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「小沢一郎の真価が問われている」他 (天木直人のブログ)
http://www.asyura2.com/09/senkyo60/msg/477.html
投稿者 クマのプーさん 日時 2009 年 3 月 19 日 19:57:06: twUjz/PjYItws
 

http://www.amakiblog.com/archives/2009/03/19/#001371

2009年03月19日
「小沢一郎の真価が問われている」他


放置されている不正診療請求 
3月15日メルマガ第0104号要旨


  私のところへ最近寄せられたメールのなかで、「医師による診療報酬の不正請求が行なわれているのでそれを取り上げて欲しい」というものがあった。そのメールが具体的に指摘していたのは、架空の患者名を使って医療費を不正要求している医師がいるというものであった。
  そんな不正が行なわれているのだろうか。そう思っていたら、3月14日の朝日新聞の特集記事を読んで驚いた。そこには、診療報酬の不正請求を監査するはずの医療Gメン制度が十分機能していないという事が書かれていた。
  その記事によればこうだ。病院や診療所による不正請求の疑いについて情報が寄せられると、医療Gメンと呼ばれる指導医療官が調査に動き出す。これは1981年に設けられた制度で、政府によって各都道府県にある厚生局の事務所に指導医療官が配置される事になっている。しかし現実は十分に機能していない。
  その理由の一つは、医療Gメンになるには医師か歯科医の資格が必要であるが、医療Gメンの収入は通常の医師の収入より低くなるので、なり手がいないという。いまだに17の都道府県で医療Gメンが不在であるという。
  もう一つの理由は、医療仲間がGメンになるわけだから、追及が徹底しない、どうしても手心を加えてしまうという事だ。医療のボスが悪事をしていても、下っ端医師にそれが追及できないのは世の常だ。
  これでは不正請求が放置される事になるのは当たり前だ。おそらく、様々な形の不正請求が行なわれているに違いない。不正請求の横行を厚生労働省が知らないはずはない。本気で取り締まろうという気がない違いない。
  そう思っていたら3月15日の読売新聞が一面トップで農水省が組織的に「ヤミ専従」を隠していたとスクープしていた。ヤミ専従とは公務員が給与をもらいながら勤務時間中に組合活動をすることである。農水省は組合側に調査をする日付を教えて、無許可で組合活動をする職員がゼロになるまで調査を繰り返していた、という。政府と組合が結託した「ヤミ専従隠し」である。この世は犯罪隠しで溢れている。しかもそれが官僚と関係者の間の組織的共犯となっている場合が多い。それが世の常だ、と高をくくって放置していいのか。割りを食うのは、何の組織も、つながりもない、孤立無援の多くの国民だ。この世の中の無数の弱者たちだ。彼らこそ最大の犠牲者だ。彼らの立場に立って彼らを救う事こそ正義であり、政治の究極の目標であるべきだ。

 

沖縄密約を公表すると発言した岡田民主党副代表の衝撃度 
3月16日メルマガ第0106号要旨


 3月15日の各紙はいずれも一段の小さな記事でしか報道しなかったが、沖縄密約を公表すると言った岡田民主党副代表の発言は、今後の政局を左右する極めて衝撃的な発言である。
 戦後の日米関係は密約だらけで築かれてきた。その一つである沖縄密約の正体が明らかにされるという事は、そこを突破口として日米関係のウソがすべて明らかにされる可能性が出てくるという事である。それを自覚した上での岡田発言であればこれは小沢民主党を岡田が引き継ぐという宣言である。これまでの日本の権力構造を変える、と宣言したのだ。
究極の政権交代宣言である。果たして小沢と岡田は話し合いが成立しているのだろうか。岡田は小沢民主党を引き継いでいくのだろうか。民主党はそれで一致団結できるのだろうか。もしそうであれば不利と見えた小沢秘書逮捕事件の逆風を、民主党は一気に覆す事ができる。これが小沢・岡田の「密約」であれば、究極の「密約」となる。 

 

ユダヤ系人権団体に噛みつかれた田原総一朗 
3月17日メルマガ第0107号要旨


 一般のメディアには一切報じられていないが、田原総一朗がユダヤ系人権団体である「サイモン・ウィーゼンタール・センター」から噛みつかれていたことを知った。この事を3月12日の日刊ゲンダイが報じていた。3月8日放送のテレビ朝日「サンデー
プロジェクト」で、田原総一朗はゲストの田中真紀子相手に次のように語った。
 「田中(角栄)さんも結局ユダヤにやられた。お父さんもやられたように、小沢さんもやられた」
 この発言に対して、間髪を入れずユダヤ系人権団体サイモン・ウイーゼンタール・センターが噛みついたのだ。「ユダヤとアメリカの共謀など実在しない。報道番組を通じて、日本人に誤った認識を持たせる田原総一朗の発言は、断固として容認できない」、「テレビ朝日はこのバカげた発言を直ちに取り消し、田原総一朗とともに公式に謝罪する義務がある」などと、翌日9日付のホームページで糾弾の声明文を掲げている。それどころか、その間違った説明に反論しなかった田中真紀子まで批判している。徹底した批判、追及ぶりだ。
 我々は真実を知らなければならない。どちらが正しいのか。田原総一朗氏とテレビ朝日には、この機会に日本人にイスラエルという国について真剣に考えるきっかけを提供してもらいたい。正面から抗議を受けとめ正しく対応してもらいたい。イスラエル批判をこれ以上タブーにさせてはいけない。
 シオニストを自称する友人の佐藤優に頼み込んで、この問題にフタをしようとすることだけは、田原総一朗はしてはいけない。

  
 
日本テレビ誤報事件が提示したもう一つの問題 
3月18日メルマガ第0108号要旨


 日本テレビの報道番組「真相報道バンキシャ!」の誤報問題は、ついに日テレ社長の引責辞任にまで発展した。
 メディアの流す情報に頼らざるを得ない一般国民にとっては、誤報や、ましてや捏造、やらせ、情報操作などは、あってはならないことだ。だからこの誤報も、いくら厳しく批判されても仕方がない。
 しかし、3月18日の東京新聞のコラム「大波小波」に述べられていた「テレビと格差」という、次のコメントについては考えさせられた。
 「テレビ局はテレビ番組を作る会社だと多くの人は思っているかもしれないが、実際のところほとんどのテレビ番組は、下請けの番組制作会社が作っている。テレビ局が自ら作る数少ない番組も、(それをつくるスタッフは)半分以上は年収が圧倒的に低い制作会社からの派遣社員などで占められている。つまり日本のテレビ番組の制作現場は、格差構造を前提に維持されてきた・・・さらにここ数年、広告収入の低下を理由にテレビ番組制作費は大幅に削減されている・・・そんな(低い)予算ではできないと断ればいいと思われるかもしれない。ところが発注元であるテレビ局の権限があまりにも強いこの業界では、制作会社が制作を断るなどまずありえない・・・」
 ここで指摘されている事はテレビ業界に限らないに違いない。弱者と強者、経営者と雇用人、組織と個人、悪と善、この普遍的な葛藤が、経済不況と格差社会の進展によって、否応無しに加速されているのが今の日本ではないのか。
 湯浅誠が、その著書「反貧困」の中で指摘している、いわゆる「タメ」のない社会に日本は突入しようとしているのだ。人々が弱くなると、正義心も弱くなる、権力への抵抗心がなくなる、周囲の者への配慮を忘れていってしまう。そんな日本を皆の力で食い止めなければならない。いがみ合っている場合ではない。

 

小沢一郎の真価が問われている 
3月19日メルマガ第0109号 全文


 3月24日に大久保秘書の拘留期限が終わり起訴される。それにともなって小沢一郎は民主党代表を辞任する。これはもはや与野党関係者やメディアの暗黙の了解である。私もそう思う。
 問題はその後の政局の帰趨である。これについては誰も分からない。だから3月24日を境に小沢報道は再び大きく動き出す。マンネリになった小沢報道が、あらたな展開を見せ始める。そうなる前に、小沢事件の本質について、私の考えをあらためてここで強調しておきたい。
 小沢事件については、この事件が起きた3月3日のメルマガ「緊急メッセージ、小沢民党代表に告ぐ」以来、私は何度も書いてきた。警告を発信してきた。その小沢代表に対する私のメッセージも今回のメルマガでとりあえず終わりにしようと思う。だから少し長くなるが、読者には我慢をお願いしたい。
 なぜ私が今度の小沢事件にこれほどまでに強い関心と危惧の念を持つのか。それは一言で言えば今度の事件の結末いかんによっては、「この国の権力構造が変わるかも知れない」という期待が打ち砕かれてしまうと思うからだ。このまま「小沢民主党」が敗北することは、長く暗い日本が続く事になる。決してそうさせてはならない、と強く思うからだ。
 戦後一貫して続いてきたこの国の権力構造を変えることは容易ではない。それは大袈裟に言えば日本国民がはじめて経験する民主革命とも呼べる一大事件である。だから、小沢一郎でもそれを行なう事は容易ではない。それよりもなによりも、そもそも小沢一郎なる政治家がそれを意図しているか、それに値する政治家であるか、という疑念がある。
 しかし、私を含め、この国の権力構造を一度根本的に変えてみたい、そうすることしか日本の将来はない、と考えている国民側からみれば、今の政治家でそれができるのは小沢一郎しかいないのだ。
 自民党旧田中派の中枢にいた小沢一郎がカネに綺麗な政治家であるなどと思う国民はいない。権力志向の小沢一郎が本気になって弱者のための政治を行なおうとしているのかは不明だ。対米従属を批判する一方で日米同盟重視を繰り返す小沢一郎の安保・外交政策はあまりにも矛盾に満ちている。ついこの間まで大連立を画策しようとしていた小沢一郎が、この国の権力構造を変えようとしているかどうかは疑わしい。
 このようなあらゆる疑問や、不透明さを承知した上で、それでもこの国の権力構造を変える事のできる政治家は小沢一郎しかいない、そして小沢一郎は今となっては自らを変えたのではないか、変えざるをえないのではないか、国民のためにこの国の権力構造を主客逆転させようとする覚悟を決めたのではないか。そういう前提で私は議論を進めている。
 私がかぎかっこ付きで「小沢民主党」と呼び続けるのは、そのような小沢の衣鉢を継ぐ民主党であると意味である。すなわち「この国の権力構造を本気で変える覚悟を持った政治家の集まりである民主党」という意味である。
 繰り返して言う。小沢一郎でもこの国の権力構造を変えられる保証はない。しかし小沢なき民主党では、たとえ政権交代が実現しても、この国の権力構造を変える事は100%無理なのだ。勿論日本共産党や社民党ではこの国の権力構造を変える事などはじめから出来はしない。
 だからこそ、今度の事件を起した者たちの最大の目的は、小沢排除であったのだ。小沢一郎の政治生命を奪ってしまえば、後は政権交代が起きようが、政界再編が行なわれようが、誰がこの国の指導者になろうが、そんな事はどうでもいいことなのだ。この国の権力構造は微動だにしないのである。
「小沢民主党」が変えようとする権力構造とは何か。それは自公政権とそれを支える官僚組織、警察、検察、マスコミ、財界、そしてその権力構造に満足している国民である。その背後には日本を自らの国益の為に使えるだけ使おうとする米国がある。
 今度の事件の背景に米国の影響があったかどうかは私にはわからない。たとえあったとしても証拠をつかまれるようなドジな真似をもはや今の日米関係者が犯すはずはない。米国にとって重要な事は日本国民にそのような疑いを抱かせる存在であり続ければいいだけなのだ。
 3月24日に代表辞任に追い込まれる事が必至の小沢一郎は、これからの一週間をどう行動すればいいのか。これがこのメルマガの核心部分である。願わくばこれが小沢一郎の耳に入る事を願う。そして小沢一郎がその考えに賛同する事を期待する。
 「小沢民主党」が反転攻勢できる唯一の道は、相手が想像できないほどの大胆な行動を見せるということだ。
 それはまず、小沢自身が、自らを捨てても国民を守るという覚悟を固めることである。それは民主党代表を潔く捨てるという事だけにとどまらない。これをきっかけに政治家を辞めるということだ。若い世代に日本を託すと宣言することだ。こうする事によって小泉とか麻生とか森とか青木とかといった政治家はもとより、安倍晋三や中川昭一なども道ずれにできる。
 その覚悟を持って民主党を「小沢民主党」で固めることだ。菅、鳩山、輿石はもとより岡田、野田、前原、仙石などを集めて、自らの覚悟を披露し、岡田党首の下で「小沢民主党」による政権交代を目指すという事を取りつけておくことだ。それを3月24日までに済ませておく事だ。これは小沢院政を敷く事ではない。政治を引退する小沢の置き土産である。小沢の遺志なのだ。
 できれば主要マニフェストについて纏め上げ、3月24日にそれを公表することだ。それに欠かせないのが官僚支配の打破である。徹底した公務員改革である。今日の報道でも見られるように自公政権では公務員改革はできない。小泉改革の信奉者である渡辺喜美では公務員改革はできない。「小沢民主党」のみが真の公務員制度改革ができるのだ。そして公務員制度改革は待ったなしだ。これが出来なければ日本の将来はない。国民もそう思っている。
 あらゆる企業、組織からの政治献金禁止もこの際断固としてマニフェストに掲げるのだ。「企業献金まみれの小沢がいまさら何を」という批判がある。その批判を正面から受けて立つのだ。一番多く献金を受けていた自分だからそうするのだ。その弊害を一番強く反省するからこそそれを誰よりも強く打ち出すのだ。180度考えを改めたのだ、自分は変わったのだ、文句があるか。反論できるか、と堂々と言えばいいのだ。
 小沢一郎の命運は一人小沢一郎の命運だけではない。政権政党の議員になりたいと願う民主党議員の命運がかかっているだけでもない。その命運は、これまでの日本の権力構造の属さない、それゆえにそれら権力構造の埒外に置かれて来た、善良で、弱い、多くの日本国民の命運でもあるのだ。
 小沢事件の見所は、その自覚を小沢一郎が24日までに持てるかどうかにかかっている。

  


 

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