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鳩山邦夫が「かんぽの宿」一括譲渡について、「正義感を持って対応
する。『李下に冠を正さず』ということは大事だ」と言っているそう
だ。そして、「失点続きの麻生内閣の中で密かなファインプレーと言わ
れている」という。果たして、彼のこれらの行動が本当に正義感に基づ
いたものかどうか検証してみよう。
検証材料として使うのは、産経ニュースの記事二つ(この文章の最後
にコピーしておく)と週刊文春1月29日号の「鳩山総務大臣『かんぽ
の宿 闇は私が晴らす』」という記事だ。
まず、彼がどんなきっかけでこの問題に気がついたか、について。
産経ニュースによると
> 鳩山氏が一括譲渡に疑義を唱えたのは6日夜。都内のホテルで開
かれた「九州選出国会議員の会」を中座する際、記者団に「オリック
スは立派な会社だが、譲渡に国民が納得するか。出来レースと受け取
られかねない。率直にまずいと思う」とぶちまけたのだ。
> 唐突な発言に見えたが、実は鳩山氏は用意周到にチャンスを狙っ
ていた。鳩山氏は昨年12月26日、新聞各紙の報道で譲渡話を知り
、「おかしいな」と思ったが、仕事納めだったこともあり、コメント
は出さず、周辺に調査を命じた。
> 調査結果を受けて、鳩山氏は(1)なぜオリックスなのか(2)
なぜ一括譲渡なのか(3)なぜ不動産価格が急落しているこの時期な
のか−の3点について日本郵政に問い合わせたが、納得のいく説明は
なかったという。
であるということだ。
ここだけ見ても、次のような疑問が出てくる。
1.鳩山邦夫は総務大臣であり、日本郵政の監督官庁である総務省の
大臣だ。なぜ、「新聞各紙で譲渡話を知る」必要があるのか?少なくと
も国会会期中は総務相の官僚からほぼ毎日ブリーフィングを受けてい
るのではないのか?つまり、総務省の官僚は、鳩山大臣が感じたとい
う疑問を感じなかったということか?
2.鳩山邦夫が大臣として「かんぽの宿」一括譲渡に疑問を感じ、周
辺に調査を命じるのは、一応、まだ了解可能なことだ。しかし、おかし
な点がはっきり分かれば、麻生首相に報告を上げ、内閣として問題解
決を図るのが、閣僚として普通の行動ではないか?これでは、まるで、
総務省の官僚も、麻生首相を始めとした閣僚たちも、問題解明に反対
しているかのような印象だ。
3.年末の12月26日に新聞報道で譲渡話を知り、周辺に調査を命じ
、年明けの1月6日には、「なぜオリックスなのか」など3点を日本郵
政に問い合わせをし、満足な回答をもらっていないという。官庁や日
・本郵政の年末年始の休みはなかったのだろうか?電話で問い合わせ
をし、その答えをもらうだけでも二日はかかるだろう。昨年末の12月
26日は金曜日だし今年の1月5日は月曜日だから、年末年始の休みな
しに調査、問い合わせ、それへの回答がされたかのように見える。いっ
たい、いつ、誰が調査をし、誰が回答したのか?
4.なぜ、1月6日夜に、「九州選出国会議員の会」で、記者団に「オ
リックスは立派な会社だが、譲渡に国民が納得するか。出来レースと
受け取られかねない。率直にまずいと思う」とぶちまける必要がある
のか?既に、問題があり、日本郵政がきちんと対処しないと分かって
いるのなら、普通は、総務省で記者会見を開き、そこで問題点を具体
的に書いた文書を記者に配布すればいい。わざわざ、九州選出の国会議
員の会で、多分、九州に関係の深い企業やマスコミのいる中で問題提
起をしなければいけないのか?まるで九州に関係のある人たちにアッ
ピールする狙いがあったかのように見える。総務省で記者会見が出来
ない事情があるのなら、自分のホームページで書けばいいし、匿名で
マスコミに情報を流して問題提起も出来る。(かって、安部政権や福田
政権で繰り返し農林水産大臣のスキャンダルが報道されたが、全てニ
ュースソースは示されなかった。松岡利勝は光熱水費問題、赤城徳彦は
政治資金収支報告書で領収書の二重計上など、遠藤武彦は置賜農業共
済組合掛金不正受給問題など、太田誠一は事務所費問題など。特に、
松岡はこの問題で自殺している)
以上の4点を見ても、鳩山邦夫が正義感に基づいて行動しているとは思
えない。
次に、週刊文春の記事から、具体的な問題点をあげ、それについて検
討してみよう。それぞれの項の最後に情報源を上げておく。
1.日本郵政の説明は、「約141億円とされる簿かの算出根拠が不明
」、「どのようにオリックスに決まったのかも不明」だ。(鳩山氏周
辺)
2.監督官庁の大臣に日本郵政は入札参加者を明かさないし、オリッ
クスとの契約書すら見せない。(鳩山氏周辺)
3.入札は従業員の雇用などの条件があり、純粋な入札というより企
画コンペに近い。だから恣意的な判断の余地があるのに、透明性が確
保されていない。(保坂展人社民党議員)
4.「ラフレさいたま」とか「首都圏社宅9施設」など、それぞれ
100億円、50億円で売れると思える資産が含まれていて、いくらなん
でも「かんぽの宿」70施設一括売却で109億円は安い。(情報源は不
明)
5.転売禁止期間がたったの2年間になっている。グリーンピアの場合
は10年間だった。(保坂展人社民党議員)
6.普通なら税金で約40億円かかるはずだが約7億円で済ませること
が可能な株式分割という手法がとられている。(保坂展人社民党議員)
上の問題点の内、多分、4と5は入札当初から誰でも疑問と感じる
点だ。入札が行われた時に、または、鳩山大臣就任前に入札が行われた
のなら就任時に、これらのことについて鳩山総務大臣はブリーフィン
グを受けていなかったのだろうか?
そもそも、鳩山邦夫総務大臣は、これらの問題点を文書にまとめ、
総務省から日本郵政に回答させるべきであった。しかし、これらの問題
点は鳩山大臣の口から直接は語られていない。保坂議員という野党の議
員がオリックスや総務省へ質問して調べたことがほとんどであるよう
だ。多分、これらの問題点は、総務省の官僚たちには最初から、つまり
、郵政民営化に伴って「かんぽの宿」売却が決定された時から分かっ
ていたのではないだろうか?
なぜ、今になって急に鳩山大臣が個人として問題提起しなければな
らないのか?
なぜ、上にあげたような問題点を具体的にあげずに、単に取引経緯
が不透明というような言い方しかしなかったのか?
本日1月23日の記事で、昨日オリックスへ鳩山大臣から20数項目
の質問状を郵送したとある。今後、次のことがどう処理されるかが、こ
の問題が正当に扱われているかどうかの判断の鍵になると思う。
1.鳩山大臣の個人プレーではなくて、麻生首相率いる麻生内閣一体
としての対応がされるか?つまり、麻生首相が問題について記者会見
などで言及するか。
2.全入札参加者、それぞれの入札価格、一括売却対象施設全部のそ
もそもの簿価、オリックスと結んだという契約書の内容、入札事務の
全過程などについての情報公開。
3.「ラフレさいたま」、「首都圏社宅9施設」の妥当な価格での売却
。
4.なぜ、この問題が鳩山総務大臣が新聞記事で売却話を読むまで放
置されていたか。つまり、本来なら誰が問題提起をしなければいけな
かったか。
以下は、以上の文章で使った引用元の記事:
http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/090108/plc0901080
046000-n1.htmより引用:
かんぽの宿新たな火種 オリックス譲渡「出来レース」「経営判断」
2009.1.8 00:44
日本郵政がオリックスグループに「かんぽの宿」70施設の一括譲
渡を決めたことに、鳩山邦夫総務相が強い疑義を表明し、「郵政民営
化」が政治問題として再びクローズアップされ始めた。(酒井充)
オリックスグループの最高経営責任者(CEO)、宮内義彦氏は小
泉内閣で総合規制改革会議議長などを務め、郵政民営化の推進派とさ
れただけに「お手盛り」批判は否めず、民主党や国民新党は徹底追及
の構えを見せている。鳩山氏が野党の追及を見越して先手を打ったよ
うだが、火の手は今後も広がりそうだ。
「正義感を持って対応する。『李下に冠を正さず』ということは大
事だ」
鳩山氏は7日夕、総務省で、一括譲渡の阻止を求めにきた国民新党
の亀井久興幹事長らに対し、契約撤回に向け、働きかけていく考えを
表明した。
鳩山氏が一括譲渡に疑義を唱えたのは6日夜。都内のホテルで開か
れた「九州選出国会議員の会」を中座する際、記者団に「オリックス
は立派な会社だが、譲渡に国民が納得するか。出来レースと受け取ら
れかねない。率直にまずいと思う」とぶちまけたのだ。
唐突な発言に見えたが、実は鳩山氏は用意周到にチャンスを狙って
いた。鳩山氏は昨年12月26日、新聞各紙の報道で譲渡話を知り、
「おかしいな」と思ったが、仕事納めだったこともあり、コメントは
出さず、周辺に調査を命じた。
調査結果を受けて、鳩山氏は(1)なぜオリックスなのか(2)な
ぜ一括譲渡なのか(3)なぜ不動産価格が急落しているこの時期なの
か−の3点について日本郵政に問い合わせたが、納得のいく説明はな
かったという。
同時に鳩山氏は、国民新党や民主党が国会での追及に向けて動き出
したことを知り、「このまま問題を放置しておけば予算審議は大混乱
になる」と判断し、異を唱えるチャンスを狙っていたようだ。
宮内氏は平成3年から18年まで、総合規制改革会議(現・規制改
革会議)議長などを務め、行政改革や規制緩和の論客として数々の提
言を行ってきた。郵政民営化の論議は経済財政諮問会議で進められた
が、宮内氏も民営化推進派の1人とされてきた。
日本郵政は昨年4月、年間約40億円の赤字を出している「かんぽ
の宿」譲渡に向けて公募を開始。27社が応じ、2回の入札を経て、
12月26日にオリックスの100%子会社であるオリックス不動産
への一括譲渡が決まった。関係筋によると総額109億円で帳簿価額
123億円を大幅に下回るという。
日本郵政は、かんぽの宿の事業を継承する子会社を設立し、4月1
日にオリックスへ譲渡する予定だが、会社分割には総務相の認可が必
要で、鳩山氏は「認可しないことも十分にある」と明言した。日本郵
政の株式は100%政府が保有していることをテコに契約撤回を促す
可能性も示唆している。
ただ、自民党内の「改革派」には「経営の判断であり、どこがおか
しいのか」(幹事長経験者)との意見も出ている。
オリックスは7日、「当社が把握している限り、総合規制改革会議
などの過去の答申中に郵政民営化というテーマは出ていない」とのコ
メントを発表し、宮内氏と郵政民営化の関係を否定。「一括譲渡は日
本郵政が求めていた条件であり、オリックスは公正な手続きで譲渡契
約を結んだ」(社長室)と説明した。日本郵政は「コメントできない
」(報道担当)としている。
■かんぽの宿 平成19年10月の郵政民営化に伴い、日本郵政は
旧日本郵政公社から保養・宿泊施設「かんぽの宿」を引き継いだ。全
国各地に70カ所あり、従業員は約3000人。24年9月までに民
間に譲渡、または廃止することが法律で決まっている。
以上引用終わり:
http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/090123/plc0901231
214006-n1.htmより引用:
【かんぽの宿譲渡問題】鳩山総務相、日本郵政に質問状
2009.1.23 12:13
鳩山邦夫総務相は23日午前の記者会見で、「かんぽの宿」70施
設をオリックスグループに一括譲渡する契約を結んだ日本郵政に対し
、譲渡の経緯の説明などを求める20数項目の質問状を送付したこと
を明らかにした。
質問状は22日付で送付した。譲渡予定額109億円の積算根拠や
、入札に応募した27社の中からオリックスグループと契約を結ぶこ
とになった経緯の説明を求める内容で、鳩山氏が疑問に思う点を自ら
列挙した。27日までに文書による回答を求めている。
以上引用終わり:
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