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http://www.amakiblog.com/archives/2009/01/24/#001343
2009年01月24日
金日成に世襲反対を直言した男 宇都宮徳馬
公務員改革の必要性が叫ばれ続けているのに、一向にそれが進まない。1月24日の東京新聞は、甘利明行革大臣が、谷公士人事院総裁との初のトップ会談に臨んで、内閣人事局への人事権の一本化を要請したが、谷公士人事院総裁は、「基本的には難しい」と一蹴した、と報じている。大臣がり官僚に一蹴されているのである。
谷公士人事院総裁は、64年に東大法学部から郵政省に入省し、郵政次官に上り詰めた後、天下りポストを転々として、06年から人事院総裁を務めている。私より5年ほど官僚の先輩にあたる。仕事でわずかばかり接触した限りの印象では人格温厚で極めて優秀な官僚であった。
しかし優秀な官僚はまた、官僚組織を守る事においても優秀である。その優秀な官僚OBが、キャリア官僚を代表して、組織防衛のため、政治家に抵抗しているのである。政治家によほどの覚悟と能力がなければ勝てるはずはない。真の公務員改革などできるはずはない。
本来ならば政治家は官僚よりはるかに強い権限をもって官僚を指導・監督する立場にある。国民から選挙で選ばれたという事は、国民はその政治家に、「国民の利益を実現する政策をせよ」と、立法権、行政権を与えたという事である。国民から選ばれたという重みはここにある。
だから官僚がどのような抵抗を試みようと、それが国民の利益に反するのであれば、政治家は即座にその官僚を更迭できるし、そうしなければならない。それほどの権限を政治家は国民から与えられているのである。
それなのに何故政治家は公務員改革一つできないのか。それは政治家の多くが無能であるからだ。弱みを持っているからだ。そしてその無能と弱みを象徴するのが世襲議員である。
私のところに読者から是非ブログで取り上げてほしいというメールが寄せられた。そのメールは発売中の週刊文春1月29日号の次のような記事を引用し、これではこの国の変革は望めない、その事を国民に知らせてくれ、というものだった。
つまり世襲議員は親から子へ資産を移譲させるとき、それを親の政治資金管理団体から子供の政治資金管理団体へ、寄付という名目で移す形をとれば、非課税扱いになるというのである。これは合法的な脱税である。その脱税額をあわせたら、どれだけの派遣員の暮らしが守れるか。その事を書こうとしたフリーランスのジャーナリスト上杉隆氏に、「これだけは書かないでくれ」と世襲議員が頭を下げたという。
世襲議員は圧倒的に自民党議員に多い。しかし野党議員にもいる。共産党の政治家も息子を選挙に立候補させようとしていたくらいだ。つまり政治家は皆国民に知られたくない弱みを持っているのだ。こんなことで官僚と流血覚悟の闘いができるはずはない。
それで思い出すのがやはり同じ週刊文春の記事だ。その1月新春号(1月1日―8日号)で元衆議院議員の宇都宮徳馬という政治家のエピソードが書かれていた。
宇都宮徳馬はかつて北朝鮮の金日成・国家主席と会談した時、「政治家は一代限りにすべきです」と面と向かっていったという。すでに息子の金正日に後を継がせようと決まっていた時に敢えてそう言ったというのだ。これに対して金日成は「本当の友人の直言はうれしいものだ」と応じたという。
もちろん宇都宮徳馬は息子に議席を継がせる事はなかった。
その週刊文春は次のような言葉で締めくくっている。
「・・・異常なまでの世襲大国日本。だが結局はそれを正すのも許すのも、有権者、つまり国民の意思次第なのである・・・」
今度の選挙でもまた大勢の世襲議員が当然のように名乗りをあげている。そしてそれらが当然のように当選して行く。
★読者へのおしらせ
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2009年01月24日
読者へのおしらせ
一ヶ月の試行期間を終えて、いよいよ2月1日から私の有料メールマガジンが本格的に始動します。
それにともない、私の発信はそちらに全力注入します。その事によって購読いただいた読者への責任をより確かに果たそうと思います。
毎日書き続けてきたこのブログは、有料メールマガジンで書いた私の配信の要約を、週に2回程度のペースでまとめて発表することを中心にします。その事によって従来の読者のニーズにも応えていけると思います。
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一つの連帯意識をもって世界と日本の真実を追求していこうと思っています。新しいメディアをつくる気構えで書いていこうと思っています。一人でも多くの読者の参加を期待します。
天木直人
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