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プーチンが描くドル体制崩壊後の通貨体制
http://www.asyura2.com/09/senkyo58/msg/884.html
投稿者 大西健二 日時 2009 年 2 月 06 日 19:14:54: Zg4goyIkX.Zhg
 

【RPE】ダボスのプーチン

http://www.mag2.com/m/0000012950.htm


★ダボスのプーチン


全世界のRPE読者の皆さまこんにちは!

いつもありがとうございます。

北野です。

1月28日から、スイスのダボスで「世界経済フォーラム」が開かれま
した。

この(通称)ダボス会議は、世界のスーパーエリートが集結する場
として知られています。

去年は、あのジョージ・ソロスさんが、こんな(正直)発言をして、世
界を驚かせました。


<「現在の危機は、ドルを国際通貨とする時代の終えんを意味する。
            ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
ワシントン・コンセンサスではなく、新しい保安官が必要だ」と述べ
た。>

(08年1月24日 ロイター)

まあ、RPE読者の皆さまは04年から知っていたことですが。。。

「北野がこういっている」というのと、「ソロスがこういっている」という
のでは、重みが全然違うのであります。

さて、今回のダボス会議の主なテーマはいうまでもなく、

世界経済危機をどうするか?

さらに、重要なポイントが二つありました。


1、オバマ政権の有力政治家がいない

ダボス会議には、世界40カ国の大統領・首脳が集結しました。

しかし、オバマ政権の有力政治家は一人も来ていませんでした。

まあ来ても


「おまえらのせいで、世界経済危機じゃないか!あやまれ!」


と叱られるのは目に見えている。

来たくない気持ちもわかります。

クリントン(ビル)さんやゴアさんは来ていたみたいですが。


2、中国・ロシアの重み

中国の温家宝さんとロシアのプーチンさんは、会議初日、しかも開
幕直後にスピーチしています。

要するに、ダボス会議を主催する欧州のエリートたちは、中国とロ
シアに敬意を示したわけですね。

これはどういうことか?

RPE読者の皆さまはご存じですが、世界は


一極陣営(アメリカ・イギリス・日本・イスラエル・東欧等)と

多極陣営(中国・ロシア・ドイツ・フランス・上海協力機構加盟国等)


にわかれています。

しかし、世界のほとんどの国々は、「勝つ方につこう」という
日和見主義。


(例、幕末でいえば、

・幕府
・薩摩・長州・(後から)土佐)
・その他)


今回ダボスに世界のエリートが集結した。

そこに、アメリカ現政権のエリートは来なかった。

中国・ロシアの首相が、真っ先にスピーチの場を与えられた。

要するに、「アメリカ抜きで、中国・ロシアと共に新しい世界秩序を
考えましょう」ということなのです。

日和見主義国は、衰退著しいアメリカを捨て、多極陣営に移りつつ
あります。

日本にいる皆さまは、「グルジア戦争・ウクライナガス問題でロシア
は孤立している」と思っているでしょう?

しかし、事実はそう単純じゃない。

欧州のエリートは、「グルジア戦争もガス問題も、米ロ新冷戦の結
果」と認識している。

そうでなければ、問題児のプーチンさんを村八分にするはずでしょ
う。


さて、プーチンさんはダボスで何を語ったのでしょうか?

その前に、二つお知らせがあります。

1、今「ダイヤモンド・オンライン」で、北野の


「欧州も震えた「ガス大騒動」の顛末 ロシア vs ウクライナの熾烈
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08年に大損した投資家の皆さまは、これで勉強されることを、心
からお勧めします。
(●2月10日、完全封印です。)


では、本題。


▼世界経済危機の原因について


プーチンさんの話は、毎回長いので、重要部分だけ要訳しておきま
す。

まず、プーチンさんは現在の危機についてどのように認識している
のでしょうか?

プーチン

「今、世界は初めて、本当のグローバルな経済危機に直面している」

「現在の状況はしばしば、前世紀1920年代末〜1930年代初めの世
界恐慌と比較される」

「しかし、決定的な違いもある。

グローバル化の時代、危機は政治・経済システムに関わらず、例外な
く全ての国々におよんだ」

危機の原因について、

プーチン

「ここ数か月、危機がテーマのどんなスピーチも、アメリカ合衆国で
起こったことの批判からはじまる」

「たった一年前、アメリカの友人たちは、この演壇でアメリカ経済の
ファンダメンタルな安定性と明るい展望を語っていたことを思い出し
てください」

「現在、ウォール街の誇り ー 投資銀行は実質存在していない。

1年間で彼らは、25年の利益以上の損失を出したことを認めざるをえ
なかった。

なんて規模だ!

この一つの例だけでも、すべての批判以上に、現実の状況を反映して
いる」

これを書きながら、私は一年前のことを思い出しました。

08年1月21日号で、こんな風に書きました。

<ちなみに日本はどうか?

貿易立国日本は、米中への輸出でもっている。

両国の消費が減少すれば、モロに影響があるに決まっています。>

ところが中には、「日本はサブプライムの影響が少ないから大丈夫だ
!」なんて、気楽なことをいっている専門家もたくさんいたのです。

1年でなんと変わってしまったことか。

アメリカを批判した後、プーチンさんは、もう少し詳しい話に入って
いきます。

プーチン

「これは、金融システムの崩壊であり、調整能力の低さの結果だ」

「深刻な損傷は、

一つのセンターが、事実上制限なく、そしてコントロールなしで、紙
幣を印刷し幸福を享受する、

そして、他国は安い製品を生産し、他国が発行した紙幣をためる

グローバル経済成長システム自体が生みだしたものだ」

これはいつもRPEで書いていることです。

つまりこれまでの世界経済は、

世界が作り → アメリカが買う

でなりたってきた。

しかも基軸通貨を持つアメリカは、ただドル紙幣を印刷するだけで、ど
んなものでも買うことができたのです。

プーチンさんは、このシステムが世界に大きな不均衡をもたらしている
と指摘します。

プーチン

「人類の大部分は、以前と変わらず、居心地のいい住宅、教育、質のい
い医療などを受けることができない。

そして、近年の世界経済の成長も、この状況を大きく変えることはでき
なかった」


▼後半へ
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▼後半


▼間違った対策


世界経済危機の原因を語ったプーチンさんは、現在世界で行われている
対策の間違いを指摘します。

プーチン

「危機の時代、単純でポピュリズム的決定への誘惑が強まることは、よ
く知られている。

しかし、病気の症状だけ治療しても、結果的にもっと重い問題を抱える
ことになりかねない」

で、具体的に何をしたらまずいのか?

プーチン

「孤立主義と際限ない経済エゴイズムに陥ることを許してはならない」

「『G20』サミットでは、世界貿易と資本の移動に障壁をもうけないこと
で合意がなされた。

ロシアは、この見解を共有する」

まっ、とはいえロシアも「自動車輸入関税」をひきあげていますが。

孤立主義はまずいと。

世界恐慌時、アメリカ・イギリス・フランスはブロック経済圏を作りました。

ブロック圏をつくれなかった日本・ドイツ・イタリアは、自国のブロックを
作ろうと試み、これが第2次大戦につながっていきます。


もう一つのあやまちとは?

プーチン

「二つ目のありえる間違いは、国家が経済に過度の介入をすること、
国家の全能性への盲目的信仰だ」

なんか、「国家資本主義国」ロシアの首相がいうのも、変な気がします
が。

プーチン

「前世紀ソ連では、国家の役割が『絶対』になった。

それが結局、われわれの経済をまったく競争力のないものにしてしまっ
たのだ。

われわれは、それで高い代償を払った。

この教訓は高くついた。

誰も、それ(同じあやまち)を繰り返すことを望まないことを確信している」

う〜む。

これは、おそらく心からいっているのでしょう。

ロシアは、「国家資本主義」といわれますが、国家がすべてを支配する
「社会主義」には逆戻りする気がないのですね。

プーチン

「国家の直接的に責任について、危機対策が金融ポピュリズムや責任
あるマクロ経済政策放棄になってはならない。

根拠のない財政赤字と国家債務の増加も、投機的株ゲームと同様、破壊
的だ」

▼世界金融危機を克服する方法


では、危機を克服する方法について、プーチンさんはどう考えているの
でしょうか?

三つ提案しています。


1、不良債権・不良資産の処理

プーチン

「ビジネスは、不良債権と不良資産を処理することが不可避だ。

残念ながら、やらなければならない」

2、ヴァーチャルマネーからの脱却

プーチン

「ヴァーチャルマネー、水増し決算、疑わしい格付けから解放される時
が来た。

世界経済の状態や企業の実際の状況に関する理解は、幻想にとらわ
れたものであってはならない」

「われわれの考えでは、未来の経済は、実体価値経済にならなければ
なない」

ここでプーチンさんがいっていることは一理あります。

ヘッジファンドは、レバレッジにより手持ち資金の100倍の額を運用し
ていました。

それで、大儲けできた。

しかし、失敗してつぶれた場合は、全国民・全世界が被害をこうむる。


プーチンさんは、「そういうバカげたことはやめましょうよ」といっている
わけです。

また、格付け会社は、サブプライムローンに最高格付けを与え、世界中
に被害をひろげる手助けをしました。


3、一つの基軸通貨から複数の基軸通貨へ

プーチン

「唯一の基軸通貨への極度の依存は、世界経済にとって危険だ。

このことは、すべての人にとって明白になったと思う。

それで、将来いくつかの強い地域通貨が現れる客観的プロセスを後押し
することは、合理的だろう」

現在、世界の通貨体制については、三つの考えがあります。


・ドル体制を維持する→アメリカ、日本などが支持

・世界共通通貨をつくる→イギリスが支持

・複数の基軸通貨をつくる→ロシア・フランス・ドイツ・中国・中東産油国
などが支持。

しかし、ドル体制の永続はすでに難しいでしょうから、選択肢は二つと
いうことになる。

私は、ドル・ユーロ・円・人民元・ルーブルなど、複数の基軸通貨が併
存するのがいいと思います。

世界共通通貨を作ると、世界通貨を発行する機関がつくられるでしょう。

しかし、権力は必ず腐敗する。

世界通貨を発行する機関が腐敗した場合、人類にありえないほどの災
厄をもたらす可能性があります。

もう一つ。

政治力のない日本は、世界中央銀行・世界共通通貨発行機関に影響
力をもてないでしょう。

(例、日本は国連で無力)

しかし、5〜6の基軸通貨が存在する多極世界なら、当然日本円も基
軸通貨の一つになる。

つまり、多極世界なら、日本は政治力がなくてもなんとか影響力を保つ
ことができるのです。

プーチン

「これらの国々(地域通貨をもつ国々)は、マクロ経済と金融規律の
国際的ルールに従う義務を負わなければならない」

これは要するに、基軸通貨を持つ国々の暴走を防ぐ措置が必要という
ことです。

次にプーチンさんは決定的な発言をしました。

プーチン

「時代おくれになった世界経済の一極体制から、いくつかの大きなセン
ターの相互活動に基づくシステムに移行するという話をしているのだ。

しかし、この多極世界が混沌と予測不可能な世界にならないように、国
際法と他国間合意システムに基づく、グローバルな調整システムを強化
することが不可欠だ。

当然、まさにそのために、主要な国際機関の役割を考えなおすことが重
要なのだ」

「われわれは、より公正で効率的な世界経済システムを構築することが
できると確信している」

この後もプーチンさんは長々と話しましたが、長くなりましたので、こ
の辺で終わりにしましょう。

要するにプーチンさんの本音は、


1、アメリカによる一極支配はもうダメ

2、複数の大国による多極世界をつくりたい

3、そして、ロシアがその一極になりたい


ということですね。

そして、時代は間違いなく、一極世界から多極世界に向かっている。

なぜでしょうか?

アメリカの一極支配継続を望んでいるのは、日本・イギリス・イスラエル・
東欧くらいしかいない。

その他の、EU・中国・ロシア・インド・ブラジル・中東産油国等々の本音は、

「自分も極になりたい」。

それで、一極支配の崩壊は不可避な流れなのです。


(おわり)↓↓↓

●PS1

この激動の時代、日本はどうやってサバイバルすればいいのでしょうか?

答えはここにあります。↓

●PS2

「編集後記」には「裏」情報を載せておきました。


================================================================

【この本は日本が危機を克服するためのバイブルです。】(京都 山根様)


★「僕が生まれたのは、中華人民共和国


小日本省です・・・」
~~~~~~~~~~


アメリカの衰退により、放り出される
天領日本。
~~~~
戦後60年以上「自分で決定したことがない」
依存政治家は、

次の依存先を探し始めた。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

日本には二つの道があります。

1、中国幕府の天領(小日本省)になるのか?

2、真の自立国家になるのか?


05年1月発売「ボロボロになった覇権国家」でアメリカの
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07年9月発売「中国ロシア同盟がアメリカを滅ぼす日」で
「米ロ新冷戦」勃発を予測した

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【RPE】ダボスのプーチン

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