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裁判員制度の実施が迫っているが、衆議院法務委員会での「集中審議」が進まない。昨年の12月の与党(自民党国会対策委員会)側の「推進決議と集中審議はセットである」という暴論のごり押しで審議を潰したことで味をしめているのか、あと2か月を切っているのに、またまた「決議」を持ち出して非論理的なサボタージュをしている。「自民党には捜査は及ばない」と副官房長官が断言するぐらいの蜜月ぶりを保っている法務省と与党の共通の利益は、「この時点でいたずらな議論を始めて混乱をさせないでくれ」と実施目前における国会での議論を忌避するという態度だ。短い質問時間を使って、3月17日の法務委員会で質問した会議録が掲載されていたので、ここに転載することにする。 [3月17日衆議院法務委員会 会議録] ○保坂委員 社民党の保坂展人です。 裁判官が大変激務であるということで、定員を、枠をふやしていくということについては、もっともっと積極的に進めていくべきであるというふうに考えていますが、私、この十年近くにわたって、裁判官と検察官の給与、俸給、いわゆる待遇が、いわゆる各省の事務次官以上の待遇の方が多過ぎるんじゃないかということを指摘してまいりました。 そこで、現在、何人おられるのか。裁判所と法務省からお願いします。 ○稲田政府参考人 お答え申し上げます。 本年一月一日現在の数字でございますが、事務次官と同額あるいはそれ以上の俸給を受けている検察官は、検事総長、次長検事及び検事長の認証官が十名おりますが、それを含めまして六十六名となっております。 ○大谷最高裁判所長官代理者 裁判所の数字は平成二十年十二月一日現在ということになりますが、最高裁の裁判官十五人、高裁の長官八人のほか、百九十五人でございます。 ○保坂委員 事務次官のレベルというのは最高のレベルという理解ですが、それを上回る方がこれだけいるという必要は私はないと思いますし、見直しを求めたいということをこれまでも言ってきましたけれども、改めて大臣、どうですか。 ○森国務大臣 私は、裁判官あるいは準司法と言われるような検察というのはやはりそれなりに尊重されてしかるべきだと思いますので、必ずしもこれが不当だというふうには思っておりません。 ○保坂委員 事務次官レベルでいいじゃないですか。事務次官と同額か、同額は同じですけれども、上回る方もいるということは指摘しておきたいと思います。 ※ここから裁判員制度に入る 実は、裁判員制度をめぐる議論が非常に不足しておりまして、先ほども古本さんの質問にもちょっとありましたけれども、辞退をされている方が新聞報道によると約七万人いらっしゃる、こういうことなんですけれども、そもそも二十九万五千三十六人の方に調査票を送られているということなんですが、そもそもこの調査票に対して回答してきた人というのは何人ぐらいいらっしゃるのかというのはわかりますか。何%かも。 ○小川最高裁判所長官代理者 お答え申し上げます。 回答された方の総数が十二万四千九百十一人で、名簿全体の四二・三%でございます。 ○保坂委員 つまり、四割ちょっとの方が回答されてきたということですね。 そこで、新聞記事や最高裁の資料を見て考えたんですが、辞退の方のかなり多くが七十歳を超えた方、あるいは学生であるとか、こういう方は辞退したいと言えば自動的に辞退できますよという定型的なというんですか、そういう辞退理由者であるということだと思うんです。 そこで、質問は、では、調査票を送り返してこなかった残る六割の方の中に、例えば今言った七十歳以上の、あるいは学生、そういう方たちがいらっしゃるんじゃないか。つまりは、七十歳以上の方で、私はできない、あるいはやれるとお答えを返してきた人が約四割の中に含まれているんでしょうけれども、残っている六割の中で、返答がない方、その中でどうでしょうか。 ○小川最高裁判所長官代理者 お答え申し上げます。 委員御指摘のように、調査票の回答を返送していただけなかった方の中に、七十歳以上の方でありますとか学生の方は恐らくおられると思っております。 ○保坂委員 裁判員制度の辞退理由については、この法務委員会でも、例えば私は死刑についてはやめるべきだ、こういう主張ですけれども、国民の間でも、死刑について必要だという意見が世論調査をすると多いんですが、しかし、自分が裁判員制度でその判断を数日でやるというのはとても重圧である、無理だ、あるいは自分はとても勘弁してほしいという声はあるんですね。 したがって、この最高裁の発表された回答状況の理由をもう一度確認しますけれども、欠格事由の方が三百九十一人、就職禁止事由の方が千四百八十八人、残り、定型的辞退理由の方が七万二百五十一人、あて先不明、この方が二千七百五十三人で、とりあえず先ほどの七万人余りの辞退という数字になっているんですけれども、残っている二十二万人の中で、七十歳以上の方もいる、そして私が今言った、むしろ、みずからの考え方、あるいは信条、あるいは宗教上の理由で、自分はとてもやりたくない、こういう人も含まれているんじゃないかと思うんですね。 ですから、そのところの見通しはどうなんですか。二十二万人の中で、当然、具体的に裁判員裁判の期日が指定されてきたら、さらに相当減っていくのではないかと思いますけれども、いかがですか。 ○小川最高裁判所長官代理者 お答え申し上げます。 七十歳以上の方は、恐らく全有権者の二〇%ぐらいだったかなと思っておりますので、その割合でいいますと、あと、ある程度の方々は当然この中に含まれておられますが、ただ、その方々が皆さん辞退を申し立てられるというわけではございませんので、ぜひやりたいという方も当然おられますので。 それから、それ以外の方、今おっしゃった、自分の気持ちだとか、いろいろな精神的な面から辞退をしたいという方もおられると思います。それは今後、個別の選任手続の中で、あるいは質問票で、できるだけ前倒しでお尋ねしようと思っていますけれども、そういう方もおられると思いますが、ただ、なかなかその見通しが、何人かということを今申し上げるというのはなかなか難しいようには思っております。 ○保坂委員 この裁判員制度、私は、もっと吟味して、延期してはどうかと実は思っているんですが、全体としては五月スタートということで動いている。 先ほども少し触れましたけれども、死刑の問題と、もう一つ、これは余り知られていないんですが、一昨年のこの法務委員会で、当時の小津刑事局長と何回か議論しているんですけれども、最高裁判所が、不公平な裁判をするおそれに関する質問のイメージというのを、裁判員の候補者に対する、これは検察官の要求があった場合に、こんなふうに聞くんですかということを例示しているわけですね。あなたは、特に警察の捜査を信用できるかという、すべからくそうですか、あるいはすべからく信用できませんかという設問。死刑についてはかなり踏み込んでいるんですね。あらゆる法定刑を選択できるかと聞いた後で、今回の事件の裁判で証拠によってどんな事実が明らかになったとしても、絶対に死刑を選択しないとあなたは決めているんですか、こういうふうに聞いてくるということで、私はかなり思想、信条に踏み込む設問だと思っています。 そこで、質問は、虚偽陳述の禁止というのが裁判員法上の罰則でついているということは、私は重大だと思っています。ところが、この罰則も、三十万円の過料と五十万円の罰金という二つが立てられている。これはぜひケース・バイ・ケースと言わないでほしいんですが、どうして三十万円の過料と五十万円の罰金というふうに分けられているのか、その趣旨は何なのか、どういう場合に過料でどういう場合に罰金なのか、明快に説明をしていただきたいと思います。 ○大野政府参考人 裁判員候補者が裁判員選任手続において虚偽陳述をした場合の制裁に罰金と過料の二つが設けられている、その点についてのお尋ねでありました。 いずれも、そうした制裁を科する目的といいますのは、裁判員等の選任の適正を図るためであるという点では共通しているわけであります。 その中で、過料の方でありますけれども、裁判員候補者に課された義務の履行を担保するための、いわば秩序罰としての間接強制手段というように理解されております。当該の裁判所がそうした罰を科することになります。 これに対しまして罰金の方でありますけれども、これは虚偽陳述を犯罪ととらえるわけでありますが、義務違反の行為がなされた結果、裁判員等の選任が適正になされず、裁判の公正が著しく損なわれるおそれがあるということから、その行為の悪質性に着目して刑事罰を科するわけでありまして、したがいまして、これは起訴の手続を踏むことになるわけであります。 では、なぜこの二つの手続が別個にあるのかということでありますけれども、それは、それぞれの趣旨を踏まえて判断されることになると思いますけれども、質問手続の継続中に虚偽の陳述であることが明らかな陳述がなされて、正しい陳述を求めるために過料を科すというようなことも考慮されると思います。 にもかかわらず、その虚偽の陳述を維持し、それが悪質であると考えられ、後日裁判所から告発があったというような場合には、罰金刑を科することも考慮されるというように考えております。罰金と過料、それぞれ、それが適用される場面はやや違うわけでありますけれども、これを併科する、両方その手続をとることは妨げられないというように考えております。 なお、裁判員選任手続におきます正当な理由のない陳述の拒否につきましては、罰金は科し得ない、過料のみが科されるという点を申し添えます。 ○保坂委員 丁寧に御説明いただきましたが、私ども社民党のヒアリングでこの点を裁判所に聞いたところ、要するに客観的な事実に反することを言ったかどうかというのが一つのメルクマールだというのが法務省の見解なんです。 それでは、今、裁判員面接で、死刑について、本当はどんどんやれという立場だけれども、裁判員をやりたくないので、私、死刑、絶対しませんと言おうじゃないかというようなことを言う人がいたり、あるいは逆に、死刑について反対だけれども、そのことを明確に言ってしまうと、裁判員として専断的忌避、検察側の忌避に遭うのでこれを言わない、あるいは十分には言わないというのは、心の中のことであって、客観的な事実というのはなかなか言い得ないと思うんですが、この辺、裁判所はどう考えますか。 ○小川最高裁判所長官代理者 お答え申し上げます。 委員今御指摘のように、確かに今のお話のとおり、内心の話でございますね。ですから、それは果たして虚偽なのかどうなのかというのを個別の裁判体がどのように判断するかというのは、それは非常に難しいようなふうには思っておりますけれども……。 ○保坂委員 裁判所に続けて伺いますが、これは、立法当時は裁判員制度というフレームをつくったわけですね。中身は法曹三者でいろいろ詰めてこられた。それで、裁判所の映画とかあるいは法務省の映画とか、大体出ているものは見せていただきましたけれども、大体、この評議は、主に検察側の有罪の立証が果たされているかどうかの事実認定から入って、有罪か無罪かというのをまずは議論をする。それで、有罪だ、無罪だと分かれるわけですね。 そのとき、例えば死刑というふうに多くの人が傾いている、凶悪な事件だ、死刑ということもあり得るなというような事件で、裁判員の方が、これはやっていないな、あるいは、相当検察側の立証は無理がある、自分は有罪とは絶対思えないと強い信念で思ったとしますね。そういう主張をしたとする。これは無罪ですよ、疑わしきは被告人の利益にということでしょうと言ったとします。しかし、多数決の評決では有罪というふうになってしまった。 そうしたら、次に、では量刑ですね、どうしましょうかという議論に入るわけですね。いや、無罪だと言っているんだから、量刑はありませんよ、無罪は釈放でしょう、こういう話になる。その人は、次の量刑の評議、評決に加わっていくということになっているんですね。これはちょっとおかしいんじゃないかと。私はもうそれは加われません、辞任します、認められるのか。あるいは、いろいろ議論して、もうとても耐えられない、自分はそこに加わらない、その部屋から出ていってしまう、どう対応しますか。 ○小川最高裁判所長官代理者 お答え申し上げます。 委員御指摘のような事態が生じるかどうか、抽象的な場合もあるかもしれません。まだわかりませんけれども、そういう場合に、裁判員法の六条一項三号というのは、刑の量定につきましては裁判官及び裁判員の合議によるという旨が規定されておりまして、また、裁判員法の六十六条二項は、裁判員は、評議に出席し、意見を述べなければならないというような規定になっております。 したがって、委員御指摘のような場合が仮にあったとしまして、その場合も、裁判員法により、そういう裁判員の方にも量刑についての評議に出席して意見を述べていただくということになると思います。 ○保坂委員 最後にちょっと大臣に伺いますが、今の点、これは裁判員制度についていろいろな議論がある中で、議論がまだ余り及んでいない点だと思うんですね。つまり、世の中には職業裁判官の裁判でも誤判というのがあって、したがって、再審開始事件もあって、死刑についても、戦後四件の死刑囚が長期の勾留の後に再審無罪で釈放されているということもありました。職業裁判官でも、死刑でもし冤罪だったらと、これは非常に苦悩するところだと思います。 国民からくじで選ばれた方が、いろいろなタイプの方がいますから、みんなに、大体多数意見に合わせていこうという人が多いかもしれませんが、中には、この人は違うと思うという心証を持って、この人はやっていないというふうに、自分はいろいろ総合して判断するといって、強力に評議で無罪を主張するということはあり得るわけですよ。そういう意味で、自由に意見を出してもらうということが裁判員制度なんです。その意見を出した後、多数決で有罪になった、そうしたら、その人は、死刑かどうかという話に意見を出さなきゃいけないんですね。これは矛盾していると思いませんか。 そして、今の最高裁の説明では、死刑かどうかの評議に加わって量刑の判断を出して、そして、その後、死刑になったかもしれない。その後、記者会見するんですよ、報道機関の求めによって。嫌な人はしなくてもいいですけれども。そのときに、私はやっていないと思うので無罪だというふうに言ったけれども皆さんのお声は違っていたと言えば、これはまた守秘義務違反で刑事罰の対象になるということじゃないですか。 だから、そういう意味では、この人はやっていないと思ったけれども全体で死刑と決めてしまったときに、猿ぐつわをはめて生涯生きなきゃいけない。大変な苦痛です。その点についてどう思いますか。 ○森国務大臣 裁判官と裁判員で慎重に評議をしていただくことになるわけですけれども、最終的には多数決でありますから、その結果でもって判決がなされると思います。 ○保坂委員 だって、無罪だと言う人にどうやって量刑を判断しろというんですか。自分は無罪だと思っているのに、量刑、あなた、どうですかと言われて、いや、自分はそれは加われませんというのが人情じゃないですか。無罪だと言うのに刑を決めろと言われているんですよ。何で拒否できないんですか。それだけ答弁を。 ○森国務大臣 先ほど申し上げたとおりです。 ○保坂委員 いや、大臣はそれでいいと思っていらっしゃるんですか。無罪だと思った人も、全体が有罪だと決めたら、では、その中で軽い方の刑を主張すればいいんですか、その裁判員は。それが合理的なんですか、この法の精神なんですか。 ○大野政府参考人 評議、評決の方法につきましては、裁判所法、裁判員法に規定がありまして、今委員が言われたような形で、ある段階での自分の意見が全体の意見と異なった場合には、次のレベルに進む際には、評議で整理されたその議論を前提に議論していただくということになっているというように承知しております。 ○保坂委員 ですから、私は、ぎりぎり譲って、死刑についてはもう全員一致でやったらどうかというふうに思うんですよ。つまり、全員一致であれば、ぎりぎりまで、その人が無罪というふうに言っても、全体の議論の中で、これはもうわかったということで判断するわけですから。そうしたら、こういうことは起こらないわけですけれども。 多数決なので、無罪だというふうにはっきり思っている人も量刑をやれと言われる、これはおかしいと思います。集中審議を委員長に求めて、終わります。 |
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