★阿修羅♪ > 政治・選挙・NHK62 > 162.html ★阿修羅♪ |
|
Tweet |
http://blog.goo.ne.jp/hosakanobuto/e/28a5a85d76b593b8221021edbd8eff3a
ソマリア信託基金と巨額の国連分担金の謎に迫る
政治 / 2009年04月21日
約1年の歳月を費やし、国連広報センター問題から出発して日本政府の国連機関への過去の支出方法について調査・研究を重ねてきた。明日は、海賊・テロ特別委員会において、その総決算となる質問を行う。そもそも、ソマリア沖の海賊はなぜ発生したのか、歴史的な経緯をひもとけば「ソマリア内戦と無政府状態となる歴史」に突き当たる。湾岸戦争後の1992年12月、日本政府は「ソマリア信託基金」に対して1億ドル(129億円)の拠出を決定し、国連及びアメリカを中心とした多国籍軍(統一タクスフォース)にいたる活動支援に動いたという記憶がある。それから、15年の歳月が流れた。2008年11月、会計検査院が自治体の「預け金」などの指摘と共に、国連信託基金に多額の「残余金」があることを指摘し、この残余金を放置し受け取ることもしない外務省の姿勢に疑問を投げかけた。実は、「ソマリア信託基金」には基金創設から10年後の2001年にも、4,371,000ドルもの残余金があり、外務省の判断で、誰も知らないところでユニセフ、国連開発計画などの機関に「振替」られたというのだ。
国庫返納が筋だろう。憲法には、「第83条〔財政処理の権限〕 国の財政を処理する権限は、国会の議決に基づいて、これを行使しなければならない」とある。出す時には大騒ぎだった湾岸戦争当時の「1億ドル」の中東湾岸基金も、昨年の12月まで469,813ドルの残余金があり、会計検査院に指摘されている。その12月、ひそかに中央緊急対応基金(CERF)に「振替」られた。国庫返納であれば、決算書に反映されるが、「振替」であれば外務省の掌の上で金が動くわけだから、国会も財政当局も会計検査院も把握することが難しい。現実に、国連に拠出された基金の残余金の行方について国会で問題にした例は、ほとんどない。
そこで、本ブログでもたびたびその不透明な体質について指摘をしている国連広報センター(UNIC東京)だが、驚くべき事実を明日の委員会で問いかける予定だ。日本の国連分担金は、2000年(平成12年)までは外務省(国)から直接に国連に支払われるのではなくて、一度は邦貨でUNIC東京の管理する銀行口座に支払われた後にドルに交換され、その後、国連に送金されていた。この理由を何度も何度も外務省に尋ねてようやく返ってきた文書回答がヒントを与えてくれた。なんと、外務省は2001年まで外国為替の運用を行って「予算の節減」につとめていたというのだ。
外務省の文書回答の一部を紹介しよう。
[引用開始]
長らく円高傾向が続いていた期間において、実勢レート払い方式は外務省予算の節約の観点からも有利な方式であった。
2.平成十三年当時の円安傾向による実勢レート払いのメリット消失
予算編成時点の支出官レートより、実際に資金を拠出する時点の実勢レートが円安方向に動いている場合、実勢レート払い方式をとれば、邦貨予算額が不足することとなる。この不足分は、予算の流用や補正予算、予備費などによって措置しなければならず、当時数年の円安傾向を受け、分担金・拠出金の支払については、ほぼ毎年恒常的に外務省予算の不足分について手当が必要という状況になっていた。
[引用終了]
プラザ合意以後、円高の時代が長く続いた。国連分担金は、支出官レートと呼ばれる政府が決めるレートで円に換算して予算編成時に決定される。その支出にあたって、為替相場の動きを見ながら「円高の有利な時期」を選んで送金手続きを行い、差益を「予算節約」に生かすいうわけだ。これは、外国為替運用(FX)を行っていたということか。「節約された予算」というのはどこへ蓄積されたのか。
こんなことがありえるのかと半信半疑で、榊原英資氏(元大蔵省財務官)に聞いた。まずは、日本政府の国連分担金が「外務省予算を節約すべく運用されていた」という事実をご存知かと聞いたら、「まったく知らなかった。国の機関で為替の変動を見ているのは、財務省のみで他にはありえないはず」と驚く。たしかに財務省国際局為替市場課資金管理室があるが、外務省に為替運用の専門家がいるとは思えない。
2001年(平成13年)に、このへんてこな送金方法は廃止された。国から国連へ、UNIC東京に通さずに直接送金されるようになった。その理由と背景も、きちんと聞いておきたいと思う。
▲このページのTOPへ HOME > 政治・選挙・NHK62掲示板
フォローアップ: