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「自民党の「四分社化見直し」案は見直し案になっていない!!
自民党は昨年の11月26日、「郵政民営化の見直しに関するプロジェクトチーム(PT)」を発足した。政府が保有する日本郵政グループ各社の株式売却凍結法案に関連し、政調幹部は、民営化を前提とした見直しだと強調した。議論が外に漏れないよう会議室前から記者団を排除するという異常な慎重さでスタートした。「民営化を前提」としたという言い方に、このPTの及び腰がよく見える。
麻生太郎首相は2月5日の衆院予算委員会で、日本郵政グループの4分社化体制について「四つに分断した形が本当に効率がいいのか。もう一回見直すべき時に来ているのではないか」と述べた。おそらく、これを受けてのことだと思うが、「自民党郵政民営化に関するプロジェクトチーム」(PT、中谷元・座長)は「四分社体制の見直し案」を2月26日に発表した。自民党PTの提示した四分社化案が下図に示されているのでじっくりと見ていただきたい。
http://sankei.jp.msn.com/politics/situation/090216/stt0902162332013-n1.htm
私のブログをご覧になっている読者の諸姉諸兄は一瞥して、この四分社化体制の見直し案が肝心な部分で見直しになっていないことに即座に気が付くと思う。そう、「ゆうちょ銀行」と「かんぽ生命」の二大超メガバンクが分離したままだからだ。これは非常に奇妙である。もともとの郵政事業の本質は、郵便貯金と簡易保険の業務的合体におけるシナジー効果にあったはずである。ところが、アメリカ政府筋の肝煎りによって実現された郵政民営化の最も重要な改変部分は、@郵便、A郵便貯金、B簡易保険という三事業の完全分離化であった。四分社化を見直そうというからには、三事業の分離の理由を明らかにして、そこに何らかの不具合が見つかったら、もう一度三事業の一体化(バンドリング)を検討すべきなのだ。
ところが、上図に明らかなように、見直し案も結局は「三分社化案」と「二分社化案」という二種類の分社化案で占められている。分社化案の見直しが、いったいどうしてまたもや分社化案なのだろうか。これではほとんど見直しになっていないと思う。この二案のどちらも「郵貯」と「かんぽ」はセパレートしたままである。最初に問われなければならないことは、巨大金融機関の郵貯とかんぽが分離した方がいいか、以前のように再統合化した方がいいかということである。この議論がなくて、いきなり三分社化、あるいは二分社化の二択しか選択肢がないように結論付けていることは、肝心なところはまったく見直しになっていないことを物語る。
四分社化体制見直し論の最も重要な箇所は、@郵便、A郵便貯金、B簡易保険という三事業の一体化(再統合)を検討することにある。それを故意に潰しているところに、麻生自民党の怯惰な正体が垣間見える。この郵政PTチームは、国民を欺瞞するごまかしチームであることは間違いない。麻生自民党は、売国小泉構造改革派にいまだに気を遣っているとしか言いようがない。この軟弱な姿勢が麻生政権の致命的な欠点なのだ。麻生政権が少しでも評価に足るものなら、徹底して小泉構造改革と、郵政民営化の売国本質を国民に提示して真の意味での見直しをはかるべきだ。
アメリカの忠実な飼い犬であり、郵政民営化担当大臣であった竹中平蔵氏が主導した郵政民営化は、いわゆる郵政三事業を、郵便、郵便貯金、簡易保険及び窓口ネットワークの4つの機能に分離して、持ち株会社である日本郵政株式会社の下に、四つの単独な会社組織に分割することであった。民営化主導者の竹中氏は、この四分社案の実現に熾烈に執心した。同時に彼は「小さな政府」構想を繰り返し、郵政事業を市場と同等条件に置くこと、すなわち彼が好んで唱導した「イコールフッティング」を強調した。竹中氏の本心は340兆円の郵政資金と郵政事業が保有する膨大な資産を米系国際金融資本に貢ぐことである。その道筋を整えるための四分社化である。
だから、四分社化体制を見直すというなら、まず最初に郵貯とかんぽの膨大な国民資産の保護、防衛の観点で見直すことだ。その文脈で「ゆうちょ銀行」と「かんぽ生命」の再合体(再バンドリング)を検討するべきだ。つまり、郵便事業、郵貯、簡保という三事業の再統合を検討すべきである。これがない見直し論は国民を騙すペテンとしか言いようがない。麻生首相もゆうちょとかんぽの再合体には言及していない。麻生氏は本心はそれを言いたいが、アメリカが恐くて慎重にその言及を回避しているということろだろう。まったく蚤(のみ)の心臓と言うしかない。私は麻生首相の発言と自民党の「郵政PT」の発表した上の図を見て、郵政民営化見直し論の最も肝心な部分を故意にスルーして、骨抜きの見直し論に堕していることにすぐに気が付いた。
また郵政民営化が、郵政の金融収奪の危機や、不動産などの国民の優良資産収奪の危機に直面する稀代の悪法であることは肝心な見直し点だが、130年の日本国家のインフラを誇る伝統的な利便性や安心保証の危機についても検討を行う必要がある。例えば東京都では下記の不安が囁かれている。
郵政民営化を実行して何か国民のためになったことがあるのだろうか?「かんぽの宿」の一括譲渡問題などにも、国民資産を安値で外国資本に叩きうるような構図が見えてくる。郵政民営化の本質は売国である。これに加えてユニバーサルサービスの低下や手数料の値上げ、過疎地の地方郵便局の消滅など、インフラから見ても、地域にとってはマイナスの要素が目立つようになっている。郵政民営化は国民資産の外国移転とインフラ破壊以外には何物ももたらさなかったと言える。
麻生政権はせっかく小泉構造改革に反旗を翻したわけであるから、このような効果のない軟弱な反撃ではなく、小泉政権の悪の本質を暴くストレートな攻撃をするべきだ。郵政民営化の見直しはその格好の標的になる。」
http://shimotazawa.cocolog-wbs.com/akebi/2009/03/http.html
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