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ウソニュース 鳩山邦夫総理大臣誕生
麻生政権が総辞職した後を受けて、鳩山邦夫氏が自民党総裁に就任しました。かんぽの宿の疑惑追求で名をあげた功績を見て、小泉元総理が推薦し、大多数の自民党国会議員や地方票の大部分が鳩山邦夫氏を押したためです。
今後、大連立を目指すとされ、鳩山由紀夫民主党幹事長と会談し、邦夫首相、由紀夫財務大臣という割り振りも巷で噂になっています。
民主党代表の小沢氏は今回の大連立に反対の意向を持っていると伝えられていますが、以前、自ら大連立を模索したこともあり、表立って反対の意思表示はしないものと見られています。
かんぽの宿疑惑については、「日本郵政から提出された資料があまりにも膨大なため、その分析に時間がかかるということでもう少し時間を頂きたい。必ず、不正を暴いて見せます。」と邦夫総裁は言っています。
景気浮揚対策として、政府紙幣の発行を視野に入れ、150兆円規模の発行を目指したいとしています。これは、米国債を約100兆円買い入れる必要性があり、大幅な資金不足が起るためです。また、定額給付金も、一人当たり15万円、65歳以上と18歳以下に付いては更に5万円追加し、総額25兆円を支出するとしています。民主党は、あまりにも額が大きいため、議論が必要だとしていますが、国民新党は既に賛成を表明しています。
(*やがて、一年が経ち、、、)
2010年3月の新聞紙面には「われらが英雄鳩山邦夫万歳」と言うタイトルが踊っています。果敢な積極経済政策のため、民間の需要が喚起され、世界でも米国についで二番目にデフレを脱却。医療・福祉面ではまだその効果が及んできていませんが、以前の高度成長期を凌ぐ年率15%のインフレになっています。そのため、赤字国債の発行利率が20%を越えていますが、やがて税収が改善され、プライマリーバランスが取れるようになると、由紀夫大臣は説明しています。なお、2011年度には国・地方を合わせた借金は2300兆円になりますが、政府紙幣をその分発行するので、心配はないとしています。食料品の値上がりが続き、首都圏では連日米よこせデモが起きていますが、価格統制をし、政府米を供出して救済したいとしています。
(*また一年が経ち、、、)
公務員給与及び年金は国債券で支払うと言うことが邦夫総理の指示で閣議決定されました。共産党などの一部野党の抵抗が予想されますが、政府与党はこの政策を実行するしかないと言っています。マスコミ各社は、ニュース画面にはめ込む「鳩山邦夫総理大臣ばんざい」というテーマを全社共通のものにするかどうかの調整に入っています。今年で就任3年目に入った鳩山邦夫総理は、続発するテロに対し、警察及び自衛隊の増員を指示し、幹部にはトヨタカムリを支給すると言っています。都市部での食料不足が地方にも波及し、1日に一食の市民が4割を超えていますが、「鳩山邦夫大臣のおかげで世界で最も豊かな暮らしが出来ている」と誰もが言っています。
ウソニュース(続1) 鳩山邦夫総理大臣、北朝鮮に対して、拉致家族奪還のための奇襲計画を強行
2015年、中曽根内閣、小泉内閣を凌ぐ長期政権になった鳩山内閣は、拉致家族奪還のための北朝鮮奇襲計画を強行した。1機約400億円でアメリカから導入したF22を使っての奇襲計画だった。ステルス性能が優れていて、北朝鮮内部への侵入は容易と見られていたが、なんと、地上からの赤外線追尾ロケットに撃墜されてしまったのである。軍事評論家は、F22は、日本用に性能が落とされたモンキーモデルであるため、敵地への侵入に向いていなかったのだと指摘しています。それに対し、空自幹部は「F22の主要コンポーネントがアメリカからの輸入時に既にブラックボックス化されていて、基本的な操作そのものが、日本の自衛隊ではできない状況であることが原因だ。北朝鮮への侵入などの対外作戦は米軍に頼むのが筋だ。自衛隊は日本の防衛が任務であり、対外作戦は任務ではない。」と主張しています。
新聞赤旗が、鳩山邦夫総理の決断が間違っていたと主張していますが、主要マスコミは、より一層の強攻策を求めていて、市民の街頭アンケートでも、「北朝鮮の開放を日本の手でやるべきだ」と言う意見が大勢を占めています。
そう言った世論を受けて、鳩山邦夫総理は、「拉致家族奪回もできないようでは、日本は独立国家ではない。本格的な軍隊を持つか、または、米軍にきちんと守ってもらえるように、日本とアメリカの対等合併を考えるべきだ」とする談話を発表しました。
官邸では、拉致家族奪還選挙を実施するかの検討に入っています。森内閣時代の低支持率を逆手に取り「自民党をぶっ壊せ」のスローガンの元いっぺんに自民党総裁に登りつめ、続く郵政選挙では「郵政改革こそ改革の本丸」とし、正に「抵抗勢力を駆逐」した小泉元総理が選挙対策本部長に就任し、「金正日は人類の敵、北朝鮮の人々に自由を」と言う選挙キャンペーンを採用することを決定しました。
鳩山邦夫総理は、由紀夫総務大臣に、テレビのニュース画面に組み込む政府広告にその文句を入れること指示しました。
ウソニュース(続2) 鳩山邦夫総理大臣退陣
拉致家族奪還選挙で大勝し、引き続き政権に留まると予想されていた鳩山邦夫氏が総理の座を降りることを表明しました。「十分に国のために働いた。これで日本は自前の軍隊が持てるようになった。今後は趣味の蝶蒐集に専念したい。」とのことです。それに伴い兄の由紀夫氏も政治から身を引くことが公表されています。関係筋によると一家でスイスへ移住を検討しているとのことです。
NHKから改称された日本人民放送、及び、一局に統一された民間テレビ局の大日本放送は、次期自民党総裁候補として、数人の名をあげていますが、皆40歳前で、非常にフレッシュな顔ぶれになる模様です。
民主党を始めとした野党も歴史的な敗北を喫した責任をとるということで、代表及びその経験者がこぞって政界引退を表明しています。
日本の平均年齢は、既に50歳を越えていて、65歳以上人口が8割を超える市町村が7割を占めています。そのような中、政界が率先して世代交代をすることに、世界中のマスコミの注目が集まっています。アメリカの放送局は日本の国会中継を取り上げ、約半数の議員が居眠りをし、議案を理解している議員は一割もいないので、世代交代は当然のことだと指摘しています。
ウソニュース(続3) その後
CNNからお伝えします。日本で大地震が起った模様です。1923年に起った関東大震災の再来と見られ、東京を始めとした首都圏が壊滅的な被害を被っている模様です。地震に強いと言われていた高層ビルの8割が低層部から中層部で折れたり崩れたりしている模様です。地下鉄網も寸断され、線路が一メートル以上ずれた個所があるとの報道がされています。主要国道で自動車事故からの引火火災が発生していて、高速道路も地上の国道も火の海になっています。路端に放置された車にどんどん引火していて人々は煙と炎の中を逃げ惑っています。
ジェフ・ブッシュ大統領は、緊急の対策が必要だと述べ、国防省に指示を出しました。国防省は、核爆弾による原子力発電所の破壊の有効性を検討しています。今回の地震で首都圏にある浜岡原子力発電所が事故を起こしたことが衛星写真で明らかになっています。日本政府はそのことを公表していませんが、今後、浜岡原発が大規模な放射能漏れを起こすはずだと言うのが国防省関係者の一致した見方です。浜岡が壊れれば、その後、プルトニウムが環境に漏れつづけ、地球環境に壊滅的な影響を与えるとの見方です。また、日本各地で原発反対闘争が起り、約50基ある原発全てが今後運転不能になるとの見通しもされています。そのため、米軍は、日本国内の全ての原発を超小型原子力爆弾により破壊して、ウランがプルトニウムへ変化することを阻止する必要があるとしています。
今後数日以内に爆撃の必要があるとのことで、日本政府に早急に伝え、優良なる日本人民の避難を助けるため、大統領専用機を成田空港へ派遣する見込みです。なお、大統領専用機は20人から30人が搭乗できるものです。
日本への債務250兆円は、今回の原発処理費用に当てることで日本の政府首脳との合意が取れたと関係筋が発表しました。
ウソニュース(続4) その後のその後
2023年、沖縄は独立を宣言した。3年前の米軍による原発爆撃により日本本土はほとんど居住不可能になり、沖縄及びその周辺の島は、唯一残った国土であったが、対米追従政策は間違いであったとの世論が高まり、旧日本政府関係者を除外する意味でも沖縄独立が望ましいと判断した結果である。
関東大震災直後に本土から避難してきた数万人を含め、人口は143万人あまり。エストニア、トリニダード・トバゴ、ガボンなどとほぼ同じ規模である。
新憲法は、旧日本国憲法と同じく象徴天皇制を採用。明仁天皇が退位し、徳仁親王が今上天皇になることが決まっている。 女系天皇の容認も明記される。
国会は、上院及び下院の二院制でそれぞれ30人の議員からなるとされる。大統領及び首相を置き、大統領は国民の直接選挙で選ばれる。首相は国会で議員の中で選任される。大統領は主に対外関係を、首相は国内政治を担当する。
税制は、第2次大戦後のシャウプ勧告を踏襲し、富裕税を設け、高率の相続税や有価証券譲渡益税がされている。一般消費税は廃止。
医療及び教育の無料化が促進され、高校教育までの無料化、琉球大学の学費の無料化が定められている。
裁判官及び地方教育委員会の選挙での選任が定められ、4年毎の再任が出来る。そのため、地方議会、裁判官・教育委員の選挙、上院、下院の選挙が毎年実施されることになった。選挙は、一律2週間とされ、毎日テレビ中継の公開討論会と地元でのインターネット中継付き公開討論会で行われる。選挙ポスターは廃止。街頭演説は手持ちのスピーカーのみが許可されている。供託金はないが得票率が5%に満たない候補者には一年間に渡り毎日3時間のボランティア活動が義務付けられる。
警察の捜査記録は公開閲覧が可能で、各市町村の議会へ閲覧請求をし、認められることが必要。
国旗はデイゴにアダンの実を配したもの。国家は「夕焼け小焼け」が選定された。
美しい海に昇る朝日と夕日の素晴らしい光景に、これが本当の豊かさだと多くの市民が納得をしている。
ウソニュース(続5) 再生への序章
2024年、アメリカの大統領選挙で事件が起った。民主党大統領候補が党の指名受諾演説で、急に、「今までの政治は間違っていた。私は第3党のグリーンパーティの大統領候補に協力したい。」と述べたのだ。
ジェフ・ブッシュ大統領のもと、アメリカは、それまで好景気を極めていた。ハンバーガーショップの店員も、「シティコープの株を1万株売って、10万ドル儲けたよ。今度はCNNとフォックステレビの株を買うんだ。」と言うような自慢話に明け暮れていた。
ただ、問題は、テロが頻発し、モラルが廃頽していることだった。高校中退率が4割を超え、英字新聞を読めない市民が5割を超えていた。一つには、移民が毎年10万の単位で増えてきたことがあった。 しかし、より深刻なのは、いわゆるエリートであるはずの白人・アングロサクソン・プロテスタントの人たちに精神的な荒廃が目立ってきたことだった。離婚率は7割を超え、以前は黒人少女の問題であった若年妊娠が白人少女にも広まっていた。街中で白人の少年がメキシコ出身の男を銃で撃ち殺すのを通行人は平気で無視して通り過ぎていた。
以前は盛んだったキリスト教会の活動も全く行われなくなって、放棄された教会の建物に麻薬の売人が住んでいた。それでもアメリカ経済が維持されていたのは、一つにはアジア系の優秀な技術者がIT、医療、軍事などの面で技術革新を続けていたからだった。また、インターネット、ハイビジョンテレビ放送を通じて、市民の組織的な反政府運動を押さえ込んで来れた点にあった。
民主党大統領候補に指名されたロバート・F・ケリーは、熱心なプロテスタント信者だった。しかし、彼の娘は二人とも大学を中退し、ネパールで生活していた。「キリスト教は死んでしまった。ただのだましの道具だった。ブッシュを見ろ。」が娘たちが繰り返しロバートへ言っていたことだった。信仰は意味のあるものだと示そうと彼はカリフォルニア州知事の職や弁護士の仕事を捨て、地域ボランティアとして少数民族の地位向上に身を捧げて来た。その結果、先住民族や黒人、そして、ヒスパニックの団体に担ぎ出され、民主党大統領候補選挙に勝利したのだった。トラッシュホワイトと呼ばれる白人下層の人たちの協力はあったが、いわゆる白人上流の支持は全くなかった。「このままでは白人社会は破滅する。大人はウソばかりだ。そして、大人も子供も金と麻薬・セックスに溺れている。」ロバートにはジョンと言う兄がいた。しかし、彼は、2017年、麻薬と睡眠薬の飲みすぎで死んだのだった。ジョンは大手の銀行でCEOをやっていた。年収は50億円を越えていて、週末はプライベートジェットでグアムへ行っていた。アメリカ人なら誰もがうらやむ生活のはずだったのが、そう言った死を迎えたのだ。
ロバートが地域ボランティアをやっていた時、同僚の紹介で会ったのがアーミッシュの女性、ジャネット・リン、47歳だった。小柄だったが意志の強そうな快活な目が印象的だった。そして、彼女はラルフ・ネーダーからの要請でグリーン・パーティから大統領選挙に出馬宣言をしていた。彼女の主張は、「もっと簡素な生活をしよう」と言うことに尽きた。しかし、ロバートが最も驚いたのは、CIA、NSAなどの情報機関を廃止し、米軍を4万人規模の自衛隊に縮小すると聞いた時だった。「私個人にそんな力はありません。しかし、CIA、NSAの活動に、軍の活動に辟易している人たちは数多くいます。私は皆さんの良心を信じるのです。」90歳に達したラルフ・ネーダーの隣に座り、ジャネットは静かにそう言ったのだ。
ウソニュース(続6) 再生1
ジャネットの話を聞いて、最初はとても無理だと感じた。
マイノリティグループの説得に乗って民主党大統領候補選挙に出馬したが、あまり評判はよくなかった。演説で集まるのはマイノリティばかり。メディアの取材もほとんどなかった。何よりも困ったのは、選挙資金がないことだった。住宅を担保に入れ、ある程度の選挙資金は確保
したが、既に仕事をしなくなって7年が過ぎていた。自己資金は約1億円。大統領選挙は、100億単位の金がかかる。このままマイノリティしか集まらなければ、2ヶ月持つかどうかだった。インターネットに開いたサイトにもあまり反応がなかった。
しかし、それが変わったのだ。きっかけは車に紙を貼り付けて宣伝すると言うものだった。一月ほどは全く反応がなかったが、やがて選挙資金が尽きると言う時、急に反応が押し寄せてきたのだった。なぜだかよく分からなかったが、黒人の団体と退職軍人団体、民兵組織が動いて
いるようだった。選挙資金も、ぎりぎり運動を続けるだけは集まった。
町に出ると五台に一台はロバートを支持すると手書きの文字が書かれた紙が車体に貼られた車が走っていた。「そうか、軍にも体制に嫌気がさしている勢力があるんだ。そして、再度、黒人社会の地位向上を目指して立ち上がろうとしている人々も。」
そして、予備選挙の最後の4ヶ月、急にインターネット上でロバートを応援しようと言う運動が起ったのだった。それからは怒涛の勢いだった。スパ−チューズディでも12州のうち9州で圧倒的な勝利を収め、それ以降の予備選挙でも一人勝ちだった。15年以上前のオバマ大統
領は、演説の巧みさがあった。しかし自分には特にとり得はなかった。「信仰は必要なのだ。うそをつくのはやめよう。」はっきり言えば、この二つしか言ってこなかった。
最後の州で勝ち、民主党の指名を勝ち取った後、ジャネットから祝福の電話があり、昨日、ニューヨークの民主党事務所で会ったのだ。「CIA、NSAなどの情報機関を廃止、米軍を4万人規模の自衛隊に縮小」それがジャネットの言ったことだった。「私個人にそんな力はあ
りません。しかし、CIA、NSAの活動に、軍の活動に辟易している人たちは数多くいます。私は皆さんの良心を信じるのです。」一晩中考えていた。自分は、本当は、そう考えていたんだ、自分が予備選で勝てたのは、市民がそう考えて自分を選んでくれたからだ。ジャネッ
トの言うことが正しい。それが結論だった。これで勝てるかも知れない。そうも思った。昨日、ジャネットの横で、ネーダーが言ったのだ、「CIA、NSAの内部にも、これはよくないと思っている人たちがいる。」と。一晩考えて、インターネットでの急な盛り上がりの原因が分かったような気がした。
「今までの政治は間違っていた。私は第3党のグリーンパーティの大統領候補に協力したい。」言いながら足が震えた。ジャネット・リンと言う名前を口に出し、聴衆の反応がないことに気が付いた。アーミッシュだと説明をした。原稿とは全く違った話をしているのだから、反応がないは当然だった。多分、ほとんどの人は、自分がジャネットを副大統領候補に選ぶと思っているのだろう、と感じた。
ウソニュース(続7) 再生2
指名受諾演説が終わり、事務所へ戻ると、グリーン・パーティの事務局長、レスタ−・ブラウンが待っていた。民主党の幹部連中が寄って来たが、とても大事な話なのだと言って、レスタ−に従い車に乗った。
彼は主催していたワールド・ウォッチ研究所が資金不足で閉鎖になり、グリーン・パーティに籍を置いていたのだ。「ジャネットに大統領をやってもらいたい。」と言うと、レスタ−は驚いたようだった。「民主党員が承知しないでしょう。」「いや、道はある。」自分でも知らない内にそう答えていた。
ニューヨークのはずれの小さな事務所にジャネットはいた。「副大統領候補に指名したい」「いいえ、私は、グリーン・パーティから出ます。」グリーン・パーティから出馬しても、得票率はいい州でも数パーセント、悪い州だと0.1%も行かない。幾ら説得しても、彼女は意思を変えなかった。「でも、ロバートが今日、受諾演説でアーミッシュのことを、私のことを言ってくれて感謝しています。」別れ際にジャネットはそう言った。
一週間後、共和党の全国大会が開かれ、アジア系のリー・ジェイソンが副大統領候補ホワイト・マッキンジーと共に指名された。ロバートは既に副大統領候補としてヒスパニックの前ロスアンジェルス市長アンソニー・ゴンザレスを指名し、ロバートの受諾演説の後、アンソニーも受諾の演説をしてしまっていた。今更、ジャネットに引き受けてもらうのは無理なことだった。
「ジャネットをテレビ討論会に出そう。共和党が、ブッシュ一家が何をやってきたか、彼女が一番うまく話せる。」アンソニーも賛成した。2大政党候補以外がテレビ討論会に出ることは異例だったが、以前から、第3党の候補も出すべきだと言う意見があった。民主党としてメディアに要請すれば実現するだろう。
「911は米国政府が仕組んだテロでした。」、「イラク戦争は巨大な石油利権漁りだったのです。」、「アメリカの軍産複合体は、インターネットやハイビジョンテレビを使って世論コントロールをしています。」驚くほど率直にジャネットは語った。以前は、ブーイングが起ったものだったが、討論会場は静まり返ったままだった。マスコミは何も取り上げなかった。インターネットでも何も発言はない様だった。
ウソニュース(続8) 再生3
「真実を話そう」が合言葉だった。リー・ジェイソンは「豊かな老後を送ろう」を掲げていた。ジャネットのグリーン・パーティは「子供たちを見て」というキャンペーンを始めていた。
ロバートの作戦はジャネットを利用してジェフ・ブッシュの政治の本当の姿を明らかにすることだった。民主党の政治家の半分以上は共和党と実質的に変わらなかった。だから、ジェフ・ブッシュの政治の本当の姿と言っても、民主党議員の応援を得ることはできなかった。
2010年代半ばまでは食料を輸出していたが、2020年代に入って世界最大の輸入国になっていた。中西部の穀倉地帯が地下水不足と異常な高温のためほとんど収穫できなくなっていたのだ。その代わり、不法移民に10年間の工場労働を条件に永住権を与えていた。だから、中西部から南部の州は皆工場が立ち並び、アメリカは世界の工場と呼ばれていた。
中国もインドもブラジルも皆農業国になっていた。2010年代に何度か大規模な鳥インフルエンザの流行があって、大幅な人口減が起こり、また、いわゆるインテリ層のほとんどが死亡してしまっていたためだ。だから、工業製品の8割はアメリカから、残りの2割がロシアを含むヨーロッパから輸出されていた。
オバマ政権下で大量の貨幣の発行を連邦準備銀行が行い、それにあわせて世界中の国の政府や中央銀行が労働の裏付けのない紙幣を大量に発行していた。赤信号皆で渡れば怖くない、それと同じことで、どこの国の通貨も下落しなかった。ただ、政府の権限が強くなりすぎて、行政の腐敗が進み、誰も汗水たらして働こうとしなかった。政府関係の仕事を得れば、幾らでも高い請求ができたからだ。公務員は手提げバックに札束を入れてタクシーを乗り回していた。このことも人々が農業に向かう一つの理由だった。「腐りきった行政にピコピコ頭を下げたくない。」それが素直な気持ちだった。
ウソニュース(続9) 再生4
ビル・ゲートが、「屋外広告に液晶パネルを使うようにしましょう」と言った。農業国ではテレビやインターネットを見る機会がどんどんなくなっていて、サブリミナル効果を使おうにもそのチャンスがないからだった。「プーキンに連絡をとって、埋め込みメッセージを統一してください。」そう言うと、彼は部屋を出ていった。
アメリカ及びロシアで生産されるメディア製品は全て埋め込みメッセージを表示するようになっていた。照明器具やエアコンには盗聴器がつけられ、音声だけでなく映像も24時間送信されていた。世界中の国の警察組織がCIAとKGBの下部組織だった。
「ローヤルゼリーが足りない。ニュージーランドで増産させよう。」アル・コアが、携帯電話に向かってつぶやいた。強烈な強壮作用を持つローヤルゼリーを媚薬として使うことで、世界中の政治家・官僚が秘密警察の協力者になった。日本でオウム真理教に東大出のインテリが入信したのもローヤルゼリーの効果だった。数種類の向神経薬と一緒に使うとカップルは強烈な官能を味会う。ただ、向神経薬自体も今では市販されているため、ローヤルゼリーの制限が必要だった。そのため、アメリカ国内を含めて世界中の国でミツバチ失踪事件が仕組まれた。原
理は簡単で一定の周波数の電磁波を出しながらその地域一帯を車で走ればいいのだった。薬局で売られているものには、純正ローヤルゼリーとシールが貼ってあるがそんなもの単なる気休めだった。
「ねぇ、ジャネットの応援をしようよ。」ビル・ゲートの子供の一人がつぶやいた。「パパも同じことを言っている。イスラム教徒や中国人がブッシュ一派と組んでアメリカや世界中の国を餌食にしているんだ。」「そうだ。サッカーだってひどいよ。ヒスパニックの金を巻き上げるためにアメリカでトトをやっているんだろ。」「絶対に破られないプログラムを作ろう。それでジャネットを応援するんだ。」
「ジャネットが危険ですね。ロバートは彼女を使ってメディアの仕組みをばらそうとしています。」「しかし、リーに勝たせるわけには行かない。看板を付け替えないとアメリカのイメージがあまりに悪くなる。」「アンソニー・ゴンザレスに光を当てよう。彼なら我々の話に乗ってくれる。」「そうですね。ジェフとの違いを際出させるためにロバートを押しましたが、多少まずいかも知れません。」
「これでうまく行くかも知れない。」ケン・イワサキはつぶやいた。アメリカ国内向けの埋め込みメッセージ作成のチームリーダーになってちょうど一年だった。コンピュータが世論操作に使われることに嫌気がさしていた。自分の技術がこんな奴らのために使われるのかと思うと腹が立ってしょうがなかった。ただ、自分の子供が難病にかかり、その治療のためにこの仕事についたのだった。だから、細工が絶対にばれないようにする必要があった。考えたのはこういうことだった。メッセーッジが予定通り表示されているかのチェック信号はCPUから直接出される。同様に画面表示用のメモリーへメッセージを書き出すのもCPUだ。だから、画面用メモリーへの書き出しタイミングをずらすことで、メッセージが互いに干渉して読めなくすることが可能だ。液晶の動作はある程度時間がかかり、あまりに書き込みが早いと動作が狂うのだ。
ウソニュース(続10) 再生5
「いいかい、地熱発電をやると強調するんだ。石油やウランなどの資源は分布に片寄りがある。だから、資源の争奪戦争が起る。しかし、地熱発電は国土があればどこでも今や可能になっている。地震国でなくても、安定した大陸プレートの上にある国でも、地下10km以上でも、高温で安定した熱源の側で発電ができるようになっている。蒸気を汲み上げず、熱源の直ぐ側に発電ユニットを埋め込むことで直接発電ができるからね。」レスタ−・ブラウンが図を示しながらジャネットに説明していた。「この技術は日本で開発されていたものだ。ところが不思議なことに日本政府はそれを使おうとしなかった。」
「それはいいね。ガイザースはもう時代遅れになっているし、地震がまた起きるかも知れない。原子力に比べて幾ら安全だと言っても、送電線などがやられるからね。」ラルフ・ネーダーが付加えた。「それから、日本が地熱発電にしり込みしたのは西側諸国からの圧力があったからだよ。田中角栄がエネルギー自立を試みて失脚したのと同じだね。」
「ええ、地熱発電は大地の恵み。ネィティブアメリカンは大昔から地熱を利用していたわ。」ジャネットはそう言って、二人を見た。二人がそれ以上何も言わないようなので、自分の考えを言うことにした。「中東やイラクの戦争をもっと取り上げたいわ。子供をなくした母親の悲しみや怒りをもっとみんなに知ってもらいたい。生身の体が傷つくとはどんなことか、ビデオゲームとは違うのだと知ってもらいたい。」二人がうなずくのを見てジャネットは続けた。「生とか死の意味についてもみんなと話したい。生命そのものが神だと伝えたい。生まれてくる赤ん坊は何もできない。歩くことも話すことも出来ない。でも頭の中は全知全能の神が宿っているわ。あの無垢な微笑。汚れを知らない眼差し。そこにこそ神が宿っていると告げているわ。何もできないからこそ全知全能なのよ。何かをするということは他の何かを捨て去ること。何かができるということは他の何かを断念すること。」ジャネットはしばらく黙って二人を見つめた。「死ぬことも同じだわ。木を削って何かの形を作る。何かの形を作ることが生きること。一日一日を生きることは、自分の体を、自分の心を削って一つの形を作っていくこと。そして、やがて、削るものがなくなって死んでいくのよ。でも、亡くなることはもう一度無に返る事で、新しい生命が生まれるための準備だわ。どんなに素晴らしい形を作っても、やがてなくなっていく。どんなにひどい形でも、やはり無に返る。だからこそ死に意味があるのよ。」
ちょうど同じ頃、ロバートもアンソニーに向かって同じようなことを話していた。「双子の娘を産んで直ぐに妻は死んでしまった。どうやって育てたらいいか、分からなかった。でも、二人を見ていたら、勇気が湧いてきた。寝顔を見ていたら、いとしさで胸がいっぱいになった。二人が笑うと世界が平和に満ちているように見えた。」アンソニーが相槌を打った。「自分もそう思ったことがあります。だからこそ子育てができるのです。子育てこそ最も素晴らしい仕事ですね。しかし、今の人々はそのことを忘れている。上流階級ほどそうです。子育てを他人に任せ、自分たちは快楽に溺れているのですから。」「だから、グリーンパーティの『子供たちを見て』と言うキャンペーンはそのことを言っているのかも知れない。これは、大化けするかも知れないね。」そうロバートは言って軽く頷いた。
ウソニュース(続11) 再生6
コリン・パウエルから書類が届いていた。手書きの手紙と共に小切手が同封されていた。彼が出版した自伝の印税を全てロバートに寄付すると書かれていた。出版されてから30年ほどが経過していた。オバマ大統領になってからまたパウエルの本が黒人やヒスパニックの間で読まれていて、累計は2億冊を超え、寄付額は100億円に達していた。ライスの影響だ。イラク戦争でぼろ儲けをしたライスをパウエルは憎んでいるんだ。手紙には次のように書いてあった。「イラク戦争は間違えでした。開戦に自分が関わってしまったことを悔いています。戦争は必ず勝たなければいけないと考えていました。だからこそ湾岸戦争でも、私はアメリカ軍は正しいことをしていると考えていました。テレビゲームのようだと言われようと部下を戦死させることはどうしても避けたかったのです。しかしイラク戦争は違いました。金儲けのための戦争だったのです。アメリカ軍の中でも金をめぐって不正がおおぴっらに行われました。毎年一兆円以上の金が軍の中で行方不明になったと聞いています。政府支出の金だけでなく、イラク政府に入るはずの石油の輸出代金もその半分ほどが軍高官へ流れたそうです。そして一般の兵士が市街戦で死んでいきました。無事に任期を全うしても8割が帰国後精神を患い、一般社会に適応できずまた軍へ入隊してきたのです。こういった兵士の7割は自分と同じ黒人でした。軍産複合体は狂っているのです。」
「この半分をジャネットへ寄付しよう。我々二大政党は政府からの選挙資金の支給があるから50億円でも十分だ。グリーンパーティにとってはこの寄付はすごく役に立つはずだ。」「ロバート、選挙規程に違反しないか?」「大丈夫さ、アンソニー。これは個人寄付だから、どう使おうと報告書さえきちんと記載すれば問題はない。」
考えてみれば、ラルフ・ネーダーが言った情報機関内部の協力者も共和党関係者かも知れなかった。軍産複合体や情報機関は元々共和党関係者が多かった。だから実際何が行われているか知っている者も共和党関係者なのだ。民主党はケネディの時代からCIAと戦争をしていた。クリントンも軍の予算を削減したし、オバマは軍産複合体企業の役員報酬を制限さえした。そうやって軍産複合体の勢力を弱めようとしたが、結局、彼らの実態を知ることはなかったのだ。
「ブラウザーは完成した。後はDNSの制御プログラムだね。」「ああ、パパは、プロキシーサーバーに注意が必要だと言っていた。DNSの内容がかってに書き換えられるということだ。」「だけど、ミクロソフトのOSは未だにメモリーの内容の書き換え禁止が出来ないんだね。」「いや、それは違うって。CPUの製造に問題があるって言っていたよ。ミクロソフトの責任じゃないと。インテクがブッシュ一派に乗っ取られているんだ。」「じゃあCPUのファームウェアの書き換えもしなければいけないのか。投票日に間に合うかな?」「大丈夫さ。実を言うとパパがインテクのCPUの製造マニュアルをくれたんだ。」
ウソニュース(続12) 再生7
コルカタの太陽光線は強烈だった。オゾン層の破壊が進んで、高緯度地域だけでなく赤道直下でも紫外線が強くなりすぎていた。昼間外で作業するにはサングラスが必須だった。特に一日中外で作業する農民は皆、紫外線に反応して色が濃くなるサングラスを着けていた。めがねと顔の間の隙間もほとんどない、視界のほとんどはレンズを通してしか見ることが出来ないものだった。ここインドでも、中国でも、ブラジルでも、アメリカでも農民は皆同じようなサングラスを使っていた。
タゴールは最近とても幸福だった。家族でけんかをしなくなったからだった。テレビもインターネットも使えなかったが、それでもよかった。電力不足で明かりさえもつけれないことがあったが、仲良く生活が出来ることが一番だった。以前は村で直ぐにいさかいが持ち上がった。水や肥料、家畜の問題で直ぐに人が死んだ。ところがこの数ヶ月、平和になったのだ。電力不足が目立ってきたのと同じ頃からだった。おかしなことにその頃から液晶の屋外広告がどんどん道端に作られていった。アメリカ製品の広告だった。しかし、サングラスをかけているとあまりよく見えないのだ。「アメリカのやることはいつも中途半端だ。」そうタゴールはつぶやいた。今度村で組合を作ろうと話が来ていた。そうなれば少しでも高く小麦が売れるかも知れない。金がなければアメリカ製品も買えないのだから。
「おい、なんだか風向きが変わってきたぞ。」ラルフ・ネーダーが叫んだ。インターネットを通しての個人献金が突然集まりだしたのだ。「これならテレビで広告が打てる。」「すごいな。オバマの時と同じだ。いや、彼はバックに巨大政党が付いていたが、我々は違う。」「ジャネットの言っていることがみんなの心を掴んだからだよ。軍産複合体のやり方にみんながノーと言っているんだ。」「おい、これは大変だ。CIAの内幕の暴露記事が投稿されている。」「レスタ−、ついに軍産複合体が崩れる時が来たんだよ。インテクのCPUが細工されていると言う記事もあるぞ。」
同じ頃、世界中のインターネットサイトで内幕暴露の記事が読まれていた。元々、そう言った記事はいつも投稿されていたのだ。ただ、それまでは自動的に一般公開がされないようにプロキシーサーバー内に封じ込まれていたものだった。それが急に普通に読めるようになったのだ。最初に気が付いたのはマスコミの記者だった。まるでマインドコントロールから解放されたように記者たちは政治の内幕暴露のニュースを流し始めた。
スイスでも同じだった。いや、特にスイスは個人個人が独立し、警戒心の強い人々だったので、過去の犯罪歴に関心が強かった。そんな中、日本から移住してきた蝶収集家の兄弟が行方不明になったと言うニュースが流れた。10年程前から亜熱帯化して山の頂き付近では亜寒帯の蝶が、中腹では温帯の、そして麓では亜熱帯地方のものが捕れるのだ。彼らは幸福の青い蝶を追いかけていて行方不明になったと言うことだった。
多くの人を短い間だますことはできる。同様に、少数の人を長い間だますこともできる。でも、多くの人を長い間だますことはできない。
*読んでいただきありがとうございました。これは全くの創作です。現実の人々と同じ名前があってもそれは偶然の産物です。
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