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選挙妨害国策捜査を克服し「かんぽの宿」疑惑を徹底究明すべし (植草一秀の『知られざる真実』)
http://www.asyura2.com/09/senkyo59/msg/830.html
投稿者 クマのプーさん 日時 2009 年 3 月 07 日 17:59:37: twUjz/PjYItws
 

http://uekusak.cocolog-nifty.com/blog/2009/03/post-2916.html

2009年3月 7日 (土)
選挙妨害国策捜査を克服し「かんぽの宿」疑惑を徹底究明すべし


警察権力を政治目的に活用することは冷戦時代の東欧諸国ではよく見られる現象だった。日本でも戦前は特高警察が思想、言論を厳しく弾圧した。総選挙を目前に控えて次期首相候補筆頭の小沢一郎氏に標的を定めて警察権力を行使することは、いかなる弁明を講じようとも、客観的には「国策捜査」の批判を免れない。


警察庁長官経験者を官房副長官に任命し、その官房副長官が捜査状況について、与党への波及はないと断言するに至っては、国策捜査であることを告白するものである。


テレビ番組は東京地検特捜部長OBのコメントを流すが、当事者が「国策捜査が行われている」と発言することはないだろう。野党から「国策捜査」の疑惑が明確に指摘されている以上、放送法によって「政治的公平」を義務付けられているテレビメディアは、「国策捜査はない」と主張する立場からのコメントと、「国策捜査はある」と主張する立場からのコメントを「公平に」報道する責務があるのではないか。


ほとんどのテレビメディアは検察関係者のコメントと、国策捜査を否定する政府与党のコメントばかりを報道する。


漆間巌官房副長官と見られる政府高官から「自民党に波及することはない」とのコメントが発せられてしまったため、検察当局は、自民党国会議員にも捜査を拡大せざるを得ない状況に追い込まれているが、この事情を踏まえれば、仮に二階俊博経産相にまで捜査が波及したとしても、「国策捜査」の疑いは晴れない。


西松建設の関連する政治団体から小沢一郎議員の政治団体への献金の問題は、献金を受け入れる窓口の秘書が西松建設からの献金であったとの認識を有していたのではないかとの嫌疑にあるとされる。マスメディアは小沢氏の事務所サイドから請求書が出されていたと大きく報道したが、その後、この情報が否定されているようである。


大手メディアの報道が誤報であったのなら、お詫びと訂正が示されなければならないが、実践されているか。その後の報道は、問題とされている核心に位置する人物が高橋嘉信氏であることを示唆するものになっている。


西松建設を献金について直接連絡を取っていたのは、逮捕された大久保秘書ではなく、前任の高橋嘉信氏であるとの情報が浮上している。


高橋嘉信氏は、次期総選挙で岩手4区から、自民党公認候補として立候補すると見られている。高橋氏の行為についての時効が成立するのを待って捜査に着手したのかも知れないが、法的に問題とされる行動の主役が高橋嘉信氏であるとなると、高橋氏が自民党公認候補として次期総選挙に立候補することを考えれば、自民党の道義的な責任も問われなければならない。


地検特捜部が捜査している対象全体についての情報が高橋嘉信氏サイドから提供されている可能性もあり、こうなると、ますます自民党と捜査当局が一体となって、タイミングを計って捜査が実行されているとの疑惑が拡大する。


どのような背景があるにせよ、総選挙直前にこのような行動が取られることの政治的な意味を洞察しなければならない。小沢一郎氏が指揮する民主党を中心とする本格政権が樹立されることを、どうしても阻止したいと考える巨大な力を持つ勢力が存在すると考えざるを得ない。


政治を国民の手に取り戻すには、あらゆる妨害活動、情報操作との闘いに勝たねばならない。この時期にこのようなことが白昼堂々と実行される現実を直視しなければならない。次期総選挙で不正と欺瞞に怒りの鉄槌を下さなければ、日本のすべてが崩壊してしまうだろう。


西松建設からの献金であることを認識していれば、政党支部で献金を受け入れればよかっただけだ。小沢一郎氏事務所の手続きの間違いが糾弾されるなら、同様に多数の自民党議員も事務所の間違いを糾弾されなければならない。日本国憲法は法の下の平等を定めている。ひとつの法の下で政治的な背景から差別的な取り扱いが行われることは許されない。


この問題よりもはるかに重大な問題が存在している。「かんぽの宿疑惑」に象徴される「郵政民営化利権」問題だ。「かんぽの宿」79施設のオリックス不動産への一括売却決定に伴う重大な疑惑が深まっている。


3月5日、阿佐ヶ谷のロフト・イン・プラザで、社会民主党の保坂展人議員が主催するトーク・ライブが開催された。国民新党の長谷川憲正議員とともに私もトーク・ゲストとして招いていただいた。会場の混乱を避けるため、私の参加は当日まで非公表にしていただいたが、満席の会場の熱気のなかで、有意義な時間を過ごさせていただいた。


トーク・ライブの模様については、冒頭部分を保坂展人議員がブログに動画を掲載くださったので、ご高覧賜りたい。


また、「日録(不定期)」様が、当日の内容について記事を掲載くださった。これから、国会での集中審議などで、「かんぽの宿」疑惑の詳細が明らかにされてゆくことになると思われるが、問題は刑事事件に発展する可能性を秘めており、捜査当局の適正な行動が強く求められる。


3月5日の参議院予算委員会では、トーク・ライブに出席された国民新党の長谷川憲正議員が、「かんぽの宿」疑惑を追及された。日本郵政株式会社で「かんぽの宿」売却を担当した最高責任者は横山邦男専務執行役と見られる。


この横山専務が「みなし公務員」の身分でありながら、三井住友銀行から住居の提供を受けていることが明らかにされた。法令にも抵触する恐れがある。長谷川議員の追及で明らかにされた。


オリックスへの一括売却を決定したCREソリューション部門は、西川社長の指揮の下、横山邦男専務執行役、伊藤和博執行役の三井住友チームが仕切っていたと見られるが、意思決定に至る経過が極めて不透明であることが明らかになりつつある。


伊藤和博執行役は日本郵政に入社するまで、株式会社ザイマックスの常務取締役を務めていたとされるが、このザイマックス社がオリックスの出資する不動産会社である。横山氏と伊藤氏の人事は西川社長によるものと見られており、西川社長直轄チームが、オリックス不動産への一括売却を仕切ったことが次第に明らかになりつつある。


竹中平蔵氏は宮内義彦氏が郵政民営化と無関係であると主張するが、総合規制改革会議議事録の詳細を見ると、無関係ではないことも明らかになる。この点は、機会を改めて記述する。


「郵政民営化」の美名の下に巨大な国民資産が「私物化されてしまう」リスクが具体的な形でわれわれの目の前に姿を表したのが「かんぽの宿」疑惑である。「かんぽの宿」疑惑は「郵政民営化」の実態を表す象徴的な事例であって、このタイミングで「かんぽの宿」疑惑が表面化したことは不幸中の幸いであった。


東京中央郵便局の貴重な建築物も、ぎりぎりのところで破壊されることに「待った」がかけられたが、「郵政民営化」もまったく同じ状況にある。ここで、しっかり立ち止まって、根本的な見直しをすることが不可欠だ。

 

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