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社説
米軍再編3年 「沖縄」が悪用されていないか 自衛隊「グアム基地」は危険
2009年5月2日
日米両政府が進めている「米軍再編」のロードマップ(行程表)発表から3年が過ぎ、徐々にその本質が透けて見えてきた。
行程表では沖縄の過重な米軍基地負担の軽減が強調されてきた。
しかし、実際には行程表発表後、むしろ沖縄の基地負担は軽減どころか増大している。
米軍の嘉手納飛行場や普天間飛行場には外来機の飛来が増え、ホワイトビーチには米原潜の寄港回数も急増。爆音被害や放射能漏れの危険性も増えている。
行程表は、2014年までに在沖米海兵隊員約8000人とその家族約9000人のグアム移転も盛り込んでいる。その移転費用約1兆円のうち、6割に当たる約6000億円は日本側の負担だ。
根拠なき「移転費用」負担
日米地位協定でも、米軍基地の新たな施設建設は「米負担」が明記されている。
だが、今回は米軍が使用する施設・区域で、しかも国外にもかかわらず日本側が費用の6割を負担する。その根拠が「沖縄の過重な米軍基地負担の軽減」だ。
日本が負担軽減を求め、米側が移転に応じてあげる。だから米軍移転に伴う費用は日本も応分の負担を、というわけだ。
外国軍の海外基地建設を日本が費用を負担する法的根拠はない。
その法的不備を補うため、政府は在日米軍再編促進特別措置法(07年)、グアム移転協定(09年)の整備を進めてきた。
行程表から3年を経て、気になるのが「海兵隊のグアム移転」は、本当に沖縄の基地負担軽減のためのものか、という点だ。
西原正・前防衛大学校長らは07年9月の論文「日本にとっての米軍グアム基地再編」で、グアム移転は米国防総省の「グローバルなプレゼンスと基地配置の統合戦略」に基づく「グアム基地とグアム駐留米軍の全体的な再編・強化の重要な一部」と指摘している。
06年7月に発表された「グアム統合軍事発展計画」にも詳しく紹介。グアム基地再編費用は総額約150億ドルが見込まれている。
米海兵隊の戦略に詳しいロバート・エルドリッヂ氏も「グアム移転は米世界戦略変更の一環。沖縄の負担軽減とは別次元の動き」と強調してきた。
だとするならば、米軍の世界戦略の変更のために始まった「米軍再編と変革」に伴うグアム基地の再編・強化、在沖米海兵隊のグアム移動は、米予算で行われるべきだ。「沖縄の負担軽減」は、日本に負担を求める米側の方便ではないか。
西原論文は、沖縄から2000キロメートル離れたグアムは「北朝鮮や中国などのミサイルや戦闘機の大半が届かない(射程外)」との利点も強調している。
グアム移転で「日本が攻撃を受けた際の米軍の反撃能力が高まることが期待できる」とも指摘している。
脱パッケージで返還促進を
逆の見方をすれば、北朝鮮や中国の戦闘機やミサイルの能力が向上し、沖縄が射程内に入ったため、より安全なグアムに米軍が移転したともとれる。
そうであれば、沖縄の基地の相対的な地位の低下を意味している。在沖米軍基地の大幅削減が可能との証左ではないか。
日米両政府が行程表で普天間返還とパッケージで提示している「嘉手納より南の5基地返還」も5基地が返還可能なことの証拠。「沖縄の負担軽減」に日米両政府が本気ならパッケージ論を脱し、早期返還を図るべきであろう。
もう一つ、警戒すべき重大な問題もある。グアム移転で6割の費用を負担する日本政府は「沖縄の基地負担軽減にとどまらず、移転を日本の安全を向上させる機会として最大限活用するのが、国民に対する責務」との論議だ。
具体的にはグアム基地の自衛隊基地としての活用だ。そのためにグアム移転に伴い整備・建設される施設の自衛隊の恒常的利用を米国に求める提言もある。
米軍再編が本格化する中で、米原子力空母や米ミサイル巡洋艦の日本配備、ミサイル防衛での連携、日米共同訓練の強化など、日米両政府は米軍と自衛隊の「融合・一体化」を加速している。
自衛隊の海外派遣も恒常化する中、「グアムの自衛隊基地化」の新たな動きも出てきた。
米軍再編が日米安保を変化・変質させ、アジアの軍拡や自衛隊の海外派兵に道を開く契機とならないよう警戒と監視を強めたい。
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