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http://www.iwate-np.co.jp/ronsetu/y2009/m04/r0420.htm
秒読みの裁判員制度 国民の不安は積み残し
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裁判員制度スタートまで、残り一カ月に迫った。五月二十一日以降に起訴された殺人などの重大事件を対象に、公判前整理手続きを経て、裁判員による最初の裁判は七月下旬から八月上旬ごろとみられている。
最高検は先ごろ、実際の裁判や模擬裁判などの傍聴者を対象としたモニター調査の結果を発表した。三人に一人に当たる33%が「参加したい」と積極姿勢を示し「あまり参加したくない」という「消極参加」が40%。「参加したくない」という「積極拒否」は11%だった。
昨年初めに、最高裁が全国的に行った意識調査では「積極派」が16%。「積極拒否」は38%だった。最高検の調査は、傍聴に足を運ぶ人が対象だから、裁判に多少とも関心がある層だろう。二つの調査は手法が異なるため単純比較できないこともあり、少なくとも今回の結果をもって「意識の高まり」と評価するのは無理がある。
県内はどうか。盛岡市内の法律家からは「模擬裁判の経験者を含めて、積極的な意見は聞かれない」との声が漏れてくる。昨年の最高裁の調査で、本県分のデータをみると「参加したい」は全国平均並みの4・3%だが「義務でも参加したくない」は約7ポイント高い44・3%。総じて大都市圏では参加意向が高く、地方は低い傾向がある中でも、特に北海道・東北の「積極参加」の低さが目立った。
裁判員となる場合の不安を尋ねる選択式の設問では、特に「判決で被告人の運命が決まるため責任を重く感じる」との項目が、北海道から北東北三県の地裁管轄の大半で80%を超え、他の地方に比べ高さが際立つ。
これは理屈で解消できる不安ではない。参加意向が地方で低い要因は、関係機関の取り組みの濃淡ではなく、県民性に根差す部分が大きいのではないか。だとすれば制度の周知には、より周到な手続きが必要だが、実態は逆だ。
裁判員制度は二〇〇四年五月、三カ月ほどの国会審議を経て成立した。今年五月の施行が決まったのは昨年四月。政府は、直前に発表された最高裁の意識調査で「参加したい」「参加してもよい」「義務ならやむを得ない」との回答の合計が60%を上回ったことを根拠にした。
今月に入ってやっと開催された衆参の法務委員会による裁判員制度の集中審議では、裁判員に罰則付きで課される守秘義務の解除を求める意見が出た。森英介法相は制度見直しに関し「広く国民の声をうかがう機関を設けて検討したい」との意向。今、これでは、制度の設計に「周到さ」を欠く印象が強くなる。
委員会の外では、自民、民主など超党派の議員らによる「裁判員制度を問い直す議員連盟」が結成された。「制度には問題が多く、いったん凍結すべき」と主張する。
国会は、この段階。今まで何をしてきたのか。制度開始を目前に、これで不安がるなと言う方が無理だろう。
遠藤泉(2009.4.20)
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