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「国営マンガ喫茶のトンチンカン
2009年5月10日(日)10時0分配信 日刊ゲンダイ
●喜ぶのは麻生首相だけ
「これは国営マンガ喫茶だ。ムダ遣いの象徴だ」――。民主党の鳩山幹事長が衆院本会議でカミついた09年度補正予算案の「メディア芸術総合センター(仮称)」。施設整備費だけで117億円もの税金がつぎ込まれる計画だが、確かに聞いて呆れる中身のなさだ。
文化庁によると、都内(お台場など)に延べ床面積約1万平方メートルの4、5階建ての建物を整備。「マンガやアニメ作品を常時展示し、関連情報を集約、発信する」(文化課)という。
「文化庁は『この計画は、審議会(メディア芸術の国際的な拠点の整備に関する検討会)がまとめた報告書を基にした』と説明しているが、審議会が開かれたのは昨年8月から6回だけ。しかも最後の会議は、補正予算提出の1週間前です。100億円以上も要求している計画なのにあまりに中身が伴わず、性急すぎますよ」(文科省担当記者)
何といっても、マンガしか読まない麻生首相だ。そんな親分を見て、文化庁が「今が予算を分捕るチャンス」と、ムリヤリ計画をたたき上げ、補正予算にぶち込んだとみられてもおかしくはない。メディア業界に詳しいジャーナリストの井上トシユキ氏がこう言う。
「まず旧態依然のハコモノありきの発想で、目的がさっぱり分からない。メディア産業の活性化を考えるなら、低賃金と長時間労働に悩むアニメーターの労働環境を整えるといったソフト面を重視した対策を取るべきです。それに拠点をつくるなら、アニメ制作会社が多く集中している杉並区でもいいのに、なぜお台場なのか。このままだと、赤字垂れ流しで廃止が決まった厚労省の『私のしごと館』の二の舞いになりかねません」
麻生首相は「100年に一度の経済危機に対応する予算」なんて威張っていたが、フタを開ければこんなものだ。
(日刊ゲンダイ2009年5月7日掲載)」
http://news.nifty.com/cs/headline/detail/gendai-02041129/1.htm
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