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2009/3/18 No.475 週刊メールジャーナル 読者数11322(前回)
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●あまりにも政治的過ぎると断罪される特捜検察!
(会員制経済情報誌『現代産業情報』3月15日号より転載)
自民党・金丸元副総裁の秘蔵っ子として、その金権手法も体質も受け継いだと
される小沢民主党代表が、いつの日か何らかの制裁を受けるであろうというこ
とは、ある意味で政界関係者にとっては常識でもあった。
しかし、今回の秘書逮捕から始まった政治資金規正法違反事件の捜査は、かな
り唐突なものがある。
まず何故、即逮捕なのか。
西松建設をめぐっては、二階経産大臣など自民党議員から元官僚、知事までも
が、疑惑を指摘されている。
小沢代表だけがこの時期にターゲットにされたのは何故なのか。
そして、ゼネコンと政治家のカネの問題は、西松建設だけでなく、鹿島を始め
とするゼネコン各社共通のものといえよう。
また、東北地区だけの問題なのか。既に、九州地区での大物議員の身内の動き
も噂されている。
それらの状況の中で、地検特捜部は当面のターゲットとした小沢代表関連を、
積極的なマスコミへのリークで情報展開させている。元秘書の議員まで参考人
聴取をリーク、小沢代表の怒りを買った。
ここまでくると、政治資金規正法違反事件以上に、特別な案件で、小沢氏の身
柄を取れるような事件をデッチ上げないと厳しいのではなかろうか。
いくら二階経産大臣などへの事情聴取などで一応のバランスを取ろうとしても、
世論は納得しない。
結局、官僚主導のこの国を変えようという世論と、今の自民党政治をどう打破
しようかという流れを、「法務検察が止めようとしている」という疑いは、な
かなか解消できるものではない。
数十年の間、特捜検察は政治家も含めて、各種の犯罪を捜査立件してきた。
しかし、今回の捜査手法は、それこそロッキード事件やリクルート事件以来の
衝撃をこの国にもたらした。
繰り返し指摘するが、政権交代を結果的に阻止する出来事になるかも知れない
とすれば、政府与党や法務大臣が「不偏不党、何らやましい意図はない。法に
基づいて捜査をしている」と弁明しても、無理がある。
政界への検察の介入は、いつも独自にはやれなかった。
法務検察も所詮、権力機構の中の一員であり、常に情報が内閣に上がっており、
捜査のタイミングなどでは、当然に法務大臣や官邸の意向に逆らえるはずがな
い。
かつての鈴木宗男――佐藤優ラインへの特捜検察の介入も、極めて政治的意図
の強いものだった。
加藤紘一元幹事長・官房長官の秘書の脱税疑惑も、ライバルと目された自民党
政治家と、次官になれなかった大蔵官僚が仕組んだ情報が発端だとされている。
現在の小沢代表への集中的な疑惑報道を上回るテレビ、新聞の狂乱ぶりだった。
それこそ、「東北地区の公共工事は、全部加藤事務所が仕切っている」「ゼネ
コンから地元業者まで、佐藤三郎秘書の顔色を窺い、資金提供を行なっている」
など、果ては贈収賄疑惑まで強調するマスコミ関係者までいた。
結果的に佐藤三郎秘書の脱税問題が起訴され有罪になったが、加藤紘一氏は政
治資金規正法にも、税金問題でも無実とされた。
もちろん議員辞職でその後復活したわけだが、特捜検察のマスコミ操作の怪し
さは、何度も立証されている。
一度捜査を始めると、極めて政治的な動きをするのだ。
新聞など報道各社も、その醜さを承知していながら、他社との競争や社会部記
者の独善で、法務検察の意図を察知、特捜検察の正義を世論に反映させていく。
しかし、この手法はそろそろ古いのではなかろうか。
特捜検察が政治的に動き、ターゲットを一人に絞って、その政治生命を奪おう
としても、ほとんど同一の業界企業が、他の議員にも同様な行為をしていたと
いう情報が出たら、いくら金額の問題を取り上げても、説得力がない。
現実に、特捜検察が察知できないだけで、二階経産大臣への西松建設からの献
金は、巨額なものだという。
今後の捜査の展開次第だが、特捜検察といえども百戦連勝など出来るはずもな
く、経験主義だけで独善的な捜査手法に安住していると、それこそ政治的過ぎ
る後進国の司法とあまり違わなくなったと、批判の対象になる可能性がある。
もちろん、古くからの金権体質を引き継ぎ、巨額の資金形成を指摘されてきた
小沢代表が、政治家としての資質を問題にされるのは致し方あるまい。
しかし、それで今回の検察の捜査手法が是認されることにはならない。
●小沢秘書逮捕で政権交代阻止の検察と霞が関復権の因果関係
(同前転載)
なぜこの時期に――。
東京地検特捜部による小沢一郎民主党代表の公設第一秘書逮捕は、政界に激震
を走らせると同時に、誰もがこの疑問を解消できないでいる。
株価の底値は見えず、日本は未曾有の不況にあえぎ、失業者は日々増加、大企
業の社員ですら「明るい未来」をイメージできないでいる。
麻生太郎政権には何の期待も抱けないにせよ、非常時には国が企業と国民を救
うしかなく、事実、政府も日銀も資金繰り支援に駆け回っている。
その最中、政権交代があれば間違いなく首相になる小沢代表の秘書を逮捕した。
検察の思惑は、さまざまに語られたが、結局、決定的な理由は見つからず、政
治資金規正法違反事件の時効、裁判員制度の導入に注文をつける小沢民主党へ
の苛立ち、「青年将校」と言われる吉田正喜副部長の頑張り、3月末の検察人
事異動など、さまざまな要素が重なり、この時期の捜査着手となったという見
方しかできない。
捜査は小沢代表にとどまらず、二階俊博経済産業大臣に飛び火、自民党まで巻
き込んだことで、捜査の指揮を執る佐久間達哉特捜部長のKYぶりが指摘され
た。
国家の非常時を意識しない、「空気の読めない特捜部長」というわけである。
だが、東大法学部卒の赤レンガ派。同窓の先輩である樋渡利秋検事総長に期待
され、捜査現場派のトップといっていい岩村修二東京地検検事正もその能力を
高く評価するという佐久間特捜部長が、「KY」であるはずはない。
逆に、空気が読める人だから「小沢捜査」となった。
政界や産業界、そして国民からすると「KY」だが、佐久間特捜部長は検察と
霞が関の総意を読み込んだのである。
その表情にも政治手法にも暗さを感じさせる小沢代表は、田中角栄、金丸信の
「衣鉢を継ぐ者」として検察に認識される、土建癒着のカネまみれの政治家で
ある。
法務・検察の首脳にあるのは、次の思いだった。
いくら言い訳しようと、政治資金を自分名義の不動産にかえてしまう男が、日
本のトップに立っていいわけがない――。
加えて、「政治主導」で痛めつけられた霞が関は、昨年からの経済危機で完全
に復活、疲弊した日本を「官僚主義」で立て直そうとしている。
政府系金融機関の旗を降ろした日本政策投資銀行を、財務省が「危機対応機関」
として自在に操っているのがいい例で、今後、そうした傾向はますます強くな
る。
その際、長くパートナーを組んだ自民党なら「阿吽の呼吸」で伝わるものが、
建前二世や頭でっかちの弁護士出身が多い民主党の場合、そうはいかない。
マスコミと結託してスタンドプレーに走り、政権担当能力のなかった旧社会党
ほどでもないが、結党以来、ほとんどを野党として過ごした民主党にとって、
霞が関は叩きまくって国民的喝采を浴びる道具でしかなかった。
法務・検察にとってもそうで、裁判員制度の導入にあたって取調室の「可視化」
を主張、全ての録画録音を要求、制度を後退させようとする民主党は、おもし
ろくない存在である。
そのトップにいるのが、検察が「好ましくない政治家」の筆頭と考えていた小
沢一郎。
検事総長はじめとする首脳が、直接、指示を出したとは考え難いが、佐久間―
吉田ラインの現場から決済を求められた時、政局となることを恐れず、「霞が
関の論理」でゴーサインを出したことは、十分に考えられる。
忘れられがちだが、検察は法務省と一体となった霞が関の行政官庁である。
「政」と「官」を秤にかければ「官」を取る。
「鈴木宗男事件」は、煩わしくなってきた外務省が鈴木代議士を見捨て、「宗
男憎し」の感情を持つ検察と一体化したことで、大きく展開した。
加藤紘一代議士秘書の「佐藤三郎事件」は、財務省有力OBと国税トップが、
「反加藤」で結託したことが佐藤脱税事件のきっかけとなり、それを検察が後
押しした。
霞が関の結託は、かくも強固。
その“特殊性”を理解しなければ、検察に民主党政権を阻止する思惑があった
という、今回の事件の本質は見えてこない。
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