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デヴィ夫人が、19日、右翼団体から街宣襲撃といえばいいのだろうか、大音響で罵倒されたとのことで、夫人は、ブログにその時の様子をこと細かく書いている。
夫人のブログによると、警察官は、大音響で悪口雑言三昧の右翼へ抗議に向かう夫人を力づくで押さえつけ、右翼が「てめぇ、刺すぞ!」と言っても、車を当ててきても、カメラを壊しても、一切何もせず、やりたい放題をやらせて、その後、デヴィ夫人を警察署へ連れて行って事情聴取をして、加害者にしようとしたとのこと。読めば、警視庁が、完全に右翼側に立っているというか、まるで右翼のガードマンのようにふるまっていた。
警視庁は右翼に「許可証」を出しているということだから、右翼による特定の人に対する脅し嫌がらせをお墨付きにして、右翼は警察をバックにしていやがらせ行為を行っているということだと思う。
そういえば、2009年04月11日、埼玉県蕨《わらび》市内で「犯罪フィリピン人カルデロン一家を日本から叩き出せ!」と主張するデモが行なわれ、カルデロン家の長女(13歳)が通う中学校の前をも練り歩いたということを、喜八さんのブログで知って、このような破廉恥極まりない卑劣漢のようなことが堂々とできる社会であることには恐ろしさを感じた。何の権力も持たない両親はフィリピンへ送還されたたった一人で残された弱い立場でしかない13歳の少女に精神的暴行を加えたこのデモ隊は、警察からの「許可」を受けていたのだろうか。そうだとすると、警察は弱い立場の人たちをいじめようとデモ隊をけしかけたと言ってもいいと思う。無許可でしたとしても、警察から許されると思ってしていることは確かだろうし、許していると思う。
デヴィ夫人の一件にしてもやったのは右翼であるとしても、警察がやらせている。デヴィ夫人は、右翼よりも警察官に怒りを覚えたと書かれているが、もっともと思う。
警察は、市民を守る正義の味方とはとても思えない。むしろ、市民を見張るためとか弾圧するためにあるのではないだろうか。
実は、右翼や暴力団に警察が加担することは、ずーと前から行われていた。社会から排除された人々が集まる山谷には、暴動鎮圧及び日常的監視・抑圧装置ともいえる警察官50人ほどが常駐するマンモス交番があり、24時間監視カメラが日本で始めて取り付けられたのもここということで、徹底した労働者監視が行われていた。警察は労働者のすべてを把握し、新参者が入ってくるとすぐにわかるという。山谷は、巨大な収容所といってよさそうなところだ。ナチスにユダヤ人のゲットーがあったが、柵こそないが、それに等しいところと言ってよさそうな気がする。そこでは、警察が治安を維持するために暴力団と組んでいた。
「「生きる」という権利」(安田好弘著)を読むで、山谷の人々の悲惨な状況が良くわかった。
いまでは、小泉政権により労働規制が緩和され、日雇労働者が、製造業にまで及んで、ワーキングプアと呼ばれる人々が寄せ場だけでなく各地に出現しているが、高度成長期は、社会から排除された人々が山谷などに集まり、建設業界がそこに集まる人々を日雇労働者として使い捨てにしていた。どんな仕組みになっていたか、本から引用する。
建設業界の構造の頂点には、政府・政界と直結した巨大な建設資本が君臨し、そこには、ほんのわずかな数のエリート・サラリーマンがいて、その下に下請けがあり孫請けがあり、さらにその下に、ピンハネ(搾取)が行われる。政府が発注する工事の労働者の単価は一日一人あたり一万数千円。これが、山谷だと一万円を切ることになる。ひどい飯場では数千円になる。建設業は、彼らを組織の縦構造から排除しつつ利用することで、膨大な利益を上げ、労働市場のバランスを取っていたのである。
今では、労働基準法違反ハケン業がどうどうとピンハネ営業しているありさまで、労働者の基本的人権は踏みにじられているが、建設業界では、ずーと前から、ピンハネ業を暴力団が行い、人権は踏みにじられていた。建築業界では、用心棒「棒心」として暴力団を雇っていた。
山谷では、どのような無茶苦茶が行われていたかというと、また、本から引用すると、
大手ゼネコンである前田建設が請け負った葛西の下水道処理場の工事現場で労働災害が起こった。建設資材が山谷の労働者の足の上に落ち足の甲を骨折したのである。その労働者が、補償を求めて、前田建設の孫請けである最上鉄筋の現場事務所に出かけて行った。すると、「棒心」が出てきて、労働者を事務所の裏に連れ込んで袋叩きにして追い返した。ただ追い返せば労働基準監督所にかけ込まれ労災事故があったということが分かって調査の対象になるし、労災が認められれば労災保険が適用されてその後の保険料が上がってしまう。だから暴力で労災のもみ消しをしようとしたのである。
その被害者が、山谷の労働組合に助けを求めてきた。そこで組合は、会社側に団体交渉を通告し、山谷の街頭で労働者に呼び掛け、集まった50数人で現場事務所に押し掛け、大衆団交に入った。会社側はぼうしんでは対抗できないと考え、警察に助けを求めた。しかし非は明らかに会社側にあるのだから、警察も正面から出てくることができない。そこで、組合側の日雇い労働者が会社側と机を挟んで交渉する部屋の、隣の部屋に隠れて待機した。部屋は、労働者であふれていた、壁に大きなカレンダーが張ってあった。一人の労働者が壁にもたれかかったら、カレンダーがストンと落ち、大きな穴が出現した。穴の向こうに警視庁の公安の刑事が身をひそめていて、録音テープを回していた。
現場は騒然となった。その途端に、敷地の外で隠れて待機していた機動隊が事務所になだれ込んできて、現場にいたほとんどの労働者の身柄を拘束し、組合の活動家を選別して彼ら十数人を、公務執行妨害という名目で逮捕し勾留したのである。
とか、次のようなこととか。
半タコ飯場とは、いわゆる労働者派遣業だが、山谷で集めてきた労働者を飯場に雇い入れ、半監禁状態にして、3〜4週間の年季(契約期間)が明けるまで、外に出ることを許さないで働かせる。しかも、元請から出る一日1万円から1万2000円ほどの日当を、労働者には6000円〜7,000円しか払わず、ピンハネする。それだけではない。労働者は現場と飯場を往復することだけしか許されず、酒を買うのも飯場の中の「売店」で、しかもしかの1.5倍もの値段で買わされる。さらに食事・宿泊代を取られ、彼らにはわずかなカネしか残らない。雨が続いて仕事がなかったりすると、天引きされた賃金より食事・宿泊代の方が多くなって、借金まで背負わされる。年季が明けるまで賃金は支払われないため、途中で逃げ出すこともできない。当時、あちこちにそうした半タコ飯場があった。労働組合は、出かけて行って経営者と団体交渉をし、労働条件の改善を約束させるという運動に取り組んでいた。
ある時、二人の労働者がそうとは知らずに、足立区にある山村組という半タコ飯場に雇われていった。半タコ飯場だと気付いた彼らは、そこから逃げ出そうとした。飯場を出たところで、棒心に発見されて連れ戻され、来ていた服を取り上げられ、パンツ1枚にされて放り出された。この二人から相談を受けた組合は、数人の暴力団員が棒心として雇われているとの情報を得て、角材やバットを用意して深夜、飯場を吸収して食堂を占拠し、山村組の経営者を連れ出して団体交渉を行った。経営者は、飯場の労働者全員の前で自分の非を認めて謝罪し、労働条件を改めることを約束し、二人の労働者に対しては慰謝料を支払った。
これは労働争議としては大成功だったのだが、話を聞き付けた警視庁と東京地検の公安部は、飯場の経営者に被害届を出させ、二人の労働者も捕まえて虚偽の供述をさせて、監禁・恐喝事件に仕立て上げ、組合の活動家全員を逮捕し、起訴した。寝ていた飯場の経営者をたたき起して食堂に連れてきて団体交渉に応じさせたことを「監禁だ」とし、二人の労働者に一人10万円の損害賠償金を支払わせたことを「恐喝だ」としたのである。
結局、裁判所も労働者の権利など全く認めず、全員が有罪判決を受けたとのこと。労働者が労働運動をするのは、労働者に与えられた当然の権利だが、それが、警察や検察によって封じ込められていく。こうしたことが、公然と山谷では行われていた。
建築業界と暴力団と警察は、グルになって、労働者を搾取・抑圧・弾圧をおこなっていた。裁判所もグルといってもいい。
山谷という特別な地域でこのような人権侵害が行われていたが、おそらく、皆さんはご存じなかったことだろうと思う。私も初めて知った。しかし、山谷で行われてきた不当な弾圧は、私たちに対しても行われることである。いまは、そういう段階にきているように思う。
現に、デヴィ夫人は右翼の攻撃を受けたし、のり子ちゃんは、嫌がらせデモ隊の攻撃を受けた。これは、警察の有形無形のバックアップによって支えられている。
憲法に定められた国民の権利は踏みにじられている。私たちは、企業のためにあるのでもなく、官僚のためにあるのでもない。現在のような「官僚」や「企業」の使われ者みたいな政権では、私たちの人権は踏みにじられるばかり。
警察や・検察・裁判所をまともに機能させ、私たちが安心して暮らすために、次期衆院選では、必ずや自公政権を降ろし、野党政権を樹立しなくてはいけませんよね。
小沢民主党、応援してます。社民党と国民新党も応援してます。頑張ってください。
http://fujifujinovember.cocolog-nifty.com/blog/2009/04/post-c67c.html
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