★阿修羅♪ > 政治・選挙・NHK61 > 664.html ★阿修羅♪ |
|
Tweet |
25年ほど前、イラン・イラク戦争のさなかのことだ。紛争がエスカレートして、ペルシャ湾を航行するタンカーへの攻撃が相次いだ。日本の海運会社が運行する船も被害を受けたが、その際に旧運輸省と日本船主協会がとった対応が船に日章旗を掲げることだった。
日本外交は当時、イラン・イラク両国と「等距離」。日本が軍事行動に参加することはあり得ず、従って、日本の船であることが分かれば攻撃は受けないと考えられた。実際、攻撃された船は日本人が乗り組んでいても、船籍を外国に置き日本に関連することを示すものは何もないことが多かった。
日本人の船員が汗だくになりながら、甲板に大きな日の丸を描いていた映像は今も記憶に残っている。
時代は移り、自衛隊は活動範囲を海外に広げた。テロとの戦いを理由にイラクへ派遣され、海上自衛隊の護衛艦が東アフリカ・ソマリア沖で、海賊相手に商船やタンカーの護衛任務に就いている。だが、その活動を支える基盤は脆弱。日本の領海を侵犯した工作船などを取り締まることを想定した海上警備行動に基づく派遣はいかにも間に合わせだ。
衆院は14日、武器使用基準の緩和などを盛り込んだ海賊対処法案の審議にようやく入った。日の丸が盾になった時代は既に遠い。政局にかまけずに、安保新時代にふさわしい骨太な論戦を聞かせてほしい。【前田浩智】
「毎日新聞」4/15 朝刊より
▲このページのTOPへ HOME > 政治・選挙・NHK61掲示板
フォローアップ: