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二枚舌を使った大前研一氏 他(天木直人のブログ)
http://www.asyura2.com/09/senkyo62/msg/245.html
投稿者 クマのプーさん 日時 2009 年 4 月 25 日 18:12:07: twUjz/PjYItws
 

http://www.amakiblog.com/archives/2009/04/25/#001382

2009年04月25日
二枚舌を使った大前研一氏 他
 


★二枚舌を使った大前研一 
 

 私は2月20日のメールマガジン第64号で、大前研一氏の近著「さらば アメリカ」(小学館)」で、彼がオバマ大統領に、いまこそ日本を見習って 憲法9条のアメリカ版をつくれ、と提唱している事を紹介した。

 彼のような親米、資本主義の象徴のような人間が、ついに平和憲法の重要性 に気づきはじめた、とこれを歓迎した。

 ところが、その大前研一氏が、今発売中の5月13日号SAPIO誌上で 堂々と改憲、自主防衛を訴えている。驚くべき二枚舌である。

 彼は「最強国家ニッポンの設計図」という連載の最終回として「大前国防論」を展開している。その中で、今こそ日本はタブーなき「憲法改正」論議に踏み込み、真の独立国家を目指すべきである、 と言っている。去勢国家から脱却するため、核、空母、爆撃機、そして国民皆兵を議論すべきだ、とまで言っている。

 私は勘違いをしていたのだろうか。そう思ってもう一度、大前研一著「さらばアメリカ」を読み返してみた。

 勘違いではない。確かに次のように書いてある。

 「・・・私はこの文章(憲法9条)をそのままアメリカに献上したい。日本の戦後の繁栄もこのおかげであったし、本書でも述べたように、アメリカ のつまずきはまさにこの文章に反することをいとも簡単に、しかも不必要に 多用したことに尽きる。これは人類の尊厳に対する蹂躙であり、リーダーたる 者の資格を疑わせるものである。核兵器は結局、相互抑止力となって使えない ものとなったし、あまりにも強い通常兵器は、その使用自体が人類社会に対する挑戦である。
 もしアメリカが世界平和を希求するなら、みずから進んでその破壊力を共同管理の下に提供すべきであり、その他の国もそれに従うべきである・・・」(268ページ)

 大前研一氏はまったく正反対の事を、わずか2ヶ月後に書いているのだ。

 彼に好意的に解釈すれば、SAPIOの記事は連載記事であり、ひょっとしたら、この原稿はオバマ政権ができる前に書き終えていたものかもしれない。その後オバマ大統領が誕生し、ブッシュ政権からチェンジするためには平和外交に切り替えるしか米国の再生はない、と大前研一氏は思い始めたのかもしれない。だから「さらばアメリカ」で述べられている彼の考えが最新の考えかもしれない。

 それにしても、大前研一氏は読者に説明する責任がある。わずか2ヶ月の間に、彼は読者に二つのまったく異なる見解を述べたのだ。お金を払って彼の意見に耳を傾けた多数の読者に誠実に対応しなければならない。さもなければ、彼が今後どのように偉そうなことを書いたところで、「二枚舌の大前研一」の一言で一蹴されてしまうだろう。

 少なくともその二つの言説をお金を出して購読した私はもはや大前研一を信じることはできなくなった。

                                                  (完)

  


★テレビ業界にジャーナリズム精神は存在しない


  前回のSAPIO誌(小学館)は、「誰が総理を殺したか」という特集を組んで、小沢事件を徹底的に検証していた。それが面白かったので、私はメルマガで4回にわけて紹介した。

 今回5月15日号は、「テレビ報道番組は滅絶寸前」 という特集号を組んでいる。これがまた極めて面白い。そのレポートはかなりの量であるから、サブタイトルだけを以下に列挙するにとどめておく。

 それを読むだけでも、テレビ業界がいかに腐敗しているかがわかる。今更ながらテレビはもはやジャーナリズムなどではないと思い知らされる。

1.社員は記者クラブでふんぞり返り、厳しい現場は制作会社に丸投げする
  殿様報道局
2.「映像最優先」と「善悪二元論」が視聴者をミスリードする本質的構造
3.新聞、雑誌を見て東奔西走するいまどきのテレビニュースのつくり方
4.報道も、「見た目が9割」、「タレントキャスター」ばかりが続々増殖中
5.政府、与党に媚び、民放に追随するNHKに受信料を払う価値があるのか
6.もはや政官の「介入」に抵抗すらしなくなったテレビ・ジャーナリズムの
  「自殺行為」

 このほかにもまだまだ面白い指摘があるのだが、ここで止めておく。そのかわり、残されたスペースで、日刊ゲンダイ4月24日のきわめつけの記事を引用して終わることにする。

 「テレビ業界に石を投げると有名人の子供にぶつかる」という見出しのその記事は、「キャスターとしての評判は様々だが、親としてはマトモかもしれない」という書き出しで、古舘伊知郎の事を褒めている。
 何事かと思ったら、成城大学4年生の長女が「テレビ局に入社」せずに、アパレル会社に進路を決めたからだ」という。

 その後に続くテレビ業界と有名人の子息、令嬢の就職実態をみると、古舘が褒められている理由がわかる。

 みのもんたの長男と次男はともにTBSと日テレ。故松岡利勝農相の息子はNHK。「嵐」の桜井翔の妹が今年日テレに総合職で入社。桜井の父親は総務省総合通信基盤局長で将来の次官候補。中川昭一前財務省の長女はフジテレビ社員。鈴木宗男の娘も4月からNHKに入局・・・

 おそらく同様の例は山ほどあるに違いない。これではテレビに権力批判などできるはずはない。馴れ合いなのだ。

 それにしても、なぜこのようなことになるのか。SAPIOの記事とあわせ読むと、その答えは、「まともな番組をつくることなく高給がもらえるからだ」、という事になる。

 羨ましい限りだ。せめてコネ入社でないことを願う。
                                          (完)

  


★読者へのお知らせ

 やしきたかじんの「そこまで言って委員会」につきましては4月24日の午後に関西読売テレビで安倍元首相の参加をもとに無事収録を終えました。

 その放映は明日(27日)の日曜日だと思っていたのですが、5月3日の憲法記念日に放映するということがわかりました。

 読者の皆様におかれては、どうか5月3日にこの収録が放映される事について注目してください。

 私の発言というよりは安倍元首相の発言に興味深いものがありました。


 

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