<■433行くらい→右の▽クリックで次のコメントにジャンプ可> <主張>政治とカネ 再発防止策も丁寧に語れ 社説 2024/10/11 5:00 https://www.sankei.com/article/20241011-DR2B2U63YFPI3ED6H4HTFQGRQA/ 事実上始まった衆院選では 「政治とカネ」 を巡る問題が争点となっている。 自民党はパーティー収入不記載事件に関連し前議員らを非公認にしたり、比例代表への重複立候補を認めなかったりする方針だ。 野党は 「不十分だ」 と批判している。 野党との対決を前に、石破茂首相による党内の非主流派潰しの様相を呈しているとの指摘も出ている。 有権者の投票判断の材料にすべき課題は他にもある。 政治資金の透明性確保と事件の再発防止の具体策だ。 立憲民主党、日本維新の会、公明党、国民民主党などは、政党から国会議員に支出される使途の報告義務がない 「政策活動費」 の廃止を訴えている。 自民は公約に 「将来的な廃止も念頭に」 改革に取り組むと記した。 首相は今回の衆院選では 「使うことはある」 と語った。 立民が先の通常国会でパーティー禁止法案を提出しながら、同党幹部らが開催していたことを想起させるものだ。 党務を預かっていた茂木敏充前幹事長は自民総裁選で、廃止は可能と語っていた。 今の自民の姿勢は有権者から見て分かりにくい。 国会議員に支給される調査研究広報滞在費(旧文書通信交通滞在費)の使途公開は、衆院選後の国会で直ちに関連法を改正して実現すべきだ。 政治資金を監視する第三者機関の制度設計も急がれる。 立民、維新、共産党などが唱えている企業・団体献金の禁止には賛成できない。 企業や労働組合なども民主主義社会の構成員である以上、政治活動の自由は認められるべきだ。 一般国民からの個人献金が定着していない日本で企業・団体献金を禁止すれば、世襲ではない人や、業界団体、宗教団体などの背景を持たない人にとって選挙活動は極めて不利になる弊害も出てくる。 企業・団体の幹部が分散して、個人として献金する抜け穴を塞ぐことも難しい。 却って日本の議会制民主主義を後退させかねない。 一方、外国人・外国法人のパーティー券購入禁止の議論が低調なのは残念だ。 国政が外国勢力からの影響を受けるのを防ぐために禁止は欠かせない。 不記載事件の動機は今も分かっていない。 自民は明らかにする責任がある。石破茂首相「申し上げたことは一度もない」、不記載議員原則公認報道は取材なし 党首討論 2024/10/10 12:40 https://www.sankei.com/article/20241010-I7VEIODQ4NBVPO4DGJV5PQIAUY/?outputType=theme_election2024 石破茂首相(自民党総裁)は9日、立憲民主党の野田佳彦代表との党首討論で、派閥パーティー収入不記載事件で処分を受けた前議員らについて、自身が衆院選(15日公示、27日投開票)で原則公認する方針を固めたとの一部報道を否定した。 「全員を公認するとか私は申し上げたことは1度もない」 と述べ、自身への取材はなかったことも明らかにした。 党首討論に先立ち、自民は不記載事件を受けて、4月に処分した前議員を含む12人の公認を見送る方針を決めた。 一方、朝日新聞などは今月4日付で、首相が不記載事件で処分を受けた前議員らを原則公認し、比例代表との重複立候補も認める方針を固めたと報じた。 その際は再発防止策を講じる誓約書を提出させるとした。 こうした経緯から、野田氏は不記載事件に関わった前議員らの公認を巡り、 「いわゆる裏金に関わった議員を全員公認し、全員重複立候補させ、誓約書を書かせるのが最初の方針だったのではないか」 「二転三転、右往左往しながら決めた」 「(報道を受けて)批判が強いから、厳しいような対応に見せているということではないか」 質した。 首相は、 「全員を重複で認めるとか、誓約書を取るとか、私はそのようなことは申し上げたことは1度もない」 と重ねて否定。 「報道には石破茂首相、自民党総裁(が方針を固めた)と書いていた」 「そのような取材を受けたことは1度もない」 「報道はどういう根拠に基づいたか知らないが、そういうことは一切ない」 と強調した。 「森山裕幹事長、小泉進次郎選対委員長、今回の決定に関わった誰かが、そういう取材を受けた事実はない」 とも語った。 野田氏も 「全員公認するかどうかという報道が流れたことは、これはご自身の考えではなかったと」 「それはその通りとして認めましょう」 と応じた。 自民、「裏金議員」原則公認へ 衆院選で比例重複も容認、首相方針 2024年10月3日 20時59分 https://www.asahi.com/articles/ASSB33HGLSB3UTFK00ZM.html?msockid=03bbc426d8756d821927d643d90f6c0f 石破茂首相(自民党総裁)は、派閥の裏金事件で処分を受けた議員らについて、次期衆院選で原則公認する方針を固めた。 都道府県連の申請を受けて公認していく考えで、小選挙区の公認候補は比例代表との重複立候補も認める。 首相は6日にも、事件の中心だった安倍派幹部らから状況を聞くことを検討している。 首相は9日に衆院を解散し、15日公示、27日投開票の日程で総選挙を行う意向を表明済み。 一方、公認問題については総裁選の中で 「相応しい候補者か、党として責任を持たなければならない」 とし、公認しない可能性も示唆していた。 だが、総裁就任後は連立を組む公明党からの要請もあり、最速日程での衆院選を決断。公認手続きを急ぐ中、 「裏金議員」 は非公認としたうえで新たな候補を擁立する時間的余裕はなく、妥協する方向へ傾いたようだ。 ■「選挙後に倒閣運動が起きる」 首相、押し込まれ「裏金議員」公認へ 党は4月、政治資金収支報告書への不記載があった39人を処分。 うち34人が8段階中4番目の 「選挙における非公認」 より軽い処分だった。 こうした経緯から、公認問題を蒸し返すことに反対する声が党内に根強くあり、首相が押し切られた面もある。 だが、裏金問題の対応は国民の理解を得られていない。 朝日新聞が1、2日に実施した世論調査(電話)では、実態解明を 「進めるべきだ」 と答えた人が75%だったのに対し、 「その必要はない」 は15%だった。 首相は1日の就任会見で 「国民が納得したという状況にはない」 とした上で、 「どうすればもう起こらないかの認識をきちんと伺いたい」 とも述べていた。 6日にも安倍派幹部らと面会し、直接確認したい考えだ。 党執行部も 「裏金議員」 の公認や比例重複を原則認める方向。その際、再発防止策を講じる誓約書を提出させる。野党側では立憲民主党を中心に、「裏金議員」の選挙区について候補を一本化する案が浮上している。 <主張>衆院解散 日本守り抜く政策訴えよ 政権を託せるのはどの党か 社説 2024/10/10 5:00 https://www.sankei.com/article/20241010-KWGTCTQYKVIWLBZR4XMFA2XQJM/ 衆院が解散され、事実上の選挙戦が始まった。 解散は天皇陛下の国事行為である。 石破茂内閣は臨時閣議で 「15日公示、27日投開票」 の日程を決めた。 衆院選は3年ぶりだ。 新首相の就任から8日後の解散、26日後の投開票は戦後最短の決戦となる。 衆院選は政権選択選挙だ。 各政党と候補者は有権者の前で、日本を守り繁栄させる政策を大いに論じなければならない。 解散を前に国会で行われた党首討論で石破首相(自民党総裁)は、派閥パーティー収入不記載事件への対応を批判され防戦一方となった。 ■安全保障をなぜ語らぬ 政治資金の透明性確保や不記載事件の再発防止を進め、政治への信頼を取り戻すことは重要だ。 政治とカネの問題が争点の1つになるのは当然だろう。 ただし、党首討論は衆院選を前に、日本の将来に向けた政策を競い合う場でもあるべきだった。 ところがそうならなかったのは、全閣僚出席の予算委員会を開いて丁寧な論議をしなかったことが響いている。 石破首相の所信表明演説後、代表質問と党首討論をしただけで解散したのは残念だった。 石破首相と自民は、不記載議員らの一部を対象に非公認の数を増やしたが、有権者が評価するかは不透明だ。 党首討論では外交安全保障がほとんど論じられなかった。 日本を取り巻く安全保障環境が極めて厳しい中で信じ難いことである。 習近平中国国家主席の共産党総書記の任期の関係から、台湾有事が令和9(2027)年までにあるかもしれないと危惧されていることを忘れたのか。 「台湾有事は日本有事」 と言われる。 今回の衆院選で選ばれる議員と彼らが指名する首相は、台湾有事を抑止するため働き抜かねばならない。 もし有事になれば、先頭に立って国家国民を守り抜く重責を担う。 有権者はそれに相応しい議員を選ばなければなるまい。 全ての政党と候補者は現下の国際情勢に対する認識と、今後起こり得る危機の抑止と対処の具体策を語るべきだ。 野党第一党の立憲民主党の安全保障に関する姿勢は、極めて危うい。 日米同盟の抑止力を格段に高めた集団的自衛権の限定行使の容認を 「憲法違反」 とする立場だからだ。 立民の衆院選公約は、限定行使を認める安保関連法について 「違憲部分を廃止する」 という従来方針を踏襲した。 米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の辺野古移設工事は 「中止」 すると明記した。 この政策のまま政権をとれば日米同盟は空洞化する。 旧民主党の鳩山由紀夫政権が同盟の危機を招いた二の舞いとなるだろう。 これも分からない立民の野田佳彦代表に果たして政権担当能力があるだろうか。 ■立民は政権枠組み示せ 立民は、衆院選での与党過半数割れや政権交代の実現を叫んでいる。 にもかかわらず、この目標を達成した時の新たな政権の枠組みを示していないのはおかしい。 これでは有権者の判断材料が揃わない。 目指す政権の枠組みを曖昧にして選挙区調整だけに走るとすれば、議会制民主主義の軽視となる。 選挙戦で聞きたいテーマの1つが、国の根幹に関わる憲法改正だ。 日本国民の多数が自衛隊を認め、期待する時代になった。 ところが多くの憲法学者は自衛隊違憲論を唱えている。 このような異様な状態は改めたい。 憲法への自衛隊明記は改憲に前向きな各党で意見集約が進んでおり、是非早期に実現したい。 改正のゴールは 「戦力不保持」 を定めた第9条2項の削除と軍の規定の創設だ。 そうなって初めて世界の他の民主主義国と同様に国民を守る体制が整う。 首都直下地震、南海トラフの巨大地震などの大規模災害や有事への懸念が高まる中、緊急政令を含む緊急事態条項の創設も急務である。 各党が論じるべき政策課題は他にもある。 物価高に負けない持続的な賃上げによるデフレからの完全脱却、原発を含むエネルギーの在り方、少子高齢化を背景にした人口減少などだ。 国民受けする政策だけでなく 「痛み」 を伴う改革にも真摯に向き合わなければならない。 言行不一致は国民の不信を招く。 各党、各候補者は誠実に言葉を紡いでほしい。 <主張>代表質問 安全保障の論議不十分だ 社説 2024/10/9 5:00 https://www.sankei.com/article/20241009-N3ZCWLPEKJIFNBCCPHJ3MP7ZMA/ 石破茂首相の所信表明演説への国会の代表質問が終わった。 政権選択選挙である衆院選を前にした国会である。 「政治とカネ」 を巡る問題が盛んに議論された。 その一方で、日本の独立と繁栄の基盤となる安全保障の論議が深まらなかったのは残念だ。 自民党議員は中国軍の領空侵犯や領海侵入、空母「遼寧」の接続水域航行、ロシア軍の領空侵犯を取り上げ、小野寺五典政調会長は 「国民の命と暮らし、領土・領海・領空を守り抜く」 ことを求めた。 日本維新の会の馬場伸幸代表は台湾有事について質した。 首相が最近の著書で 「『台湾有事、即日本有事』となる可能性は相当低い」 と指摘しているからだ。 馬場氏は 「対中抑止力や国民の国防意識を削ぐことになる」 と懸念を示した。 首相は 「仮定の質問に答えるのは差し控える」 とした上で 「台湾海峡の平和と安定は国際社会の安定にとっても重要だ」 と指摘した。 国防の決意と具体策をもっと語る必要がある。 物足りなかったのは野党第一党の立憲民主党である。 野田佳彦代表が首相のアジア版NATO(北大西洋条約機構)構想に関し 「日米同盟の抑止力に疑念があると思われかねない」 「非現実的ではないか」 と疑問を呈したのは妥当である。 だが、立民として日本をどう守るつもりかを語らなかった。 対中認識を含む現下の国際情勢に対する見方も示さなかった。 田名部匡代参院幹事長はロシアに侵略されたウクライナで、なぜ抑止力が効かなかったのかを質した。 ウクライナ問題を論ずるのではなく、アジア版NATOを巡る首相の言行不一致を引き出したかっただけのようだ。 安保政策を十分語らずに政権交代を迫っても、説得力は感じられない。 憲法改正については自民、立民、維新などが質問した。 首相は緊急事態条項の創設や自衛隊明記について、自民内の議論を 「後戻りさせることなく、前に進めていく決意だ」 と語った。 同時に、任期中に国会への発議を実現したいとし、憲法審査会で議論を深めるよう求めた。 ただ、それだけでは足りない。 首相や憲法改正に前向きな政党は、どの項目をいつまでに条文化したいのかを明らかにすることも重要である。 <主張>中東の戦火拡大 なぜNSCを開かぬのか 社説 2024/10/3 5:00 https://www.sankei.com/article/20241003-4YRNMLACHBI6FNK2GDIOJIQ5N4/ 石破茂首相に問いたい。 なぜ国家安全保障会議(NSC)を開催しないのか。 中東の戦火が拡大しているからである。 イスラエルがレバノンの首都ベイルートにある親イラン民兵組織ヒズボラの本部を空爆し指導者ナスララ師を殺害した。 ヒズボラの脅威を除こうとイスラエル軍はレバノン南部へ侵攻した。 ヒズボラの後ろ盾であるイランは報復と称しイスラエルに向けて大規模な弾道ミサイル攻撃を行った。 米英両軍などが協力して迎撃したが一部が着弾し、被害が出た。 イランの対イスラエル直接攻撃は4月以来だ。 どちらも中東有数の軍事大国だ。 双方に自制を求めたい。 ただし事態がエスカレートすれば 「第5次中東戦争」 になりかねない。 日本や世界のエネルギー供給にとっても、経済情勢にとっても、何より中東地域の邦人の安全にとっても、看過できない緊迫した状況である。 日本は一連の事態を遠い地域の出来事と見做すのではなく、自らの問題と捉え、対応しなければならない。 石破首相は2日、イランの弾道ミサイル攻撃を非難し 「全面戦争に拡大しないように(米国などと)連携を取りたい」 と述べた。 そうであるならば、石破首相は、NSCの4大臣会合などを開き、邦人保護や万一の際のエネルギー需給、イスラエル、イラン双方への働きかけについて協議すべきである。 国家安全保障局や外務省の幹部と面会したが、それだけでは足りない。 NSCを開催すれば、日本企業や現地の邦人に対応を促すシグナルにもなる。 石破首相が自民党総裁に当選した9月27日に、岸田文雄内閣の木原稔防衛相はレバノンからの邦人退避に備え、航空自衛隊のC2輸送機を近隣のヨルダンとギリシャへ派遣する命令を発した。 レバノンには約50人の邦人が滞在している。 政権末期でも邦人保護へ動いた岸田政権の対応は妥当だ。 退避では韓国との相互協力も進めたい。 ただし、レバノンからの邦人退避の備えは日本が為すべき対応の一部に過ぎない。 戦火が一気に拡大しかねない時代だ。 危機は政権交代の事情など勘案しない。 石破首相には内閣発足直後であろうと国民を守り抜いてほしい。 <主張>自民総裁に石破氏 保守の精神踏まえ前進を 外交安保政策の継承が重要だ 社説 2024/9/28 5:00 https://www.sankei.com/article/20240928-ZQWPFHRUFBPALP3NUGABOBDVAI/ 自民党総裁選で、石破茂元幹事長が高市早苗経済安全保障担当相を決選投票で破り、新総裁に選出された。 10月1日召集の臨時国会で首相に指名され、宮中での認証式などを経て、石破内閣が発足する見通しだ。 石破氏は当選後、 「安全安心な国にするため全身全霊を尽くしたい」 と語った。 ほとんどの派閥が解散を決めたこともあって史上最多の9人が立候補し、激しい総裁選となった。 石破氏は1回目の投票で高市氏に次ぐ2位だった。 決選投票の票差は21票で、党内基盤は強いとは言えない。 ■「挙党態勢」が問われる 政治とカネの問題で自民をみる有権者の目は依然として厳しい。 石破氏と自民は挙党態勢で国政運営に当たる必要がある。 党役員や閣僚の人事は適材適所の観点で、総裁選のライバル候補を含め起用すべきだ。 党所属国会議員は結束して新総裁を支えてもらいたい。 石破氏と自民に求めたいのは保守の精神を尊重、堅持することだ。 自民は党綱領で 「日本らしい日本の確立」 を謳い、自らを 「保守政党」 と位置付けている。 この基本線から外れるべきではない。 総裁選で論じられた選択的夫婦別姓の導入は見送るべきである。 石破氏は前向きな姿勢を示してきたが、保守政党が取り組む課題ではない。 家族や社会の根幹に関わる話だ。 片方の親と子の 「強制的親子別姓」 を意味し、戸籍制度も揺らぐ。 個人の自由の問題とは言えず、自民どころか社会の分断を招きかねない。 旧姓使用の充実で対応してもらいたい。 国家と国民を守り抜く外交安全保障は政治リーダーにとって最も重要な責務だ。 安倍晋三元首相は 「自由で開かれたインド太平洋」 構想を国際社会に示し、限定的ながら集団的自衛権の行使容認を実現した。 菅義偉前首相は米国と共に 「台湾海峡の平和と安定の重要性」 を打ち出した。 岸田文雄首相は5年間の防衛費43兆円、反撃能力の保有を決め、防衛力の抜本的強化を開始した。 石破氏は安倍氏以降の外交安全保障を確実に継承し、発展させなければならない。 中国やロシア、北朝鮮といった核武装した専制国家の脅威をどう捉えているかを語ってほしい。 ウクライナ支援の継続も重要だ。 心配なのは、石破氏がアジア版NATO(北大西洋条約機構)の具体化に意欲を示した点だ。 創設には憲法問題の解決や各国との比較的長期の交渉などに相当の年月と大きな政治エネルギーを要する。 数年先の発生も懸念される台湾有事の抑止を優先すべきではないか。 日米同盟の対処力と抑止力の強化も欠かせない。 ■男系の皇統を守り抜け 北朝鮮による日本人拉致問題の解決も急がれる。 石破氏は 「東京と平壌に連絡事務所を開設して交渉の足掛かりとする」 と唱えてきた。 家族会は時間稼ぎに利用されるだけだと懸念している。 まず、家族会などと真剣に語り合ってほしい。 千年、二千年の視野で日本を守るため、安定的な皇位継承策を確立すべきである。 自民は、男系(父系)による継承を堅持する内容の岸田内閣の報告書に賛同する立場だ。 石破氏は総裁選でこの党の方針に従うと表明した点を強調しておきたい。 自民は来年、結党70年を迎える。 憲法改正は党是であり、改憲原案の条文化を臨時国会中に完成させるべきだ。 憲法への自衛隊明記は最優先だ。 首都直下地震などの大規模災害や日本有事への懸念が高まっている。 緊急政令を含む緊急事態条項創設も急務である。 自民総裁として与党公明党の説得にも努める必要がある。 日本が抱える課題は他にもある。 物価高を上回る持続的な賃上げを確実なものとし、デフレからの完全脱却を目指してもらいたい。 少子高齢化を背景にした人口減少への対策や社会保障制度改革も欠かせない。 政治とカネの対応は引き続き重要だ。 パーティー収入不記載事件の再発防止と政治資金の透明性確保を確実にしたい。 信頼を取り戻さなければ、政策は遂行できまい。 早期の衆院解散・総選挙が取り沙汰されている。 臨時国会では所信表明演説で国家観と政策の全体像を披露すると共に質疑にも応じ、国民に投票の判断材料を示すべきである。 勝てねば首相の責任論必至 自身に跳ね返る過去の言動 阿比留瑠比の極言御免 2024/10/10 1:00 https://www.sankei.com/article/20241010-EYZZGK33R5KI5PJP5BWX6Y4LVQ/?outputType=theme_election2024 石破茂政権の現状を象徴するように慣例の万歳も乱れがちで、何とも高揚感がない9日の衆院本会議での解散劇だった。 「内閣改造をするほど総理の権力は下がり、解散をするほど上がる」 かつて7年8カ月に渡る長期政権を築いた佐藤栄作元首相は、こんな言葉を残したが、今回の解散は首相にとって権力基盤を固めるものになるだろうか。 解散は、自民党の分断と混乱の中で強行された。 派閥パーティー収入不記載事件を巡っては、2024年4月に当時の岸田文雄首相(党総裁)によって既に処分を受けていた議員らが再び、非公認や比例代表への重複立候補を認めないという重い処分を受けた。 4日の時点で森山裕幹事長が 「党として調査し、(4月に)処分を下した」 「その現実をしっかり捉えることは大事だ」 と述べていたにもかかわらずである。 今回の処分は厳しい処罰を求める国民感情に応えるためとはいえ、憲法39条が定める一事不再理の精神に反する二重処分となる。 総裁選で高市早苗前経済安全保障担当相が 「(党紀委員会など)党内で積み重ねてきた議論を、総裁が代わったからと言ってちゃぶ台返しをしたら独裁だ」 と述べたやり方そのものである。 不記載事件に対しては、政治資金収支報告書に記載しなかった議員が悪いのは当然として、法曹界にもこんなに騒ぐべき問題ではなかったとの見方がある。 日弁連元幹部は指摘する。 「政治家を立件して手柄にしたかった東京地検の暴走で、検察ファッショだ」 東京地検特捜部が100人規模の検事を動員して徹底調査した結果、不起訴(嫌疑なし)とされた自民党議員を、自民党総裁が更に痛めつける。 首相は9日の党首討論で 「どれほど厳しいものか、それぞれの人にとってどれほど辛いものかはよくよく判断した」 と述べたが、将来に禍根を残さないはずがない。 もともと人望が薄く、政権基盤が弱い首相は衆院選後、こうした議員らからどの程度、政権運営への協力が得られるだろうか。 反発やサボタージュが待ち受けることになろう。 また、首相就任から8日後と戦後最短での解散という手法もあからさまで、野党からも有権者からも見透かされている。 9日の党首討論で立憲民主党代表の野田佳彦元首相は語った。 「(首相は)ご祝儀相場があるうちに解散すれば、勝てるだろうという思いから早期解散を決めた」 そう決め付けられても仕方がない。 首相は6月14日の自身のブログで解散について、このように主張しているからである。 「内閣不信任案の可決や信任案の否決など、内閣と衆議院の立場の相違が明確となった場合に限り、内閣が主権者である国民の意思を問うために行われるべきもの」 「天皇の国事行為を定めたに過ぎない(憲法)第7条を根拠として『今解散すれば勝てる』とばかりに衆議院を解散することは、国会を『国権の最高機関』とする憲法第41条の趣旨にも反する」 明らかに今回の早期解散と矛盾する。 一方、野田氏は首相当時の解散を明言した平成24年11月14日の党首討論で、自民党の安倍晋三総裁に 「近いうちに国民の信を問う」 と言ったことを問われ、こう答えている。 「首相は公定歩合と解散は噓をついてもいいと自民党政権時代には言っていた人もいるという話もあったが、噓をつくつもりは私はなかった」 前言を次々と翻し、党内に不和を引き起こしてまで強行した衆院選に勝てなければ、首相の責任問題に直結する。 かつて背後から時の首相に刃を突きつけて責任を問うてきた首相の言動が、首相自身に跳ね返ってくることだろう。 (論説委員兼政治部編集委員) 石破首相、不記載問題「再調査を全く否定するものではない」 党首討論の詳報 2024/10/10 5:00 https://www.sankei.com/article/20241010-RM55MKLYSVKRZMMYAQK4Z2O7SE/?outputType=theme_election2024 9日に行われた党首討論の主なやりとりは次の通り。 ■「裏金議員」非公認 野田佳彦立憲民主党代表 自民党派閥「裏金事件」に関与した前議員ら12人が衆院選で非公認となった。 首相は「相当程度が非公認になる」と述べたが、関与者の公認は30人を超えるのではないか。 正確な日本語では「大半が公認」だ。 脱税まがいの議員に、政党交付金として血税が支払われるかもしれない。 国民感情から到底理解できない。 石破茂首相 「裏金」「脱税」とは決めつけだ。 政治資金収支報告書への不記載に関し、脱税容疑で立件された者はいない。 不記載については極めて良からぬことで、おわびする。 厳正な議論を経て、公認しないと決断した。非公認で選挙を戦うことがどれほどつらいか、百も万も承知している。 しかし総理総裁に就任以降、国民の怒りが強いと肌身に感じている。 最終的な判断は主権者の国民に任せる。 これが甘いとかいい加減とは一切考えていない。 野田氏 非公認の立候補者が当選した場合、追加公認するか。 首相 主権者である国民の判断があれば、追加公認はあり得る。 馬場伸幸日本維新の会代表 来年夏の参院選で裏金議員に対し、衆院選と同じ物差しで公認、非公認を決めるのか。 首相 同じ国会議員なので、衆院と参院で違う対応はしない。 ■再調査 野田氏 首相は新しい事実が出ない限り、裏金事件の再調査を否定した。 だが有罪判決を受けた旧安倍派の会計責任者が、令和4年4月に中止された還流を幹部協議で再開したと法廷で証言した。 裁判所が事実認定した新事実だ。 再調査すべきだ。 首相 色々な事実関係がある。 有権者に対し、如何なる責任を負うべきか党内で議論する必要がある。 再調査を全く否定するものではない。 厳粛に受け止めなければならない。 野田氏 新しい事実ではないのか。 再調査するかしないか聞いている。 首相 綿密に調査してきたが、捜査権を持たないという限界がある。 関係書類の有効期限が超過し、確認しようがないものもある。 その中で最大限努力し調査してきた。 野田氏 再調査せず、有耶無耶にして早く解散しようとしている。 「裏金隠し解散」だ。 ■衆院選 野田氏 「ご祝儀相場」のうちに解散すれば勝てるだろうと、早期の衆院解散を決めたのか。 首相 国を守り、国民を守り、デフレを脱却するためには、私どもが政権を引き続き担わせていただくことが最も肝要だと考えている。 正々堂々、国民の審判を仰ぐのが我々の姿勢だ。 馬場氏 国民に何を問う解散なのか。 首相 新内閣が発足した。 内閣が取り組もうとしていることに信任を得るのが衆院解散・総選挙の意義だ。 ■補正予算 野田氏 臨時国会を会期延長して予算委員会を開くべきだ。 旧安倍派幹部は国会の政治倫理審査会で、裁判所の事実認定と異なることを語った。 噓だった可能性が十分高い。 予算委で証人喚問すべきだ。 首相 予算委開催は国会が決めることだ。 災害が相次いだ石川・能登半島の方々の困窮を1日も早く改善するため、予備費で対応する。 6年度補正予算編成は既に指示した。衆院選で国民の判断を得た後、補正予算案を審議し早期成立を期す。 国家国民のため切れ目のない予算審議が必要だ。 ■政治改革 野田氏 政治改革の原点に立ち、政治資金規正法の見直しを行う際には、企業・団体献金の禁止からスタートすることが大事だ。 首相 大事なのは政策が左右されないかどうかで、これから先も認めるべきだ。 立民内にも企業・団体献金は必要だとの議論がある。 透明性が担保されるよう努力していく。 馬場氏 首相就任後、新たに企業・団体献金の申し出があった場合、どう対応するか。 首相 寄付を頂いた企業・団体に有利に取り計らう政治行動をしたことは一切ない。 この職を務めている間は、政治資金パーティーを開催するつもりは全くない。 ■安全保障 馬場氏 自民総裁選で唱えていた日米地位協定改定やアジア版NATO(北大西洋条約機構)構想が首相に就任した瞬間、雲散霧消した。 国民から疑問を持たれている。 首相 自民は独裁政党ではない。 総裁が言えばそのまま政策になるわけではない。 これから党内で議論していく。 ■政策活動費 玉木雄一郎国民民主党代表 政治不信を払拭してくれると期待された石破内閣が、新たな政治不信を生み出しつつあるのではないか。 今回の衆院選では政策活動費を使わないと明言してほしい。 首相 現在認められており、使うことはある。 選挙区で厳しい戦いをしている地域もある。 玉木氏 問題発言だ。 何に使い、誰に渡したか分からないお金で選挙に臨めば選挙が歪む。 首相 「検討、検討」で終わるのは、結局何もしないのと一緒だとの強い意識を持っている。 政策活動費の在り方にきちんと結論を得る。 ■憲法改正 馬場氏 衆参両院の憲法審査会で改憲論議が進まない。 壁を突破するために、首相がスタートボタンを押すべきだ。 首相 自民の党是だ。 党総裁として改憲が発議され、国民投票をする日が1日も早くなるよう可能な限り努力する。 ■賃上げ、労働改革 田村智子共産党委員長 最低賃金の大幅引き上げには、中小企業への直接支援が不可欠だ。 首相 全体主義国家ではない。 政府が主導し直接お金を払う手法が必ずしも正しいと思わない。
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