主張するが、「天下り根絶」を積極的に主張しない。2005年の総選挙に際し、私は「天下り根絶」を提言したが、岡田氏は「天下り根絶」を明確には示さなかった。
岡田氏はむしろ公務員の削減、公務員給与の引き下げに力点を置いている。「悪徳ペンタゴン」の一角である「霞が関特権官僚」は、「天下り根絶」についての政策を注視している。岡田氏は「消費税増税」と「天下り温存」を容認する民主党代表候補と見なされているのである。
岡田氏がこの二点に対する疑念を払拭したいと考えるなら、今回の代表選出馬に際して、
「次期総選挙後の4年間に消費税増税を実施しないこと」
と
「特権官僚の天下りを根絶すること」
を明確に公約として宣言しなければならない。
鳩山由紀夫氏は5月14日、テレビ番組に出演して、この二点を明確に宣言した。次期総選挙での明確な争点とされることになるだろう。
さらに、次期総選挙で重要な争点になるのは、「企業献金の全面禁止提案」である。この点は、鳩山氏と岡田氏で意見に相違はない。
「企業献金の全面禁止」は日本の政治を根本的に変える最大の原動力になるだろう。与党政治家には「カネ」を目的に政治家になった人々が多数存在すると思われるが、「企業献金が全面禁止」されると、政治を志す人々の属性が変わることになる。
「企業献金全面禁止提案」こそ、西松事件でクローズアップされた「政治とカネ」問題に対する、究極の「説明」である。鳩山氏が指摘するように、小沢氏が受け入れた政治献金が何に使われたかを説明することも必要かもしれないが、何よりも重要なことは、この問題を大きく前進させるために、「企業献金を全面禁止」することだ。「核兵器削減交渉」のなかで「核廃絶提案」を示したに匹敵する。
民主党は御用メディアの情報操作活動を「柳に風」で、受け流すことが賢明である。鳩山氏の真髄を知る国民は少ない。御用メディアが「岡田氏はクリーン」、「岡田氏はクリーン」と懸命に宣伝しているために、街角調査での岡田氏人気が高いだけだ。
岡田氏がクリーンで誠実な、気骨ある政治家であり、高く評価されるのは理解できる。しかし、「天下り」、「消費税」が争点になる次期総選挙で岡田氏を民主党代表に就任させるのは、民主党と野党連合にとって正しい選択ではない。
鳩山由紀夫氏は人格的に政界随一の逸材である。姑息で卑劣な政治手法とはまったく無縁の政治家である。野党勢力との共闘関係を構築するうえでも適任であると考えられる。鳩山氏に対する国民の評価を得るのは、代表に就任し、総選挙で勝利し、内閣総理大臣に就任したのちで遅くない。
民主党は16日の代表選で次期代表を正々堂々と選出し、挙党一致体制を構築することによって、次期総選挙での必勝に向けて、反転攻勢の足場を固めるべきである。
3月3日の卑劣な政治謀略から、民主党への人工的な逆風が吹き付けられたが、5月11日の小沢代表の英断を契機に、風向きの逆転が始まったのではないか。
「企業献金全面禁止」、「天下り根絶」、「消費税大増税阻止」を明確に掲げる野党連合は、次期総選挙で必ず勝利する。「天の時」、「地の利」、「人の和」の三条件が整いつつある。政権交代が実現し、そこから日本の新しい歴史が始まる。
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