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<09.03.13>『通信録』09年3月―検察庁特捜部の動き、その政治的に意味するもの<三上 治>
<みかみおさむ:社会運動家・評論家>
「樹静かならんと欲すれども風止まず」。小沢一郎の政治献金疑惑で民主党に向けられた風向きを民主党の幹部連はこんな風に思っているのであろうか。マスコミの連日の報道とそれに反応するや他の野党の発言などが風といっていいのである。この事件は政治献金をめぐる疑惑が契機であるが、事件化には背後の政治的契機があると推察されている。マスコミは検察などのリークする情報を主にして献金疑惑を主要に流し、別の政治的契機があるのではと推察することには沈黙している。もちろん、政権与党にある部分もそうである。検察のリークする情報を主要に流すことは政治戦略である。
背後にある別の政治的契機とは小沢一郎および民主党に対するアメリカの意図ということが言われている。自民党や与党の意向ということが指摘されている。さらには官僚の総意であると取沙汰もされている。これらは具体的な証拠があるわけではない。想像を通して語られるに過ぎない。だが、僕らは想像によってしか現実(政治的なものの生成)に近づけないところがあるのだし、この想像は案外と正確のところを突いてもいることを経験的に知っている。
僕はこの中で今回の政治的契機に官僚の総意があると推察されている点を言及してみたい。これは検察が官僚の意思を汲み取ったということであり、小沢一郎の民主党政権の樹立に対して何を脅威に感じているかということである。民主党が官僚主導の日本の政治の改革に着手しようとしていることは疑いない。
これは官僚―政府―議会の関係において、議会をより重要視しようという動きであり、{議院内閣制}により近づけようという動きである。それがどこまで可能か、どのくらいの時間がかかるかはともかくとして、小沢民主党にその志向があることは確かである。日本の政治、あるいは権力のありかたにとってこれは重要なことであり、官僚たちには脅威に映っている事は間違いない。日本では政党政治は腐敗している(特に金と利権をめぐって)という批判は戦前から強く、この不信と官僚の政治力の強さは表裏の関係にあった。政党政治が信頼を得ることは、{議院内閣制}が本来の姿(議会が政治の主体)になることであり、官僚にとっては脅威である。政策遂行集団としての官僚の機能は重要であるが、そのためには根本的な是正が必要だ。民主党の政治戦略にはその志向性がある。この点こそが検察も含めた官僚にとっては脅威であるのだと思う。
(2009年3月13日)
「内外知性の眼」に、三上治氏の「政治と金の問題についての断章」(2009年3月5日)」を掲載しています(青字部分をクリックすると飛びます)――編集部。
〈記事出典コード〉サイトちきゅう座 http://www.chikyuza.net/
〔comment488b:090313〕
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