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国際短信
米国
「反戦の母」が語る
オバマとキング牧師の差
息子をイラクの戦場で失ったのをきっかけに、たった一人で反戦運動を始めたシンディ・シーハンさんが新大統領誕生前に、演説でオバマを批判した。以下はその抄訳だが、浮かれ騒ぎの世相とは反対に、米国の良心の怒りがあふれている。
今日私は、私と国立公民権博物館の他の来館者からマーチン・ルーサー・キング牧師が眠る場所を隔てているガラスの壁に額を押し付けて泣きました。その場所、テネシー州メンフィスのモーテルのバルコニーのその場所でキング牧師が暗殺者の凶弾に倒れたのです。私はおそらく最も偉大な米国の人権運動家のために泣いたのですが、同時に牧師はベトナムにおける殺戮に対して痛烈に批判したのみならず、この国の軍国主義に対し精力的に批判した人物でもありました。この軍国主義を彼は死の一年前にニューヨークの教会で行なった演説で、人種差別主義と貧困と並び最も強大な “悪” と呼んでいます。
私は、息子のケーシーを思って泣きました。息子はキング牧師が殺されて36年後の同じ日に、ここから何千マイルも離れた場所で殺されました。二人は、軍国主義と人種差別、貧困という同じ敵によって殺されたのです。息子は、イラク人に対する無差別大量虐殺を引き起こした人種差別と、この国をイラクでの戦争に引きずり込んだ強大な軍国主義、そして息子を大学にもやれない労働者階級が置かれた貧困によって殺されました。これらの要因すべてが、キング牧師も殺したのです。
私は、米国とイスラエルという汚れた軍事同盟によって虐殺された罪もない幼児や子どもたちを思って泣きました。そして、イラクとアフガニスタンの母親たちを思って泣きました。最後は、キング牧師の遺産を思って泣いたのです。牧師は “40年以内” に “ニグロ” をこの国の最高位の地位に選出することになるだろうと自身が思った公民権法の1964年の成立に希望を託したのですが、私はオバマ新大統領から非暴力とシステムの変革という牧師の遺産が実行されたいかなる形跡も見出すことはできません。
私は非白人が大統領に選ばれる時代だと思いますし、新大統領の誕生で示された黒人層の幸福感も理解しますが、オバマはキング牧師の遺産を売り渡したのであって、実行したのではありません。彼の周辺は軍国主義者や白人特権階級ばかりで、非白人は少数です。
オバマの「自分が反対するのは戦争そのものではなく、愚かな戦争だ」という凝り固まった考えは、言葉だけでなく実際の行動でも示されています。イラクから残留部隊を除いた“戦闘部隊” の引き揚げを約束する一方で、アフガニスタンの兵力を劇的に増加することを約束しました。オバマはガザという強制収容所への爆撃を、イスラエルの“防衛” の権利だと認めたのです。
メンフィスで博物館からホテルに戻りながら、個人的に息子の記憶とからみ合うキング牧師の遺産に思いをはせました。息子が死んだ同じ日にキング牧師が射殺された場所を訪れるのは私にとってかけがえのないことであり、私たちは博物館への訪問を平和のための闘いに向け気持ちを新たにする機会とすべきでしょう。そしてその平和とは、単なる平和ではなく正義に裏付けられた平和でなくてはなりません。キング牧師が言っています。「私たちはそれぞれ異なった船でやってきたが、今や全員が同じ甲板上にいるのだ」と。そして、私たちは彼が抱いた理想の高みには到達してはいませんが、到達するまで登り続けねばなりません。彼はこうも言っています。「チェンジとは、必然的に訪れるのではない。それは、私たちのたゆみない闘いによってもたらされるのだ」と。 編集部
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