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http://news.www.infoseek.co.jp/gendainet/society/story/08gendainet02040440/
「この時期に、やる必要があるのか」――検察上層部は躊躇(ちゅうちょ)したという。それを押し切って、小沢一郎秘書の逮捕に踏み切った東京地検特捜部。一体、どんな事情があったのか。
「特捜部だって、次の首相に最も近い小沢代表の秘書を逮捕するリスク、批判は分かっている。そこで今後のポイントは2つに絞られる。ひとつは、捜査のバランスをとるのか。つまり、西松建設事件で名前の挙がっている自民党の二階経産相あたりを続けてやるのか、立件が難しいにしても事情聴取くらいはやって、“痛み分け”にもっていくのか。もうひとつのポイントは、今回の逮捕は入り口であり、特捜部は小沢を政治的に“抹殺”できるだけの個別材料を握っているのではないかということ。これだと小沢の事務所や自宅にも強制捜査が入ることになり、小沢はギブアップすることになる。この、どちらかの展望がないと、今回の特捜部の捜査は説明がつかない」
特捜部捜査に詳しい司法関係者はこう語った。
第1秘書の大久保隆規(47)逮捕から一夜明け、事態はどうやら「後者のポイント」の方に動き始めた。4日、特捜部は岩手県奥州市の小沢事務所を捜索。大マスコミは一斉に「小沢サイドが献金要請」「西松 献金はダム受注が目的」などと報じ、検察捜査に乗り始めている。
「西松建設の国沢前社長(1月20日逮捕)は取り調べに全面的にゲロっている。検察は、大久保秘書が完黙しても起訴できるだけの証拠を持っている。今月末に秘書が起訴されたら小沢もアウト。代表辞任ばかりか議員辞職に追い込まれる。それを聞かされているから、マスコミも一斉に書き始めた」(司法担当記者)
となると、もう自民党に捜査が伸びることはないのか。
「ないでしょう。そもそも西松捜査は、“長野案件”で終わらせるはずだった。東証1部上場の社長まで逮捕して、違法献金をもらった政治家をひとりも暴かないのはバランスに欠くという考えからです。ところが、連日聴取していた村井仁知事の側近がクビつり自殺してしまい、長野ルートは潰れた。この失敗に焦った特捜部は慌てて、小沢ルートに切り替えたのです。小沢秘書を逮捕したことで、目的は達成できた。それに年度末までに事件のケリをつける検察の捜査習慣からしても、起訴までの20日を計算に入れると、今週が逮捕のリミット。これ以上、捜査を広げ、長引かせる気はありません。仮にあるとしたら、“謀略捜査だ”と検察批判の世論が高まったときだけです」(捜査事情通)
だが、案の定、「検察はおかしい」の声は日本中で起こり始めている。日刊ゲンダイ本紙にも電話が引きも切らずの状態だ。とても検察の計算通りにはいきそうにない。
(日刊ゲンダイ2009年3月5日掲載)
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