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ブログ更新をしばらくご無沙汰してます。
フリージャーナリスト魚住昭氏が書かれた、または、関わった本を3冊読んで、魚住氏が書中に紹介していた本を読むという具合で、今もまた読書中です。
読み終わったのは、官僚とメディア(魚住昭著)、国家とメディア(魚住昭著)、沈黙のファイル「瀬島龍三」とは何だったのか(共同通信社社会部/編)の3冊。
これらを読んで、第一の感想が、警察検察、司法、マスコミにずいぶんと騙されていたというか嵌められていたもんだなぁということ。大げさに報道された事件ほど、真実は別にあったりする。事件のニュースは見聞きしているが、ちょっとおかしいと思いつつも、なんとなく納得していたものが、巧妙に偽装され誘導されたものだったとわかった。
特に驚いたのが、「官僚とメディア」に書かれていた耐震強度偽装事件の真実。
この事件は、私も「きっこの日記」にかじりついて、毎日、毎日、成り行きを追っていたものだった。そして、耐震強度偽装事件は、ディベロッパーのヒューザーとゼネコンの木村建設と「黒幕」の総研(経営コンサルタント)の「悪のトライアングル」による犯行だと、この本を読むまで確信していた。それが、なんと、事実は、姉歯秀次一級建築士の単独犯だったとは、驚いたのなんのってない。
この事件のさなかに森田設計事務所代表・森田信秀(当時55歳)が、
「これだけは言っておきます。姉歯の計算書偽造は全く知りませんでした。これはヒューザーの設計三社、木村建設も同じだと思います。こんなことを知っていて、隠すばかがどこにいますか。報道により世の中が姉歯の仲間と思っていることに耐えられなくなりました。日々、姉歯の不正に対する処理に追われ、対応が追いつかず、後手、後手に回り、他の設計三者にも迷惑をかけそうです。先のことを考えるともう無理です。」
という遺書を残して消息を絶ち、2日後、鎌倉市稲村ケ崎の鎌倉海浜公園の崖下約20メートルの波打ち際で遺体が見つかった。
この遺書の内容が、この事件のすべてだったのだが、魚住氏もこの遺書の内容を初めて知ったのは、森田氏がなくなってから約1ヵ月半もたってからで、
なぜか、新聞や週刊誌で報じられたのは、この遺書の全文ではなく、後段の
「姉歯の不正に対する処理に追われ、対応が追いつかず、後手、後手に回り、他の設計三者にも迷惑をかけそうです。先のことを考えるともう無理です。」
の部分だけだったという。
なにゆえ、前段が報道されなかったのかと考えると、マスコミは自分たちの報道が森田氏を自殺に追いやったと思われる内容を報道したくなかったとか、あくまでも「悪のトライアングル」のシナリオで世論を誘導したいがためだったのか。ま、両方だったんだと思う。
事件は、能力もないのに、鉄筋を少なくしても耐震性のある大分工法をマネしてデータ改ざんをしてしまった姉歯一人が起こしたものだった。それも、とりあえず、確認に出しておいて、確認が下りる前にデータの差し替えは、普通一般的に行われているものだそうで、本式に審査されるまでにデータを差し替え、正しい?値に変更しようと思っていたものが、通ってしまったというもの。
これが、耐震偽装マンションができた真実だが、姉歯の「木村建設の要求が厳しくて」というウソがもっともらしかったというのもあり、「事実は小説よりも奇なり」と言われるように事実は複雑怪奇なはずと思いがちで、事実の方が単純な間違いだっただなんて期待外れすぎと考えたか、それはわからないけど、捜査機関とマスコミは、この事件を「悪のトライアングル」に、見えるように偽装した。
魚住氏によると、
警視庁や神奈川県警などは合同捜査本部を設置し、警察官500人を動員して大がかりな捜査体制を敷いた。この捜査を指導する立場にある東京地検も刑事部を中心に検事10人を集めて異例の捜査班(朝日新聞より)を設置した。
当局が当初描いた事件の構図も、マスコミ報道と同じく「悪のトライアングル」による組織的な詐欺事件だった。だが、関係者の会社や自宅などから押収した資料の分析や、関係者の事情聴取の結果、すべての証拠が「姉歯の個人犯罪」を指し示しているということが次第にわかってきた。
<省略>
本来なら、真相に気付いた時点で捜査本部の体制を縮小し、姉歯一人の立件で捜査を終えるべきだった。だが、東京地検や警視庁はそうしなかった。その理由はおそらく二つある。一つは「悪のトライアングル」の構図を信じ込むマスコミや世論がその結論を歓迎しないことが目に見えていたからだ。
もう一つは、いったん大がかりな人員を投入した以上、理由はどうあれ、何も成果があげられなければ、彼らの官僚としての地位や評判に傷がつこと考えたからだろう。
そこで彼らは事件の登場人物を根こそぎ逮捕する道を探った。容疑は何でもいい、とにかく事件の登場人物を逮捕して、法の裁きを受けさせればいいのだ。そうすれば、マスコミは大騒ぎするだろうし、自分たちが世論の非難を浴びることはない。うまくすれば「よくやった」と褒めてもらえるかもしれない。
ということ。
私は、世間が姉歯の単独犯で納得しないだろうというよりは、捜査当局もマスコミも「悪のトライアングル」としての大がかりな捜査や報道をしてしまったのに、単純な間違いによる事件だったのでは、した仕事が無になるし、下手すると捜査側とマスコミの人権侵害が問題とされるのではないかと恐れたからではないかと思う。自殺者も出ている。それで、捜査当局とマスコミどちらもが、見込み違いを認めず、最初考えたストーリー通りの事件に見えるように仕立て上げていったというものだったと思う。おかげさんで、私などは、この本を読むまで、「悪のトライアングル」だったと信じてましたわ。
こういう事件の仕立て方は、小沢氏の秘書氏逮捕についても同様だ。大掛かりな捜査をしてしらみつぶしに調べ上げても小沢氏に不正な事実はなかった。が、逮捕した秘書氏には何でもいいから罪状を作り、あとは、マスコミ報道により、その罪が、地検が作ったシナリオ通りに見えるように事件を偽装する。姉歯は、強度を偽装したが、警察・検察・マスコミは、事件を偽装している。小沢氏秘書の一件には、さすがに、騙されずに気付いた人が多かった。私もこの事件で検察とマスコミの異常さにハッキリと気がついた。でも、村上ファンドの村上世彰氏やライブドアのホリエモン逮捕もこれまた検察の暴走とマスコミの狂騒だったとは、この本を読むまでわからなかった。
耐震強度偽装事件は、少々古くなった事件の感があるが、すでにこのころから、実はもっともっと前からだけどね、地検や警察の捜査とマスコミのありようは、事実や真実を追求することではなく、見込み違いを認めず、別件逮捕をして、別件でありながら見込み通りの事件のようにマスコミ報道で偽装して国民を騙すことになっていた。
こんな人を捕えるための捜査やマスコミ報道が行われることに、国民は納得するものなのだろうか?納得するどころか、これは、恐ろしいことですよ。逮捕するほどでもないことで逮捕され拘留される人の人権は一体どうなるのだろう?不当逮捕・起訴を正当化しようとする検察やマスコミの報道こそが、重罪じゃないだろうか。
事件の登場人物になっただけで、逮捕され犯罪者にされてしまうとは、恐ろしすぎる。
検察・警察・マスコミは、真実を追求しようとしていないどころか、事件を偽装する組織だった。
建築物構造専門家によれば、補強工事で済むものを、国交省は倒壊の危険ありとして立ち退き命令を出したので、耐震偽装被害住民は、国交省役人の不手際による被害も受けるというおまけも付いてきた。国交省の役人は、最初に、イーホームズの藤田社長が、姉歯によるデータ改ざんを通報した時、当事者間の問題としてまともに耳を貸さなかったというから、公僕でありながら国民の方を向いて仕事をしていないことが明らかになっている。さて、彼らは、何やってんですかね?
結局、ヒューザーの小嶋社長や木村建設の幹部やイーホームズの藤田社長は、道義的責任はあるにしても、事件にまったく加担していなくて、姉歯の被害者であるにもかかわらず、それぞれ取るに足りない別件で逮捕され、刑事罰を食らうことになった。そして、マスコミが、「耐震偽装事件」での立件だったかのように偽装報道をした。
このような恣意的な捜査が行われ、マスコミが補完するような状態で、犯罪らしい犯罪をしていなくても犯罪者にされてしまうような状態だが、裁判員制度が、もうすぐ始まろうとしている。取調室の可視化も行われず、証拠も弁護士に提示しないというし、これは国家とメディアを読んで知ったことだが、なんと判事が検事となり検事が判事となる判検交流をしていて、司法と検察が仲間となっているなんてこともあり、被告人にとって、こうした状況は裁判になる前に犯罪が確定しているというものではないだろうか。そして、マスコミが犯人としての世論作りをする。無罪推定は、絵に描いた餅となっている。
しろうとの裁判員が、こうした状況を喝破してまともな判断が下せるなんてことはあり得ない。洗脳されるまま結論へと導かれるだけだろう。
官僚とメディアをお勧めします。国家とメディア、沈黙のファイル「瀬島龍三」とは何だったのかも機会があればぜひお読みください。この国のありようがよくわかります。
最高裁の裁判員制度のタウンミーティングが、サクラを雇ってやらせで行われた事件の真相については、次回に譲ることにします。
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http://fujifujinovember.cocolog-nifty.com/blog/2009/04/post-3348.html
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