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(回答先: 政府代表:谷内前次官を起用 米に広い人脈、首相を補佐(毎日新聞) 投稿者 クマのプーさん 日時 2009 年 1 月 15 日 11:05:02)
http://www.bitway.ne.jp/bunshun/ronten/ocn/sample/enquete/090115.html
オバマ政権は、駐日大使に誰を送り込むのか
2009.01.15 更新
*このコーナーでは、『日本の論点』スタッフライターや各分野のエキスパートが耳寄り情報、マル秘情報をもとに、政治・経済・外交・社会などの分野ごとに近未来を予測します。
いよいよオバマ政権が誕生する。昨年11月の当選から1ヶ月のあいだに国務長官、国防長官をはじめとする主要人事が次々と明らかになるなか、各国は、新しい大使としてアメリカが誰を送り込んでくるのかに関心を寄せてきた。日本も例外ではない。
1月8日付の朝日新聞夕刊が、オバマ大統領が次の駐日大使に、ハーバード大学教授で、クリントン政権で国防次官補を務めたでジョセフ・ナイを起用する方針を固めた、と断定的に報じた。一方、10日付の読売新聞朝刊は、ナイも候補であるが、あくまで共和党のチャック・ヘーゲル前上院議員が最有力候補であるという見方を示した。
はたして大使に任命されるのはどちらか、あるいは第3の候補が現れるのか、注目が集まったが、報道が途切れてしまい、1月14日現在、政権移行チームから駐日大使に関する正式なアナウンスはない。なぜなのか。
どうやら名前が挙がった両者とも、大使就任に二の足を踏んでいるというのが正直なところのようだ。政権移行チーム内部の政治力学も多分に影響しているが、「転職先」としての日本に、彼ら自身、あまり魅力を感じていないことが、何より大きな理由だといわれる。その意味では、駐日大使のポストは、「労多くして益なし」というポストになりつつある、といったらいい過ぎだろうか。
日米両国の間には、安全保障問題ひとつとっても多くの難問が横たわっている。沖縄の基地移転問題、北朝鮮による核と拉致問題、自衛隊の海外派遣に関する恒久法の制定と集団的自衛権をめぐる解釈問題など、日本の政権が安定していないと、これらの問題を解決に向けて前進させることはむずかしい。
支持率が20%前後と低迷する麻生政権が、政権の浮揚を目指して得意とする外交・安全保障政策のドラスティックな展開にかける可能性はある。谷内正太郎前外務次官を政府代表として官邸に迎えるのは、その布石かもしれない。谷内前次官は、ハワード・ベーカー元駐日大使のロビー・ファームにアドバイザーとして名を連ねており、大統領選挙前にも、アメリカでオバマ陣営との接触をはかっている。しかしいまの政治状況を考えれば、実力者の谷内前次官をもってしても、麻生政権の支持率を回復させるような秘策を編み出すのは至難の業(わざ)だろう。
他方、民主党が次期衆院選で単独過半数を獲得したとしても状況はさして変わらない。党内に外交・安全保障政策をめぐる対立を抱え、参議院では社民党などと「連立」しなければならないからだ。普天間問題に限ってみても前途は多難だ。年明けには普天間移転計画の白紙見直しをオバマ政権に求める方針を固めたと報じられたが、昨年12月にナイが来日した折、党幹部が同様の案を打診した際、ナイはそれを強い口調で拒否したといわれている。
このような状況下では、「大物」といえども、駐日大使就任におよび腰になるのも無理はない。
駐日大使候補の一人であるヘーゲル前上院議員は、早くからブッシュ外交を批判し、身内の共和党から裏切り者扱いされていた。それでもなおイラクからの撤退を主張した一言居士だ。昨年の大統領選では中立を保ったものの、一時はオバマの副大統領候補の一人とも噂され、選挙後は国務長官の有力候補と言われたほどである。となればヘーゲルが、過去数年間に冒したリスクに見合うだけの働きがいのあるポストを求めたとしても不思議はない。
一方のナイは、1970年代から国際政治学者として活躍、カーター、クリントン両政権で安全保障関連ポストを務めた。1994年からの東アジア安全保障戦略と日米同盟の見直し作業(「ナイ・イニシアティブ」)や、アーミテージ元国務副長官とともに発表した『アーミテージ・ナイ報告』によって、日本の政界やジャーナリズムに広く知られる存在だ。しかし、ナイもすでに古希を過ぎている。おそらく最後となるであろう政権ポストで我慢を強いられる仕事はしたくないだろう。
そもそも、上院議員を2期務めただけのヘーゲルや、アカデミズム出身のナイを「重鎮」とか「大物」とか呼ぶべきかどうか疑問だが、いずれにしても日米同盟が取り組むべき課題はほぼ出揃っている。今回の駐日大使人事がたとえ「オバマ政権の対日関係重視の表れ」(朝日)であり、「オバマ氏の対日配慮」(読売)であるとしても、日本側に前述の課題に取り組む用意がなければせっかくの「配慮」も水泡に帰すことになる。オバマ政権誕生の年が、また新たな同盟票流の始まりとなる可能性も十分にあると考えておくべきであろう。
(堀 圭一 ほり・けいいち=社団法人アジアフォーラム・ジャパン研究員 http://asianforum.jp/)
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