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小沢一郎民主党代表の公設秘書が3月下旬に政治資金規正法違反罪で起訴され1カ月半近くが経過した。小沢氏はなお表向き、続投に強気の姿勢を見せているものの、党内には「小沢代表の下では政権交代できない」との懸念も根強く、連休明けには「小沢降ろし」の動きが出てくる可能性もある。こうした空気を小沢氏も感じているのか、時折周辺には弱気な一面をのぞかせるようになった。 「何としても衆院選で政権交代を実現する。自分自身の身の朽ちるまで、その使命を達成することを約束する」。小沢氏は1日、札幌市で開かれたメーデーの集会で、次期衆院選に臨む決意を強調。最後は「与党は衆院選で3分の2の多数を失うが、参院での野党の過半数は変わらない。民主党を中心とする政権をつくる以外に国会のねじれを解消する方法はない」と言い放った。 こうした小沢氏の発言に対し、民主党内の非小沢系議員は「代表を辞める気なんかない」との見方を強めている。あるベテラン議員は「辞めないのは単なる意地。政権交代の成否など考えていない」と批判。中堅議員からは「力ずくで辞めさせるしかない」との声も出始めた。 党内の混乱を回避するため重苦しい「沈黙」が続いていたが、それを破ったのは渡部恒三最高顧問だった。4月28日、記者団に「今の態勢では総選挙を戦えない」と小沢氏辞任に期待を表明。一部議員は辞任を求める署名集めの検討に入った。党幹部は「議員が地元の空気に接して帰ってくる連休明けが一つのヤマ場」と警戒する。 「小沢降ろしの動きが始まるなら、たたきつぶすしかない」「分裂して、新進党の二の舞になってもやむを得ない」。4月末、衆院議員会館の一室では、小沢氏を支える若手議員らの間でこんな過激な言葉が飛び交った。 ただ、小沢氏に最近面会した若手は「小沢氏は話し掛けても心ここにあらずで、党内の批判を気にしている様子だった」と明かす。 4月29日、都内で開かれたメーデー中央大会。壇上で隣り合った社民党の福島瑞穂党首が「小沢さんのトップダウンでないと民主党は動かない」と指導力発揮を求めたが、小沢氏は「僕は嫌われてるから」と自嘲(じちょう)気味に語った。 |
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