★阿修羅♪ > 政治・選挙・NHK60 > 805.html ★阿修羅♪ |
|
Tweet |
http://mainichi.jp/select/opinion/kaneko/news/20090326dde012070025000c.html
早い話が:外国人にも不思議=金子秀敏
小沢一郎民主党代表の公設秘書が政治資金規正法違反で起訴された。総選挙が近いというこの時期だけに、国策捜査ではないかと疑う人がいる。
反対に「政治資金規正法違反事件などで終わるはずがない、本筋は贈収賄事件だ」という検察への期待もあったが、結局、規正法違反だけだった。こちらは空振りだ。
捜査が不自然だと思うのは日本人だけではない。米国の政治学者、ジェラルド・カーティス氏が朝日新聞紙上で「検察には説明責任がある」と意見を展開している(3月12日朝刊)。
「数カ月以内には総選挙が行われ、政権交代が取りざたされている。その微妙な時期に『政治資金規正法違反』という形式犯で、次期首相になる可能性がある人物の公設秘書をいきなり逮捕するとは、極めて異例である」と問題提起した。国民が納得する大義を示さないと国民は国家権力に不信を深める。そのほうが問題だという。
しばらくして元特捜検事の堀田力氏が「検察に説明責任はない」と反論を投書した(3月20日朝日新聞朝刊)。2人の議論はかみ合っていない。
カーティス氏は「総選挙を前に」した特殊な政治状況を前提にして、検察の動きを批判した。この点に100行の文章のうち約46行を費やした。「形式犯である」という点は2行だけだ。
一方の堀田氏は80行余りの文章のうち、捜査時期についての説明は11行。「選挙期間中などよほど特別な事情がない限り、端緒が得られれば進めるべきだ」と割り切る。一方、政治資金規正法違反事件が「悪質というほかない」という詳細な論証に約45行を割いた。
分量で一目瞭然(りょうぜん)だろう。カーティス氏の議論は政治論であり、堀田氏の反論は法律論。法律論だから「なぜ捜査がいまなのか、なぜ総選挙の直後まで延ばせないのか」という素朴な疑問に対する答えにはなっていない。時と場所と場合というTPOの説明が欠けている。
日本国の主権者は国民である。その国民が直接主権を行使する重大な行為が総選挙である。国の土台を作る大事な手続きであり、選挙の公正な実施に悪影響の出るあらゆる雑音は避けなければならない。それが民主主義の憲法の精神というものだ。
カーティス氏が「形式犯にすぎない」と言ったのは、総選挙の公正な実施という憲法の要請と比べれば政治資金規正法違反事件を摘発する緊急性は低いということだろう。(専門編集委員)
毎日新聞 2009年3月26日 東京夕刊
▲このページのTOPへ HOME > 政治・選挙・NHK60掲示板
フォローアップ: