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テレビ朝日『サンデープロジェクト』で亀井静香国民新党代表代行と竹中平蔵元郵政改革担当大臣が対論した。予算案が衆議院を通過し、「定額給付金」の再可決が目前となっている中で、どうしても「かんぽの宿一括売却問題」の鎮静化をはかりたいと願う人たちが、竹中氏の主張を軸に総力を挙げた番組に見えた。番組中で竹中氏は明らかな粉飾発言をしている。その典型例が「もう一度入札をやり直しても、雇用の維持が条件であれば、109億円以上の価格を出す企業は出てこない」というものだ。 かんぽの宿「等」一括売却問題と言われる。「等」が問題である。かんぽの宿以外の物件は「ラフレさいたま」(簿価16億円)「社宅9カ所」(簿価32億3 千万円)「世田谷レクセンター」(簿価62億円)と、日本郵政の目茶苦茶安い簿価ですら足し算すると約110億円になる。そもそも、79施設(世田谷レクセンターを除く)日本郵政の簿価は123億円だが、固定資産税評価額は857億円である。そもそも、不動産実勢価格に比べて極端に低い簿価をはじき出していることを念頭に置いても、かんぽの宿を除いた「オマケ」だけで相当の不動産資産を放出しようとしていたことがわかる。 しかも、「雇用の維持」とは結びつかないのが「オマケ物件」の正体だ。この3施設でオリックスが維持しなければならない雇用(正社員)は、「ラフレさいたま」の5人だけだ。全面委託している「世田谷レクセンター」には社員はおらず、社宅も含めて取り壊すとうい方針は、ホテルマネージメントインターナショナルも、オリックス不動産も共通だったという。「オマケ」どころか、この3物件は「主力商品」だった可能性もある。世田谷レクセンターの不動産鑑定価格はまだ明らかではないが、世田谷区鎌田で7500坪の平坦な土地だけでも宅地分譲を想定すれば、もちろん62億という簿価を大幅に上回ったのではないかという声もある。なぜ、「雇用の維持」に結びつかない「社宅」や「世田谷レクセンター」などの土地をバルクで叩き売りしなければならないのか……ここが議論のポイントだ。 最後の場面で「世田谷レクセンター」は外された。オリックス不動産は、たった23億円で購入しようとしていた。雇用維持義務はなく、すぐに開発出来る土地である。「最終入札」の後で物件が入れ替わるなど、今回の手続きを「競争入札」とはさすがに呼べないようであった。「競争入札の正統性」を掲げていた竹中氏は、「不正があったら調べればいい」という立場に転換したようだが、「随意」で相手を絞り込んでいく密室の商談を「一般競争入札」と詐称していた日本郵政の社会的責任は問わなければならない。 おそらく明日になれば、日本郵政の資料を下にして総務省の調査結果が開示されるものと聞いている。「日本郵政・オリックス」の今回の手続きに瑕疵がなく、正当なものだと主張してきた竹中氏と、「改革幻想」をふりまくメディア関係者も、事実に立脚した議論をせざるをえなくなる。 亀井静香氏は、番組の中で何度か「東京地検特捜部に告発する」と公言した。郵政公社時代の「バルク一括売却」や「かんぽの宿一括譲渡手続き」に見られる不当廉売(あるいは未遂)は、国民共通の財産の管理をまかされている日本郵政の職責を逸脱した背任行為そのものである。「改革」の旗の下で何が起きていたのが、参議院の審議に期待しながら、野党3党の追及チームもさらに徹底した調査を重ねたい。 このあたりのところは、3月5日のスペシャルイベントで語り合いたい。 ■ かんぽの宿・郵政民営化の真相 ▼2009年3月5日(木)19:30〜 ※ (一部告知と異なり)事情によりトークゲスト変更となりました。 |
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