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北朝鮮に対する圧力が何をもたらすのか?(週刊メールジャーナル)
http://www.asyura2.com/09/senkyo62/msg/165.html
投稿者 愛国改善党 日時 2009 年 4 月 23 日 07:13:49: gpdmClaQFBffI
 

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2009/4/22 No.480   週刊メールジャーナル  読者数11125(前回)
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●北朝鮮に対する圧力が何をもたらすのか?
(会員制経済情報誌『現代産業情報』4月15日号より転載)

北朝鮮のミサイル騒動が一段落したが、今回の騒ぎは異常である。

仰撃だ、破壊措置命令だという場当たり的な過剰反応に基づく行動が主で、そ
れにマスメディアが乗り、本来秘密のはずの仰撃システムまでテレビで報道す
る始末である。

あたかも危機感を煽ることで、国民に北朝鮮をさらに敵視させ、それに強気で
対応する政府の行動を国民に知らしめた。

まさか国の防衛、危機管理を強調することで、政府与党の支持を増やすことを
目的にしたのではないだろう。

そんな疑念を抱かせるような対応で、国際的には極めて評判が悪いようである。

しかし、日本にとって北朝鮮のミサイル問題の本質は、対北朝鮮外交の問題で
もある。

安全保障を議論し、抑止について考えるのが当然だが、国民向けの対北朝鮮強
行路線を宣伝するだけで、ビジョンがあるとは到底見えない。

何故、日本、韓国、米国は今回のミサイル発射を阻止できなかったのか。

その外交上の問題が何なのかを見据えない、まさに場当たり的な対応では、問
題が解決しない。

危険この上ない北朝鮮と日本も周辺国も付き合わざるを得ない。

日本と北朝鮮の間には拉致問題と核ミサイルがあり、植民地支配の清算や帰還
事業で、北朝鮮に渡ったままの在日朝鮮人と日本人配偶者の往来問題などが問
題として残っている。

敵視するだけの外交で成果が上がっただろうか。日本だけが制裁を強めても、
拉致被害者は還って来なかった。

とすれば、やはり中国やロシアの声も聞きながら、6カ国協議に参加する5カ
国が協調体制を徹底し、北朝鮮を包囲することしかない。

5カ国の協調体制で迫られることを、北朝鮮が最も懸念するはずで、だからこ
そ米国との2カ国協議を求めたり、6カ国協議から日本を外すなどの脅しを表
明しているわけだ。

ミサイル騒ぎの後で、新たな対北朝鮮強硬論が、自民党政治家の中で見受けら
れる。

政治行動の軽さで同僚議員からも信用されていないはずの山本一太参議院議員
らが「敵の基地を攻撃する能力を検討する研究会」を立ち上げたとされ、「日
本独自で敵基地攻撃を議論していきたい」と語っている。

かつて、閣僚が敵基地攻撃論をぶち上げて、韓国の世論が悪化、逆に韓国に新
たな日本脅威論が高まり、北朝鮮に対する日韓連携に支障が出たことを忘れて
いるのか。

酒酔いで閣僚を辞めさせられた中川昭一前財務相も、拉致やミサイル問題の解
決を「力づくでも」などと、無責任な発言を行なっている。

総選挙前になると、人気取りのために北朝鮮に対する強硬な発言を繰り返す政
治家が現れるが、何の中身も決意もない内容である。

そんな感情的な対応で問題が解決するなら、誰も苦労しない。

国際社会で核の脅威を取り除く目的が、最も重要なことで、国内向けの感情的
な外交姿勢ではなく、やはり6カ国協議で北朝鮮を取り囲む交渉姿勢が大事で、
それが拉致の解決を含めた長期的な国益なのだという基本原則に立つべきだ。

小沢民主党代表への検察介入で、一時的に麻生内閣の支持率が上昇、自民党内
の麻生降ろしの動きも静まっている。

しかし、麻生首相の軽さは遺憾ともしがたく、北朝鮮外交など困難な課題への
対応力の弱さは、与野党から指摘されている。

国益を念頭に、じっくりと内外の課題に取り組む新たな体制を、国民が願って
も、無理なことなのか。


●57兆円の追加経済対策で「官の焼け太り」を許すな!
(同前転載)


政府・与党が決定した追加経済対策は、戦後最大規模の大型予算を伴うものと
なった。

財政支出は15兆4000億円で、事業規模は56兆8000億円。

弊誌の印象を率直にいえば、「官の復権」を印象づける「バラ撒き」予算とな
った。

環境では、省エネ家電とエコカーの購入補助。医療・子育てでは、3〜5歳の
子供一人当たり3万6000円の支給と、がん検診料の支援。

公共投資と・農業では、羽田空港の滑走路延伸、3大都市環状道路の緊急整備、
農地の大規模集約化に協力した農家への助成などをあげている。

細かく幅広いものの、落ち込んだ日本経済を浮揚させる力はなく、「減税策」
の贈与税減税と中小企業の交際費の損金算入拡大は、内部留保に走る企業と個
人の気持ちを前向きにするものではない。

また、「中堅・中小企業への金融支援」については、効果はあるだろうが、資
金繰りの手助けという本来、金融機関がやるべき仕事を政府が肩代わりしてい
るに過ぎない。

さらに、直接の効果が期待できるのは「雇用支援」だが、これについては後述
するように、1兆9000億円ではとても足りない。

麻生太郎首相は、未曾有の経済危機を理由に、「国民の総力をあげた挑戦が必
要だ」とぶちあげ、大型補正を自賛した。

放置すれば20兆円以上の需要不足が生じ、失業率は7%を超えるという異常
事態の前で、民主党もマスコミも声を大きく反論できない。

しかし、効果が限定的であることは、誰にだってわかる。

インフラに投じたところで、成熟国家の日本に新たな産業が生まれるわけでも、
海外企業が進出するわけでもなく、需要を喚起するものがないから、15兆円
超の財政出動で20兆円の需要しか期待できない。

税金がそのまま、企業や個人の懐に入るだけだ。この「バラ撒き」の発想は、
官僚のものである。

「予算による救済」を業界団体や企業が「霞が関」に陳情、それを官僚がうま
くさばいて政治家の顔を立てるような施策に仕上げると、総花的な、いろんな
企業に少しだけ役立つが、大胆さも力強さも欠ける大型の「バラ撒き」予算と
なる。

結局、ここでも行なわれているのは、小泉純一郎―竹中平蔵路線を否定する
「政官業トライアングル」への先祖がえり。主導権を握るのは官僚だから、
「官の復権」である。

資金繰りに窮して政府に駆け込んだオリックスが、昨年末、旧大蔵OBをオリ
ックス信託銀行の社長に迎え入れたのは、その象徴だった。

しかし今は、官僚に主導権を握らせて「天下り」と引き換えに予算を“分配”
するような時代ではない。

国がやるべきは、資金が潤沢に行き渡るような金融支援を、金融機関を通じて
行なうことで、直接、企業に資金支援してもゾンビ企業を生み、成長へとつな
がる企業間の切磋琢磨を阻むだけだ。

そして、最も求められているのは、声をあげることのできる企業ではなく、労
働者の3分の1に達した非正規雇用者などの「声なき声」に耳を傾け、生活を
支援、安定させて、明日への希望を持たせることである。

急速に進行する二極化の中で、これからの日本を支える青年層が、職に不安を
抱え、展望を開けず、結婚もできないようでは、生存にやっとで、エコカーど
ころではない。

「努力が足りない」「気概がない」と、壮年層のサラリーマンはいうのだが、
「正社員」という既得権益を持つ彼らが、青年層を不況の防波堤に使い、それ
が日本経済を縮小、先行きを暗くしている。

雇用対策の1兆9000億円は、失業者への住宅支援、職業訓練、非正規雇用
者へのセーフティネットに使われるほか、従業員の休業手当を企業に助成する
「雇用調整助成金」となる。

最低限の生活保障だが、「自助努力」が行き過ぎた結果のホームレス急増を考
えれば、やむを得ない措置。

必要なのは、セーフティネットに加えて、安心と安定を与える経済システムの
構築だろう。

それなくして消費など及びもつかない。従来型の、企業に目配りした官僚の予
算配分では、中小零細企業と、そこからこぼれた非正規の労働者は救えない。

「失われた10年」が始まってから、バッシングされ続けて官僚は腐っていた。

それが未曾有の不況のおかげで、自分たちの存在意義があがり、「復権」をか
けて動き始めた。

だが、日本にかつての勢いはなく、低成長の中、豊かな国を目指さなくてはな
らない。

そのためには、企業が国際競争力を失わず、かつ人を人として雇用、みんなが
健全な消費者であるという社会を構築すべきであり、そこに予算を振り向ける
ことこそ、「公僕」たる官僚の役割なのである。


◆会員制(法人・個人)経済情報誌『現代産業情報』購読のご希望は、本誌が
お取次ぎします。お申し出いただければ無料で見本誌をお送りします。

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◆「包丁人の季語日記」佐藤倖三著(績文堂出版・1785円)

著者は俳句結社「扉」同人。著者は、17歳で東京・京橋の割烹で修行を始め
た。食材、盛り付け、包丁さばき……。ゲンコツ交じりの親方の指導はことわ
ざのような含蓄と口承性に富み、独立して60代半ばに達した今なお、膝を叩
かせる。「あれはそういうことだったのか」

包丁と俳句。その必然の出会いが理屈抜きに楽しい。江戸前の職人言葉のほど
の良さが心地いい。

春・夏・秋・冬、膳を彩る食材の季語、それをさばく現役包丁人の歳時記は味
わい深い。


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 週刊メールジャーナル 2009年4月22日 第480号(水曜日発行)
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    編集発行人:川崎 明 / 発行所:メールジャーナル社
  〒130-0026 東京都墨田区両国2-1-4 第2西村ビル201
ホームhttp://www.mail-journal.com/
メールadmin@mail-journal.com
転載・再配布等には事前にメールジャーナル社に許可をお取り下さい。
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