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社説
海自ソマリアへ なし崩しの武器使用避けよ
2009年3月15日
自衛隊が戦後初めて、海外で武器使用に踏み切る可能性が出てきた。しかも、自衛隊法に基づく海上警備行動が、その根拠となっている。浜田靖一防衛相も認めるように「応急措置」にすぎない。
「戦争の放棄」「戦力の不保持」「交戦権の否認」を明記する憲法9条に照らしても、重大な疑義がある。国会論議も経ないまま、見切り発車的な自衛隊の海外派遣は、容認できない。拙速というべきだ。
14日午後、ソマリア沖海賊対策のため、海上自衛隊の護衛艦2隻が広島県呉市の呉港から出港した。2週間ほどで現場海域に到着し、4月上旬ごろには日本関連船の護衛を開始する予定だ。
海上警備行動の発令と同時に政府は海賊対処法案を閣議決定、国会に提出した。成立後、海上警備行動から同法に基づく活動に切り替える方針だ。新法が成立すればソマリア沖に限らず、海賊対策の名目でどこへでも自衛隊の派遣が可能になる。なし崩し的な海外派遣の危険性をはらむことになる。
さらに問題なのは、新法では武器の使用基準をかなり緩和していることだ。海上警備行動では「正当防衛」や「緊急避難」に限って武器の使用が認められている。ところが、新法ではそれに加え、警告射撃してもなお民間船に接近してくる海賊船には「停船させるために他の手段がない」場合には船体射撃を認めている。
憲法9条では「武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する」と定めている。政府は「海賊は犯罪であり、国や国に準ずる勢力でもないため、海外での武力行使を禁ずる憲法問題が生じる余地はない」との立場だ。しかし、「海賊が国に準ずる勢力ではないと100パーセント言い切れるわけではない」(防衛省幹部)との指摘もあり、政府も一枚岩ではない。
そもそも海上警備行動は領海侵犯を想定しており、さらに専守防衛の理念からも今回の海自派遣は問題含みと言える。何より、海賊対策以外でも武器使用を拡大する突破口になりかねない、との疑念は消えない。
国際社会の一員として、日本が何らかの海賊対策を講ずることは当然のことだ。ただ、武力行使だけがその解決法ではない。内戦状態の続くソマリアへの外交、経済支援も視野に入れるべきだ。国会での徹底した審議を強く求めたい。
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