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「しんぶん赤旗・日曜版」(1月25日号)が氏にインタビュー。電子版にはない記事なので紙面から貼り付け。 ======================================== 小渕内閣のブレーン 中谷巌一橋大学名誉教授が懺悔の書
2009-01-22 19:21:39
gataro-cloneの投稿
<中谷巌氏が懺悔の書>「構造改革」間違いだった/資本主義にルール必要【しんぶん赤旗・日曜版】
テーマ:新自由主義/グローバル化
リーマン・ショック、格差社会、無差別殺人、医療の崩壊、食品偽装。すべての元凶は「市場原理」だった!昨年末12月20日に集英社から「資本主義はなぜ自壊したのか」が出版され、注目を集めている。著者はかつて政府ブレーンの一人として「構造改革」の旗振りをしてきた中谷巌・一橋大名誉教授。中谷氏はこれを「懺悔の書」として著したという。
「構造改革」間違いだった/資本主義にルール必要【しんぶん赤旗・日曜版】
小渕内閣の「経済戦略会議」で、新自由主義的「構造改革」の急先ぽうとしてこれを推進した中谷巌・一橋大学名誉教授が、自身の誤りを認めた「懺悔(ざんげ)の書」を出版して注目されています。なぜ、どこを間違えたのか。中谷氏に聞きました。 神田晴雄記者
中谷氏の書は『資本主義はなぜ自壊したのか』(集英社)。「まえがき」にこう書いています。
<一時、日本を風靡(ふうび)した「改革なくして成長なし」というスローガンは…新自由主議の行き過ぎから来る日本社会の劣化をもたらした>
<改革は必要だが」その改革が人間を幸せにできなければ意味がない。…かつては筆者もその「改革」の一翼を担った経歴を持つ。その意味で本書は自戒の念を込めて書かれた『懺悔の書』でもある>
※ ※
中谷氏は小渕恵三首相の諮問機関「経済戦略会議」(議長・樋口廣太郎アサヒビール名誉会長)の議長代理でした。
当時(1998年発足)のメンバーには奥田碩トヨタ自動車社長、鈴木敏文イトーヨーカ堂社長らの大企業トップや、のちの小泉内閣の閣僚、竹中平蔵慶大教授らも。
「リスクマネーの育成」「民間活力の活用」「規制の緩和・撤廃」「雇用の流動化」「市場原理と自己責任原則に基づいた自由で創造的な競争社会の構築」…。同会議はこんなテーマを議論し提言にまとめました。それはのちに、たとえば非正規労働者を増やす派遣法改悪などに具体化されました。
中谷氏は語ります。
「本にも書いたように、当時は、グローバル資本主義や市場至上主義を信じすぎていた。既得権益構造の打破などの主張は今でも間違っていると思わないが、『構造改革』と新自由主義的思想の跋扈(ばっこ)、アメリカ型市場原理の導入で、ここまで問題を抱えるとは予想できなかった。だから、『自分自身の不勉強、洞察力の欠如に忸怩(じくじ)たる思い』と書いたのです」
「アメリカ流の『構造改革』を進めて、日本の社会はどんどん貧困層が増え、社会が分断されていった。急激な雇用改革で、ワーキングプアが大量に出た。社会全般がすさんでいる。いま、派遣法があるから“派遣の首は簡単に切れる”と、経団連のトップ企業が率先して派遣切りをやっている。このへんで一回立ち止まって検証しなくちゃいけないと思うんです」
<私は間接的な形ではあっても、いわゆる小泉構造改革の「片棒を担いだ男」の一人)>
著書でそう認めています。小泉内閣は「経済財政諮問会議」と名前を変えて組織と路線を継承しました。小泉・竹中改革です。その一つ、郵政民営化を振りかえって。
「郵便貯金のお金が自動的に不用不急の公共事業に流れていく流れは遮断しました。しかし問題はその先。つまり山村のおじいちゃんおばあちゃんの心のよりどころになっている小さな郵便局までつぶすことにならないか、という目配りは当時できなかった」
「小渕内閣以降、考えるところがあって一切政治の場に足を運んでいません」という中谷氏。いまなお「改革が足らない」とする竹中氏のような主張をこう批判します。
「アメリカの経済学者はみなそう言うんです。“改革をとことんやれば落ち着くところに落ち着く”“マーケットメカニズムに任せておけばいい社会になる”と。しかし私はそうは思いません」
「かつて日本は中間層を育てて購買力を持たせた。国内の需要がある方が資本家にとっても有利なんです。しかし、グローバル資本は国境を超えて自由に動ければ、国内で売れなくても購買力のある国に売ればいい、と考える。競争が激しいから人もできるだけ安く雇おうとする」
※ ※
後期高齢者医療制度についても―。
「情けないですね。75歳になったから年金天引きとはとんでもないです。『75歳までよく頑張ってくれました。もう心配しないで。医療費もただにします』っていうのが政治でしょう」と。
今後の経済のあり方について中谷氏は―。
「もちろん鎖国経済は成り立ちませんが、ダッと入ってきて、もうけたらグッと逃げるグローバル資本の暴力を許してはいけない。それぞれの国がそれぞれの価値を守れる枠組みをつくって、そのうえでグローバル資本を入れる形が必要です」
「今の資本主義をこのまま放っておくと間違いなく同じ誤りを犯す。最近、志位さん(日本共産党委員長)の発言を聞いていると割合近い、と感じます。資本主義でもちゃんと節度やルールが必要だと発言されている。私が言おうとしていることもそれなんですね」
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