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民主党の小沢一郎代表が、2009年度補正予算案の衆院審議が終わるのを待ったうえで辞任すると表明した。連休前から腹を決めていたのだろう。それにしても、これは痛恨のできごとだ。小沢という人物は、昭和から平成への激動の時代を、海千山千の妖怪が跋扈する政治の舞台裏で生き抜いてきたような人である。毀誉褒貶、一筋縄では語ることのできない経歴を持つが、基本には田中角栄元総理の薫陶を受けいるから、原日本人の型を持っていると思う。価値観が、アメリカ一辺倒の教育を受けた政治家連中の中では稀有の資質を持つ政治家である。
彼はどす黒い権力闘争の真っ只中を渡ってきており、きれいごとが通じない政治の本質を知る者である。悪く言えば権力闘争こそ政治の本質だという基本姿勢を持つ。そのことはかなり真実である。政治は道徳や倫理の実践ではなく利害の調整作用と再配分に関わる金の流れを決める、実にプラグマティックで生々しい世界だと思う。豪腕と言われた小沢氏も、ある年齢に達してかなり角の取れた穏やかな面が出てきたように見える。権謀術数渦巻くダーティな世界に対して、きわめて強い耐性を有した人物だが、情に厚いところがある。小沢氏は田中角栄の影響を受けているから、その基本は、小泉純一郎氏のように人間同士の信頼を裏切ったり、平然と棄民政策を断行できる非情さも野蛮性もないが、情に脆すぎるところが見える。
今回の辞意表明には正直がっかりした。小沢氏率いる民主党だからこそ、希望があったのだ。今後の民主党は小沢氏の意志を継ぐ者が代表に就き、小沢氏を影響力の強い位置において、摂政的構造にするしか民主党の生き残る術はないだろう。この際、思い切って凌雲会派閥は切ってしまう事だ。彼らは日本の癌である。鳩山氏や菅氏はきわめて弱々しいが、彼らのどちらかが代表になって、小沢氏がそれを補佐するという体制が望ましいと思う。
実は昨日のニッポン放送(ラジオ)、「高嶋ひでたけ特ダネラジオ 夕焼けホットライン」という番組で、小沢氏辞任に対する一般人の感想を披露していた。最初に紹介したものは、小沢氏はあのような献金疑惑を起こしておいて、説明責任を果たしていなかったから当然だという自民党と同じ言い分があった。驚いたのは司会者の高嶋氏が紹介した次の感想文であった。それは、小沢氏の件は国策捜査であり、彼の秘書だけが捜査され、自民党議員にはそれが及ばなかった事実は、誰が考えてもおかしい話だというようなことであった。ラジオはテレビよりも本音が出やすいメディアだが、それでも小沢氏秘書の逮捕が国策捜査だという国民の意見を、高嶋氏が紹介していたのは実に驚きだった。
しかも、その献金疑惑が自民党には及ばなかったことをおかしいと書いてきた人は他にも多くいたそうである。もしかしたら、小沢氏の辞意表明という帰結に、自民党と地検特捜部の癒着を感じ、不審の念を抱いている国民が実はかなり多いことを裏付けているような感じがした。小沢氏が説明責任をはたしていないと言うなら、検察特捜が、なぜ自民党議員を捜査しないのかについて説明責任をはたしていない。政府もマスコミもこれについて沈黙を保っていることの方がはるかに奇異である。
メディアがここまで、西松建設の献金疑惑が小沢氏だけに向かったことを、あまり報道しなかったが、それでも、漆間巌官房副長官の「自民党の方にまで波及する可能性はないと思う」発言などは流れたから、国民はかなりの人間がこの件に対して変だと思っている。それが高嶋氏のラジオ番組にリアルタイムで出たのだろうと思う。
だから、テレビでよく見かける街頭インタビューで、小沢氏の説明責任がなっていないというコメントを繰り返して流していたのは眉唾物である。その説明責任をもう少し突っ込んで、どういう説明責任ですか?と訊ねれば答えられただろうか、はなはだ疑問ではある。ただ、テレビや新聞を鵜呑みにしていて疑うことをしない多くの国民は、小沢氏の辞意は当然だと思っているかもしれない。
小沢氏は自分が総理大臣になることよりも、民主党の政権奪取を優先し、挙党一致体制を称揚した。これがいい方向に向かえばまだ希望はある。小沢氏の影響力を温存する形で、凌雲会の反対勢力を駆逐できれば、党はまとまる可能性はまだあるだろう。しかし、民主党には優柔不断の人間が多すぎるのだろうか。覚悟を決めて小沢氏を守る勢力が弱いと思う。民主党が政権奪取に成功しても、求心力を持つ小沢氏が駆逐された場合、この党は終わりである。
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2009年5月13日 (水) 経済・政治・国際 | 固定リンク
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コメント
kenkensya 様
書き忘れたのですが、「下山事件」には、年配の女性(70代以上)
の読者が多いのではないでしょうか。あくまでも私の感触でしかな
いのですが、事件が事件ですし、何よりも、下山総裁の艶福家にみ
える雰囲気が女性には人気だったのでは、と想像するのです。
もちろん、写真しか知りませんが。
投稿: | 2009年5月14日 (木) 11時32分
kenkensya 様
読むなということは読めということなのでしょうが、
その手には乗らないでおきましょう。それにしても
読書家ですね。私は本が読めなくて困っています。
広告に釣られてつい買ってしまうのですが、読む気に
なれず、そのまま古本屋さんへという愚を繰り返して
います。(ツン読の趣味はありませんので)
気に入った文章は暗誦するのだと書いておられました
が、それこそ教育現場に取り入れてほしいことですね。
子供にいい文章や短歌、詩などを朗読、暗誦させるこ
とは、とても大切なことだと思います。
今の漢字ブームは、所詮商売だったのですね。見たこ
ともない、死字のような漢字を知ったところで何にな
るのでしょう。
今朝のサンケイに、桜井よし子さんが、北方領土は1
ミリも譲ってはならないと書いておられましたが、アメ
リカの属国になっている現状の日本にも一言あってほし
いところですね。奴隷が何を言っても、うら悲しいだけ
です。
投稿: 一葉 | 2009年5月14日 (木) 10時32分
そもそも田中角栄もそうですが米国CIAの闇資金に頼れないんですから国内で金策をする必要があったんじゃないでしょうか。
派閥を維持する、政党を維持するのは綺麗ごとでは済みません、資金が必要です。
どうしても金権体質になりがちです。
米国からの資金であればマスコミも検察も完全にスルーしてくれます。
クリーンに見えるのはその為だと思いますね。
そもそも私は政治にクリーンさなど求めてませんが。
ところで今度の政治資金規制法の改正で外資による献金も解禁されましたが、ますます売国政治家が増えそうですね。
投稿: ななし | 2009年5月14日 (木) 09時54分
実力とカリスマ性を持った小沢氏の代表辞任で民主が空中分解するのでは無いかと危惧しております。
特にネオリベ色が強い前原氏が代表になった場合はそうなる危険性が大きいと思いますね。
もしかすると他の野党と袂を分かち自公との大連立に移行する切欠になるかも知れません。
前原氏のバックには米国が居るでしょうし。
我々庶民の受け皿は泡沫政党しか無くなるような気がします。
岡田氏も鳩山氏も似たようなものでしょう。
投稿: ななし | 2009年5月14日 (木) 09時48分
管理人様
コメントの中の「政治力学で恩ある岸に従った―」の部分
に、小沢一郎さんのことを重ねてみました。政治の現場を
知らない外にいる私たちは、簡単に、無責任に批判します
が、実際、その中に入ると、途端に政治力学に巻き込まれ
て身動きできなくなるだろうことは、容易に想像できます。
自分に置き換えて考えても、金銭や接待の誘惑は何とかかわ
すことができても、心理的なシガラミには逆らえそうにあり
ません。
小沢さんの場合は、そういうことが人一倍多くて、誤解が増
殖していったのではないかと思います。しかし、肝心なこと
は、現在ただ今の小沢さんがどうなのかということではない
でしょうか。
投稿: 一葉 | 2009年5月14日 (木) 09時39分
浮高亭瓢箪 様
>一部の政治評論家たちは、たとえば、あの森田実氏などに至るまでが、「小沢一郎が政権交代の障害になっ
>ている」と言い始めていたが、やがてその過ちに気付くことになる。
そうなんですね。森田実氏はかなりのところま
で小泉政権を指弾しているんですが、小沢氏が嫌
いで仕方がない。その淵源はどうやら、田中角栄
元総理にあるみたいなんですね。森田氏は198
1年に中曽根内閣ができたが、鈴木善幸元総理を
つぶして、中曽根内閣の擁立に動いたのが、岸信
介元総理の意を汲んだ田中角栄元総理ということ
をある著書で書いています。
私は田中角栄が従米総理だとは思っていませ
んが、政治力学で恩ある岸に従ったものと思いま
す。森田氏は岸はレーガン大統領に動かされたと
書いています。確かに中曽根内閣は新自由主義を
導入し、日本を決定的に米国従属国家にしまし
た。破壊的な小泉内閣のベースはこの時にできた
と思われます。そういう意味では田中は責められ
るべきでしょう。しかし彼が原油確保ルートで、
ロッキード疑獄に落とされたことを思えば、民族
主義者の色合いの濃い政治家だったと思います。
投稿: 高橋博彦(管理人) | 2009年5月14日 (木) 00時00分
「笑って…」
最近、腹の底から笑ったことがない。笑えるような物にさっぱり出会わないからである。強いて挙げるなら「いかりや爆氏」の額の青筋を想像している時だけかもしれない。元々、想像力で笑うタイプなのだ(従って思い出し笑いも激しい)。
テレビも一昔前までは局によっては少しは笑える番組があった。ところが近頃は、一強四弱一番外地と称されるテレビ界、六放送局の全てが実に詰まらないのである。ちなみに一強とは放送料の不払い運動で頭を痛めている某放送局、一番外地とは先日書いた「夜明けのガイア」(仮名)を放映している某放送局のことである。
ここ10年間で一番笑ったのは、中村うさぎの「人生、張ってます」という対談集である。本屋で何気なく手にして、岩井志麻子という女流作家との対談の最後の方を読んだのだが、周囲の客に笑いを必死に堪えているのを気取られないようにするのが困難になってきた。
涙を流しながらレジにたどり着き、眉をしかめる女性店員に何とか代金を支払ってタクシーで家に戻った。部屋に入るや、数十回読み返しては半日笑い転げた。あわや悶絶死するところであった。今、思い出してもまだ可笑しい。
早速、拡大コピーをして約10人の友人・知人にFAXで配布したのに反応が栃木県イマイチ市だったのは私の人生における七不思議の一つである(唯一人、某銀行の支店長がウーロン茶と昼食をとりながら私からのFAXを読んで、すべてを吹き出し、「この馬鹿、職場に変なものを送ってくるな。後始末がどれだけ大変だったか考えてみろ!」という怒声とも笑いともつかぬ文句の電話があった)
内容を書いてしまうと皆様の楽しみを奪うことになるし、高橋先生の「神州の泉」の品格を海底2万マイルにまで落とし込むようなノーチラス級の下品なものなので、これは敢えて省略。ヒントは「ヘッドライトに浮かぶ白い尻」である。
尚、一葉さん、sumiretuminitoさんなどの女性は絶対に読んではならない。
投稿: kenkensya | 2009年5月13日 (水) 23時02分
男の人はぶれやすい。しかし小沢一郎はぶれない。私は田中角栄、小沢一郎の考え方の大筋の方向性を指示します。大筋というのは難しいことはわからないから。心配症なのでいろいろな記事の一字一句に惑わされたりしますが、その思いに変わりはありません。映画「シンドラーのリスト」のシンドラーのようだな、と思っていた小沢さんは代表選挙の折変わらねば宣言をされました。時代の動向をよみとり策を練る姿は、まさに孤独な天才ですね。管理人様、総選挙も近い今、城内実さんの、バナー、というのですか、検討していただけないものでしょうか?郵政民営化に反対票を投じた人が何故ここまで注目され善きイメージでとりあげられてきたのか。関岡さんは陰謀論的な知識なしで自論を展開されすごいな、感心していましたが平沼さんや城内さんとともにさりげなく小沢批判を繰り返している印象を受けます。桑田さんや武と変わらないと思ってしまうのですが。愛国心を持つ方々がとりあえず一致団結しないでつぶしあいをするのは何故なのか、本当に謎です。
投稿: | 2009年5月13日 (水) 10時10分
確かに小沢一郎氏の代表辞任には悔しいものがあります。
しかし・・・裏に回った時の小沢一郎氏のほうがかつての田中角栄氏の様に更に強くなる気もします。
間違いなく政権交代に向けて進むだろうと思います。政権交代の暁にはまた表に出てマスゴミの断罪、企業献金の撤廃、自立した国家の構築に向けて邁進して頂きたいと思います。
投稿: ボス@和白組 | 2009年5月13日 (水) 09時24分
国の議員になってえらい気持ちにもなるのだろう民主党馬鹿手議員、そんな甘い世界ではない100人200人300人集まってもこの男一人にかなわない、理論理屈ではないマスゴミに徹底的に悪者にされてきたが田中元総理の薫陶受けた稀有な実力者小沢一郎。田中真紀子さん、小沢一郎氏、そのほか小泉から放逐された人々の一言は総選挙に向かうにあたり人心にどれ程大きな影響力を持つか例え辞任しても、例え派手な舞台にいなくてもこの人たちの動向を、多くの生か死かの狭間に立たされた国民は注視しています、付和雷同している従来の状況ではなく敵(現政権)も従来の習いが通用しない状況を知るべきだろう。
投稿: 名なし | 2009年5月13日 (水) 08時48分
京都から帰って来たら、テレビで「小沢代表辞任」の報道が流れていた。
やんぬるかな!・・・と言うしかない。
これで民主党はどんどん切り崩されてしまい、政権交代など「浪速のことは夢のまた夢」になってしまうに違いない。
自民党と検察特捜部(官僚たち)とマスゴミが総掛かりで作り上げた小沢包囲網に民主党の未熟な議員たちが白旗を掲げたのである。
今日あたり各方面で祝杯が挙げられることだろう。
この国の国民はバカである。
民主党という政党も、結局子供染みた頭でっかちの幼稚な政党であったことを露呈してしまった。
麻生は内心せせら笑って「こいつら、まるで腹の据わらない小僧どもだなあ」と思っていることだろう。
そして、「まさかと思うが、案外、事によったら俺の長期政権かも。祖父さんを超えられっぞ!」という予感で胸が躍っているに違いない。
心ある人々は小沢が代表の座に留まる事を望み期待したのだが、夢は破れたわけである。
時間の経過と共に、やがて多くの人々は過去を振り返り「あのときの己らの愚かさが、この国を破滅の淵に立たすことに繋がったのだ」と、悔やむことだろう。大いに悔やめばいい。そのときはもう遅いのだ。
小沢一郎は大いに絶望して国会議員も辞めたほうがいい。すっきりするだろう。
もはや、小沢や私たちが生きている間に「政権交代」など絶対に起こらないに違いない…と断言してもいいほどだ。
見ているがいい。
次回の衆議院選挙では、民主党はたとえ善戦しても、その後は政権与党のさまざまな揺さぶりにあって、四分五裂し分解してしまうだろう。
結局この国には、「官僚」という第四の階級が国政を好き勝手に動かし続けることになる以外に道はないのだ。
この国の実質的な支配者は「官僚」…彼らであったが、これからも変わることはない。
しかし、これまで闇に隠れていた、この国の実質支配者が初めて表舞台に飛び出てきて、露骨な干渉を行ったことは特筆すべきことかもしれない。
漆間官房副長官こそ、今回の全芝居の演出家であり、舞台監督であったのだ。むろん、オーナーはず〜っと背後に居る。
私自身は、「政権交代の可能性が消えたとき、この日記は閉じる」と言って来たので、決断すべき時期に来たのかもしれない。
一部の政治評論家たちは、たとえば、あの森田実氏などに至るまでが、「小沢一郎が政権交代の障害になっている」と言い始めていたが、やがてその過ちに気付くことになる。
実は、小沢一郎こそが「政権交代の核」であったのだ。だからこそ、みんなが「小沢」の動向を恐れていたのだ。
しかし、なんとも情けない日になったなあ・・・
投稿: 浮高亭瓢箪 | 2009年5月13日 (水) 07時55分
神州の泉
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