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2009年1月30日 (金)
「かんぽの宿疑惑」を報道しないワイドショーの偏向
「かんぽの宿疑惑」はますます拡大し、ついに日本郵政の西川善文社長がオリックスへの一括譲渡方針を凍結することを表明した。オリックスへの「かんぽの宿」売却が公明正大に正当で最適な方法で決定されたのであれば、日本郵政は関係情報を全面開示して、所管の総務省の了解を取り付けるために全力をあげて行動するはずである。
所管大臣である総務相に十分な資料開示も行わないままに、一括譲渡方針の凍結を発表したことが、売却先決定の後ろ暗さを示唆している。
日本郵政は売却価格が「政府の財産評価委員会の評価額に近く問題ない」としているが、そもそも財産評価委員会の評価額が適正であるのかについての吟味が欠けている。
「かんぽの宿」についての政府の評価額算定では、試算評価額142億円に対して負債が49億円あることから純資産額を93億円としている。オリックスへの売却価格は109億円で、この純資産額93億円を上回っているから問題がないとするのだが、109億円と93億円が極めて近接した金額であることも見落とせない。
政府の資産評価額は収益還元法から算出されたものであると考えられるが、売却条件における再譲渡制限は2年間でしかないとのことだ。2年経過すれば売却されることは排除されていないのではないか。雇用確保が条件とされているとのことだが、雇用についても2年以上の雇用継続が確約されているのだろうか。
売却対象は不動産であり、売却価格算出の最大の根拠が物件そのものの時価評価であるべきことは当然だ。2400億円の費用を投入した物件の売却価格が109億円であることについて、「不当に安い」との判断が生まれるのは極めて常識的である。
この「直感」から出発し、入札にかかる経緯を詳細に精査しようとする総務相の行動は、貴重な国民資産の売却という、国民の利益に直結する問題であるだけに、賞賛されても批判される理由は存在しない。入札にかかる経緯を詳細に精査したうえで、一点の曇りも存在しないことが明らかになれば、その時点で売却にゴーサインを出せば良いだけだ。
日本郵政は現状では株式を100%政府が保有する完全な国有会社である。ということは、日本郵政が売却しようとしている「かんぽの宿」資産は紛れもない国民資産である。国民資産の売却が不透明に実行されることが許されるはずがない。詳細を再調査したいとする総務相に対して向きになって竹中氏がなぜ稚拙な反論を繰り返すのか。竹中氏の不自然な行動に焦点が当たることになるだろう。
日本郵政は「入札を実施した」との形式ばかりを強調するが、問題は形式ではない。入札情報が広く一般に告知されていなければ、「実質的には」ごく一部の関係者だけで情報が共有され、広く一般に情報が行き渡る前に売却にかかるプロセスが進行した可能性がある。
オリックスの購入金額109億円が、日本郵政内部の純資産算定金額93億円をわずかに上回る水準に設定されていることが、まず注目される。公共事業における「談合」が摘発される際、その重要な状況証拠として、落札価格が最低落札価格を小幅上回っていることが指摘される。この金額は、オリックスが事前に日本郵政内部の純資産算定金額を知っていた可能性を示唆するものである。仮にその疑惑が表面化すれば、問題は「道義」の問題から「刑事」の問題に発展する。
また、日本の銀行が不良債権処理を進展させた際に、外資系の不良債権処理業者が「濡れ手に粟」の巨大利益を獲得した経緯と、今回の売却と通じる部分がある。
銀行が不良債権について、銀行内部で貸し倒れ引当金を積み立てて、不良債権の償却を終えてしまうと、銀行は償却後の不良債権評価額以下で不良債権を売却しても追加損失を計上せずに済む。例えば2400億円の債権があったとしよう。ところがこの債権が不良債権化して、銀行が評価額を90億円に修正してしまう。2310億円の損失処理を済ませてしまうのだ。
こうなると、銀行はこの2400億円の簿価の不良債権を90億円以上の価格で売却すれば利益を計上できる。銀行が不良債権を束にして内部で償却し、不良債権処理業者にこの不良債権を90億円+αで売却したとしようお。
外資系の不良債権処理業者はこの束になった不良債権を例えば109億円で買い取り、それぞれ形を整えて、市場で売却した。109億円で買い取った不良債権=担保不動産を例えば500億円で売却できれば差し引き約400億円の利益を懐にすることが出来る。
私は日本で外資系の不良債権処理業者を立ち上げた人物から直接事例を聞いているので、この事業が極めて収益性の高い事業であることを知っている。
企業が財務会計あるいは税務会計上の要請から資産の時価評価を行うことと、資産を売却する際に売却価格を算定する根拠となる基準価格を算定することは、まったく別の事項である。
日本郵政が財務会計上の要請から「かんぽの宿」の時価評価を93億円と算定し、それをそのまま資産売却の基準価格に設定したのなら、その行動は適正でない。日本郵政がこの程度の知識で経営を行っているとしたら、これは国民に対する背信行為になる。経営者を直ちに交代させる必要がある。
日本郵政は株式会社形態に事業運営の形態が変更されたが、現段階では日本政府が株式を100%保有する純然たる国有企業である。貴重な国民資産の売却にかかる事項は、当然、所管大臣、所管官庁、ならびに国会が厳しく監視しなければならない。
日本経済新聞、朝日新聞が総務相批判の社説を掲載し、また産経新聞は竹中平蔵氏の稚拙な反論を掲載した。
@2400億円を投入した国民資産が109億円で売却されようとしていること
A「ラフレさいたま」1施設だけで300億円近い資金が投入されていること
B首都圏9箇所の社宅施設も売却物件に潜り込ませられており、その時価評価だけで47億円にも達すること
などを踏まえれば、オリックスへの109億円での売却方針決定が極めて不透明であることは、誰の目にも明らかである。
こうしたなかで、さらに驚くべき事実が明らかになった。2007年3月に旧日本郵政公社が売却した鳥取県岩美町の「かんぽの宿」が土地代を含めて東京の不動産開発会社に1万円で売却され、半年後に鳥取市の社会福祉法人に6000万円で売却されたことが明らかにされた。
これが日本郵政の「かんぽの宿」売却の実態である。
この問題は、テレビの報道番組が飛びつくべき話題である。日本郵政は100%政府出資の国有企業である。「かんぽの宿」は紛れもない日本国民の貴重な資産である。その貴重な国民資産が、小泉竹中政治と密接な関わりを持ってきた人物が率いる企業に破格の安値で売却される。
2400億円の資金が投入された全国の70施設に47億円の時価の社宅が付け加えられた物件が、たったの109億円で売却される。「ラフレさいたま」は単独で300億円もの資金が投入されている。その映像など、テレビ番組のために用意されたものと言っても良いほどだ。
そこに鳥取と鹿児島で1万円売却のニュースが浮上し、鳥取の施設は売却の半年後に6000万円で転売されていたことが明らかになった。
まさに格好の「ワイドショーねた」である。「わたしのしごと館」を繰り返し報道したように「ラフレさいたま」が実況放送されるのが自然の成り行きだろう。
ところが、テレビ朝日もテレビ東京も、日本テレビなどは、問題を大きく取り上げない。
マスメディアは昨年なかばから、「偽装CHANGE集団」に報道の焦点を合わせている。現在は渡辺喜美氏がその中心に位置する。日本経済崩壊の第一級戦犯の竹中平蔵氏に対して、異常なまでの反論機会提供の偏向報道も展開されている。
小泉元首相−中川秀直氏−渡辺喜美氏−竹中平蔵氏−高橋洋一氏−江田憲司氏−田原総一郎氏−屋山太郎氏−三宅久之氏−北野武氏−テリー伊藤氏などが連携して、「偽装CHANGE集団」を形成している。
「偽装CHANGE集団」への偏向報道と「かんぽの宿疑惑報道」とでは、報道の方向が逆行してしまう。これが、「かんぽの宿疑惑報道」が著しく抑圧されている理由だろう。朝日、日経などの報道姿勢も著しく偏向している。
中日新聞(東京新聞)が全国紙で初めて妥当な論説記事を掲載した。「偽装CHANGE報道」と「かんぽの宿疑惑報道」の偏向した対照に注目する必要がある。
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