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世論迎合のポピュリズム 増山幹高(政策研究大学院大学教授)
http://www.asyura2.com/09/senkyo63/msg/172.html
投稿者 ダイナモ 日時 2009 年 5 月 12 日 20:19:19: mY9T/8MdR98ug
 

http://netplus.nikkei.co.jp/forum/kosaten/t_474/e_1871.php

 公設秘書の逮捕につながった政治献金について本当に問題がないと考えているなら、民主党の小沢一郎代表は辞めるべきではなかった。政治資金で批判される可能性がある小沢氏が代表を続けるより、フレッシュな党首を据えて選挙を戦った方が、政権交代につながるという小沢氏の判断があったのだろう。しかし、政治改革の案や経済危機の克服策をかたくなに訴えればよかったのではないか。

■「選挙の顔」が最大の関心事
 辞任した方が世論の批判が少なく、新体制の下で裏に回って選挙を仕切った方がいいと考えたのかもしれない。だが、総選挙を控えて国民生活をどう改善させるのか、政策の議論が乏しいまま党首の選択に飛躍してしまったのは残念だ。

 まだ司法判断が下ったわけではないのに、世論が「辞める方向」に振れたから辞めるというのは、究極のポピュリズムだ。民主、自民両党とも、表面的には政策のパッケージを選ぶ選挙になると言っていながら、首相候補として誰が望ましいのかが事実上、最大の関心事になっているのではないかと懸念している。

 大衆に支持される人が党首になる、首相の顔で選挙を戦うという流れをつくったのは、小泉純一郎元首相だろう。2005年の郵政選挙で大勝し、どんなに権力や実力があっても、国民に人気がないと何もできないという前例をつくってしまった。

■代表選では政策論議を
 党首だけが目立つのは、不幸な状態だ。二大政党が政策を戦わせて国民が選択するという選挙が定着するまでの過渡期であってほしい。そうなれば、党首を誰にするかは最大の論点にはならないはずだ。

 小沢氏の辞任をプラスにするには、民主党は政策論議を通じて次の代表を選ぶ必要がある。民主党の政策は体裁はよいが、国民生活をどう改善させるのか具体性に欠ける。

 例えば、官僚の天下りあっせんを禁止すると表明しているが、官僚主導でなく政治主導の政権で国民の生活が、どのように改善するのか、具体的なイメージが乏しい。民主党の次の代表は、具体的な政策を訴えて政権選択選挙に臨んでもらいたい。

 

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