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http://www.news.janjan.jp/government/0904/0904161686/1.php
告発された森田健作知事 苦しい釈明の中身
さとうしゅういち2009/04/17
千葉県の市民団体が15日、森田健作・千葉県知事が自民党の支部長を務めていながら「無所属」を名乗り、外国系企業から寄付を受け取ったのは、公職選挙法違反と政治資金規正法にあたるとして千葉地方検察庁に告発した。翌16日、定例記者会見の中で釈明した森田知事の表情は硬く、原稿を棒読みしていた。その会見の中身を検証する。
自民党の支部長であるのにもかかわらず当選する目的を持って「完全無所属」を名乗り、また、外資系のドン・キホーテから980万円の献金を受け取った森田健作知事。4月15日、800名以上の市民から「公選法違反」及び「政治資金規正法」違反の容疑で千葉地検に告発されました。
■慣れない為?ちょっと硬い記者会見
これに対して翌16日、森田知事は定例記者会見の中で釈明をされています。
千葉県インターネット放送局
(写真1)原稿に目を落としながら慎重に会見する森田知事。
この記者会見では、アクアライン通行料金引き下げについて勢い良く発表。「中央にものを言う」森田知事の目玉公約ですが、高速道路料無料化を民主党が掲げ、麻生政府も「1000円乗り放題」を実施する中で比較的、実現しやすい無難な話題をもってきた観があります。
その後は、しかし、防災対策、雇用対策、基本的には原稿棒読みで、無難にこなそうとしている感じがしました。「高等技術専門校」→「高等技術専門学校」は読み間違えですが・・・。
ほとんど、顔を上げることがなく、表情が硬いのはご愛嬌でしょうか・・・。
■硬い表情で「刑事罰に触れることはない」
その後、疑惑に対して、釈明をしました。12:50頃から用意した原稿に従い、コメントを述べました。
「告発状の内容を精査した上で、適切に対処したい。」と月並みなコメントでスタート。
その上で、『公選法違反』疑惑について、「公選法にのっとって適正な運動をしており、刑事罰にあたらない。党籍証明をもらっていないから、無所属で立候補届けをしなければならない。無所属といっても、違法ではない」
「事務所には、自民党支部を解散するように指示した。政党の支援を得ないようにした。支部は、選挙が終わったら解散するつもり。事務的な事が終わり、後は監査を受けるだけ」などと従来の主張を繰り返しました。
献金問題については、「政治資金については、適切に処理をするように指示している。なんら刑事罰に触れるようなことはしていない。寄付金は返還した」と釈明しました。
しかし、疑惑についての質疑応答中の知事は、心なしか、やや表情は険しく、目をそらせているように見えました。
■「政策を自分で考えた」から「完全無所属」
さらに、森田知事は、『完全無所属』については、「わたしは、政策は、自分が考えるから(完全無所属)だ。ある候補者は政党とすり合わせ、政党の支持を得ていた。わたしの場合は、何党であろうが、わたしに共鳴してくれる人は応援してもらえば言いというスタンスだからだ」と民主党推薦候補を念頭に、違いを強調しました。
これに対して、「無所属に『完全』とつけてしまったために、誤解した有権者も多いのでは?」という指摘が出されましたが、知事は、「これから支部を解散するから、『完全無所属』でいいんだ」とも強弁されました。
森田知事は、このように、「政策を自分で考えた」から、『完全無所属』といいますが、自民党もそもそもは、「自分党」といわれるほど、多様な集団です。たとえば、加藤紘一さんと小泉純一郎さんなどは思想的にはかなり離れています。ですから、「自分で考えた」は、「完全無所属」の証拠にはならないのではないでしょうか?
後で述べるように、森田さん自身も、自民党衆議院議員時代から、羽田−成田間リニアを「独自」に提言してきているではありませんか?
問題は、自民党の議員たちが、政策ではなく、利権構造にぶら下がることを重視してきた、という点にあるでしょう。
■知事選再出馬決意後も自民支部長
だが、そもそも、この会見の中で知事は、4年前の知事選挙で堂本暁子・前知事に敗れた後すぐに「4年後もう一度出るつもりだった」とおっしゃっています(動画では、19分過ぎくらいから)。
そして、「その4年間」ずっと、自民党支部長として活動し、そこでかき集めた献金を自分の政治団体にまわしてきたわけです。
そのことについては、「浪人している人にも支部を与えられただけ。党勢拡大をがんばれ、ということで自民党の支部を与えられたと思う」「支部の金は知事選には使っていない」と繰り返しました。
だが、大体、支部解散手続きは面倒であるかもしれない。だが、選挙直前でいいから、離党してしまえば自民党と関係なくなるから支部解散の手続きも関係なくなるじゃないの?どうして、離党しなかったの?と突っ込みたくなりました。
結局、「自民党支部」といっても、実は、森田さん個人に帰属する性質のものだったということが本人によって、再度証明されたともいえますが・・・。そうなると、党支部は、単なるダミー団体で、小沢さんの秘書よりもじつは悪質かもしれないじゃないか、と画面の向こうの知事に突っ込みを入れたくなりました。
そこまで、きちんと知事は考えてなくて、「出たとこ勝負」で、「落選しても戻るところを確保しておこう」と思ったのかもしれません。実際「党支部の解散を指示したのは選挙が終わってから」ともおっしゃってますから。
■リニア問題では饒舌
一方で、リニア問題になると、饒舌になっているのも印象的です。「夢と希望をくださいよ」とお辞儀をしたのが印象的です。
いまさらながらですが、知事は、東京4区の衆院議員でした。羽田空港が選挙区でした。そのときからの持論がリニアだったそうです。 妙に納得してしまいました。
■自民県連会議に出席、それでも「完全無所属」?
さて、釈明をされた森田知事。本当に「完全無所属」になっているか、疑問を持たせるような情報もあります。
【熱血知事ダイアリー】テリー伊藤氏のラジオ番組出演 2009.4.14 産経ニュース
【午前】千葉県の森田健作知事は9時に登庁。9時半から県議会の各会派代表者会議で副知事、教育長人事について内示。自民党県連役員会出席。11時から自民党議員総会に出席後、ラジオ放送出演で東京都内へ。
森田知事を「熱血知事」と持ち上げ、わざわざ、細かく伝える産経新聞もどうかとは思います。しかし、ともかく自民党の県連の役員会、そして議員総会に出席しています。
『完全無所属』なら、このようなことをされるのか?あるいは、公平性を保つため、民主党や公明党、共産党など、他政党の会議にも出席したほうがよい、ということになりませんか?
■「完全無所属」の覚悟はあるのか?
そもそも、完全無所属とはどういうことか?それに近い実例は、広島市長の秋葉忠利さんだと思います。
秋葉さんも、1999年の市長選の直前まで、社民党衆院議員を務めていました。森田知事同様政党所属だったのです。だが、選挙前には離党しています。
その後はずっとカンパとボランティアだけで選挙をまかなっています。
市政運営でも、いままで人事が保守系の有力議員だけで、歓楽街の料亭で決めていた(いわゆる流川人事といって、市民周知の事実)ものを改めさせたりしたため、自民党市議らの反発で、人事案件が否決されたりしました。
広島市 議会多数派の市長いびり 2005/06/17
一方で、いわゆる革新系の間でも、秋葉さんへの不満を持つ人もいます。実際、2007年市長選では、社会党元大物国会議員らが、秋葉さんへの「刺客」を擁立しています。
しかし、これらは秋葉さんが、どの政党とも距離を置く姿勢を保っているから当然です。それでも、大阪府などに先駆けて、国直轄事業負担金を削減するなどの成果を上げています。
「国直轄事業負担金」廃止運動 大阪府知事より広島市長が先 2009/02/22
「無党派」とか、「完全無所属」とは、それくらい、覚悟がいるものです。時として孤独なものです。当選後に、自民党県連の会議に出るなどという態度で「完全無所属」が貫けるのでしょうか?「これから支部を解散するから完全無所属」という森田知事。甘くはありませんよ。そうした困難もあることも見込んで、千葉県民はあなたを100万を超える得票で支持したのでしょうから・・・。
■党籍証明は自分で出せた
また、党籍証明書を森田知事はもらっていないといっています。しかし、そもそも、選管への立候補届出の記載要領では、党籍証明書は、「所属する支部長」=森田知事ご自身が発行するものでよいのです(麻生総裁や県連会長でなくて良い)。
実際、兵庫県の宝塚市長選では、ある候補者が自民党県連から推薦は受けていませんが、新聞のインタビューに対しても自民党員であることを強調し、「自民党宝塚市支部長」をポスターに表示しています。(写真2)
(写真2)
森田知事が、自分で党籍証明書を出せる立場にありながら、「完全無所属」を「政党推薦」と対置させて「争点化」したことに疑問を持たざるを得ません。
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